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腐ってしまったウッドデッキをハードウッドで造り変えてみよう|より永くハードウッドを保たせる造作方法をプロの大工が教えます。

 
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新築で建てた家には、たくさんの要望があって。

 

ウッドデッキも欲しいし、キッチンやフローリングへのこだわりも捨てられない。

 

壁紙よりも漆喰にしたいし、湿気に困らない家を建てたい。

 

こんな思いから10年程度なら持つソフトウッドで、ウッドデッキを作っては見たものの。

 

あっという間に10年どころか15年ほど経ってみて、いよいよ作り変えを検討せざるを得ない状態。

 

せっかく作り直すなら、今までの倍以上の耐久性が欲しいと思うかもしれません。

 

そこで新築の注文住宅を専門に建てていて、無垢材を扱うプロの大工さんである中尾建築工房の社長から。

 

より永く保たせるハードウッドのウッドデッキの作り方を、葉山町で施工させて頂いたお宅の事例を元に御享受とご紹介をさせて頂きます。

 

1.ハードウッドは適材適所で木材を選んでみよう

 

 

ハードウッドには様々な種類が有ります。

 

どの様な種類の木材があるでしょうか?

 

  • ウリン
  • イペ
  • ピキア
  • セランガンバツ
  • イタウバ

 

こんな感じでしょうか。

 

いずれも南米産やインドネシア産の木材であり、高耐久性のある木材と言われています。

 

稀にサイプレスをハードウッドの括りに入れている販売会社さんもある様ですが、サイプレスは針葉樹になりますのでハードウッドとは言えない木材です。

 

ではプロの大工である私が選ぶ素材は何かと言えば。

 

柱や束にはとにかく硬いウリンを選択。

 

ウッドデッキの軸組となる柱は、とにかく硬いほうが良い。

 

また施主としては長持ちすればするほど良い訳ですから、柱にウリンを使えばかなり永く使えるのは間違い無いでしょう。

 

根太や幕板には幅の広いセランガンバツを選択。

 

私の会社で家を建てている方は、割と大きめのウッドデッキを作る方が多いです。

 

その為、永くスパンが飛ばせる材料が必要です。

 

ハードウッドでは幅が広くても150mm程度が限度で、それよりも幅広を使うためにはセランカンバツが良いでしょう。

 

セランカンバツなら300mm幅の材料が有りますから、大き目のウッドデッキを作るなら最適な無垢材となります。

 

床板や笠木にはイタウバを選択。

 

イタウバは油が滲むハードウッドで、油が多いせいもあってツルツル滑ります。

 

ですから固定するまでは大変なのですが、油のお陰でささくれなどが起きにくい無垢材です。

 

お子さんが仕上がったウッドデッキに乗っても、怪我をしないで大丈夫だろうという配慮からイタウバが最適な無垢材となります。

 

2.ハードウッドを無駄なく拾うために設計作業が重要です

 

ハードウッドはソフトウッドに比べて比較的高価な無垢材です。

 

ウッドショック以降は構造材に使えるソフトウッドも、価格が上昇傾向に有ります。

 

ですから割とハードウッドに価格的には近づいていると言えます。

 

ちょっと前にホームセンターで3.64mのレッドシダーの90mm角材を拝見しましたが。

 

そのお値段なんと税込みだと1万円超え!

 

プロも驚く価格になりますので、それならハードウッドのほうが全然間違いないと言えるでしょう。

 

ではその高価な無垢材を適当に拾えばどうなるか?

 

自ずと価格は上がってしまいますし、予備の無垢材を用意したいところでは有りますが。

 

それはそれで見積価格に反映されて、価格自体が上がってしまいます。

 

ですからウッドデッキの意匠を確認しながら、施主様にも説明出来る様に私の場合は一つ一つの部材を入力して、入力と同時に不足の無い様に拾い出しを行います。

 

実はハードウッドと言うのは、かならず希望する材料の在庫がある訳ではありません。

 

日々更新される在庫表をにらめっこしながら、3Dキャドに入力をする必要が有ります。

 

これだけのスパンを飛ばすなら、これくらいのサイズの材料が必要。

 

床の長さも長い在庫があれば良いですが、どうしても無い場合も有ります。

 

そんな時は継ぎ手を複数用意して、床材を千鳥で仕上げられる様に根太を組み替えます。

 

一つ一つの入力は手間も掛かりますが、逆に言うと一つ一つ確認しながら木材調書を作れます。

 

ですから間違いも無く、木拾いが出来ると言う事になりますね。

 

逆に長い材料が必要でなくても、在庫によって長い材料が入る場合も有ります。

 

中尾建築工房では新木場の商店さんからハードウッドを仕入れていますが、商店さんも施工を行う大工さんも、表を見るだけでどこに何を使うか分かると言うメリットも有ります。

 

3.根回りから組み立てを開始する

 

ウッドデッキの組み立てで、まず最初に行うのは根回りの組み立てです。

 

根太と呼ばれる材料と柱が建つなら柱と繋ぐ。

 

柱が必要無ければ、根太と束と呼ばれる短い柱と繋ぐ。

 

そしてもっとも重要なのは、垂直方向の材料であれば、柱の上下や束柱の上下を確認しておく事です。

 

無垢材は樹木の状態から伐採されて、無垢の材料として加工されます。

 

樹木は下から上に伸びて育ちますから、下の方は根っこに近くて、上の方は陽の光に当たって伸びていきます。

 

その状態と同じ様に使ってあげれば、根っこ側は色味も強いので虫害を抑えられることにも繋がります。

 

