三浦郡葉山町|完成した基礎を解体します
どう表現して良いのか正直言って分かりませんでした。
でも、良い事だけを公開するのではなく、悪い事も公開する様でないと中尾建築工房ではない様な気がします。
実は週明けに上棟予定だった葉山町の高台に建てるお宅がありました。
すでに基礎工事を終えて、土台の敷設も完了しており、上棟前の先攻足場も完了しておりました。
基礎工事が終わると、かならずコンクリートの耐久性を測る為に非破壊検査を行ないます。
一般的にRCなどの建物の場合は、出来上がった一部のコンクリートをくり抜いて、検査をしたりします。でも木造住宅の基礎の場合は、非破壊検査をするのが一般的で、くり抜かなくてもだいじょうぶな検査を行ないます。
検査方法はテストハンマーと言う形の試験なのですが、コンクリートを壊さずに打撃を与えて、その反動を調べる事により強度のデータを取ります。
当然、想定強度以上の強度を出す為に、コンクリートを発注する上では、きちんと強度の出る数値で発注を行ないます。
現場に到着したフレッシュコンクリートを出す時にも、スランプ試験と言って、コンクリートをバケツの様な容器に入れて、それをそのままひっくり返して、崩れ方を見る方法も取っています。
そこで問題無い為、コンクリートの打ち込みを行ないました。
ところが昨日、シュミットハンマーによるテストハンマー試験を行なった所、コンクリートの強度が足らない事が判明したのです。
当然全ての部分に強度不足がある訳ではありませんが、なぜかムラがあるのです。
ただでさえ一般的な工務店さんで採用されている軸組よりも、中尾建築工房の骨組みは太いですし重たいのです。
そこに強度不足の基礎の上に載せられるかと言うと、当然載せる事が出来ません。
その為、昨日にオーナー様宅に伺いまして、今回の件をご報告させて頂き、対応策の説明をさせて頂きました。
大変申し訳ないのですが、工事中に発覚した基礎の強度が足りません。
そのまま建てる訳にもいきませんので、基礎工事の解体及びやり変えを行わせて下さいというご報告をさせて頂いたのです。
当然、上棟を楽しみにして下さっているのは、承知しているだけに大変申し訳ない気持ちで設計担当、施行担当、そして私の三名で説明に伺いました。
建築は細かい作業を積み重ねて完成を迎えます。
どんなモノでも基礎と言えば、とても大事な部分です。
その大切な部分にその場しのぎの仕事をしては、必ず後に弊害が出ます。
本当に上棟を楽しみにして頂いているオーナー様には大変申し訳無いのですが、基礎の解体をし工期の延長をお願いさせて頂きました。
原因も連休前に調べているのですが、コンクリート工場が連休のため、週明けになってしまいます。
そのため、今はとにかく解体を行なう準備と、オーナー様に工期を延長する事で想定出来る家賃保証他、全て中尾建築工房で行なわさせて頂き、きちんと胸を張って『これが中尾建築工房の建てる家です』と言う家を建ち上げたいと思っています。
今まで過去に、ここまで大きい事が発覚したのは今までにありません。
唯一あったのは柱の含水率が高過ぎる事で、横須賀市に建てたお宅の柱入れ替え作業を行なった事が一番の出来事でした。
連休中の今、私たちに出来る事は他現場と同じ様に、強度が高くて耐久性の高い基礎を新設すべく解体の準備を行なう事だと思います。
オーナーのT様には、ご心配をお掛けして大変申し訳ありません。
今回、テストハンマーを行い、発覚したのは今回のお宅のみです。
それだけに大変申し訳なく思っております。
でも今、出来る事をきちんと行い、週明けにきちんとしたご報告及び最善の方法での対応策、そして安心の出来る家をお渡しする事をここに約束させて頂きます。