よく見かけるのは、上下を見ずに柱を立てているウッドデッキを見かけます。

 

大工用語では逆柱(さかさばしら)と呼ばれるのですが、根っこ側が上になってしまっている場合、水を吸い上げる毛細血管の様な穴が木材には有ります。

 

つまり水を吸いやすい状態になってしまう訳ですから、それは避けなければなりません。

 

また上下を正しく使ったとしていても、柱や束の上に何ら頭の部材が絡まない場合は木工ボンドなどで吸水させない状態を作ることが望ましいです。

 

いくらハードウッドとは言え、無垢材の持つ耐久性にあやかっているだけでは、それほど永く持たせることは出来ません。

 

より永く持たせるためには、無垢材の特性を理解した上で、適材適所での使い方。

 

そして丁寧な作業が、重要となります。

 

水平方向の材料であれば、むくっている側を上にして取り付けを行う事です。

 

無垢材はまっすぐなモノもありますが、概ねどちらかに曲がっているものです。

 

上に沿っているなら、後で調整することで根太の高さを揃えることが出来ます。

 

逆に下に沿っている場合はたるんでしまう形になります。

 

たるんでいると下から突っ張らない限り、まっすぐになりませんから調整が出来ません。

 

この段階では水平の高さを揃えるのと同時に、矩(かね)と言いまして、平面的な直角を確認していきます。

 

この段階ではしっかりと柱を固定出来る訳では無いのですが、ビスで固定する前にハタガネと呼ばれるクランプで抑えて行きます。

 

あっちもグラグラ、こっちもグラグラでは最終的な固定を行うことが出来ません。

 

なので最初は外壁側の束と束石を緊結してから、根太を伸ばして柱と緊結を行います。

 

 

ここでは仮固定の部分も有りますが、ある程度の垂直や水平を確認しておく根太掛けや根太、柱や束などを固定しています。

 

また柄の上部にマスキングテープを貼って養生している部分があると思うのですが、ここには水を吸い上げない様に木工ボンドを塗っています。

 

ロウなどでも良いのですが、ロウは滑ってしまうので現場では怪我の元になってしまいます。

 

ですから木工ボンドを塗って水が溜まっても弾く様な状態を作っています。

 

また部分的に長いハタガネで引っ張っている部分があるのですが。

 

ここでも根太をまっすぐに固定したい理由がありまして、根太が曲がってしまうと床板を固定する際のビスのラインも曲がってしまいます。

 

違和感無くまっすぐなビスのラインを構築したいので、ここは一本一本の根太をまっすぐに並べてから固定をしています。

 

4.ハードウッドのウッドデッキは意図的に直線をイメージする

 

根回りの固定が終わると束柱を固定したり、床板を仮並べをしてみます。

 

ちなみにここで床材として選択しているのは、145mm×30mmの材料です。

 

よく見かけるハードウッドは、床板に20mmの材料を使っているお宅が有ります。

 

ですがあまりお勧め出来る材料ではありません。

 

使えなくは無いけど、永く持たせるのであれば30mm材を選択されたほうが望ましいです。

 

イタウバは色味の変化が多い木材です。

 

ウリンやセランガンバツはさほど色味が違うことは無いので、さほど気を使うことがありません。

 

ですがイタウバの場合は色味が黒身のあるモノ、赤身のあるモノ、茶色身のあるモノとで分かれます。

 

製材されたばかりのイタウバは概ね黄色です。

 

それが日に焼けたりすることで、中から油が出てきて色味が出て来ます。

 

せっかく高価なハードウッドでウッドデッキを造っていますから、やはり色味を確認した上でバラバラに貼るのが無垢材を扱う事に慣れている大工さんの腕とも言えます。

 

この段階ではまだ色がはっきりとしてませんでしたので、数日を置いて色味を確認してから床板を張りました。

 

 

ここでは根太掛けと柱、根太掛けと根太、根太掛けと束柱の構成が見て取れます。

 

ここで重要な板となっているのは根太掛けです。

 

横方向に永く伸びているのが根太掛けになりますが、この一枚の板で柱も固定してますし、根太も支えています。

 

さらに束柱も支えている力板になります。

 

よく見かけるのはこれよりも、半分程度の板を二重にしているお宅を見かけます。

 

ちょっと見れば分かるのですが、概ね曲がったり歪んだりしていることが多いです。

 

やはり一枚板の力は大きいですし、耐久性の向上も測れます。

 

ハードウッドを選んでウッドデッキを選択される方の多くは、長持ちして欲しいと言う気持ちがあると思います。

 

 

それであれば最初から使う部分には 、しっかりとした材料を使う事がより大切になります。

 

 

イタウバの床板の色が分かる様になってきたら、ようやく固定するための作業を行います。

 

床板を固定するビスのラインは真っ直ぐに通したいので。しっかりと糸を張ってラインを出します。

 

地道に床板を貼った後に、今度は付け框をウッドデッキに回して行きます。

 

 

ここでウッドデッキの顔とも言える付け框を回したり、方杖を固定して行きます。

 

すでに束柱の上に笠木も回してありますから、笠木が真っすぐに固定されていることも確認しています。

 

その上で付け框を回して、束柱を固定する事で根太掛けと付け框の力が加わりますから、より上下方向の力に耐えられる事になります。

 

ここまで来ると柱をどれだけ叩いても、動く事はありません。

 

 

こちらのお宅ではウッドデッキと同じ意匠のブロック上のウッドフェンスも必要です。

 

もともとは土台の入った手すりがありましたが、外部のブロック部分に土台を入れるのはあまり良いこととは思えません。

 

構造上土台が必要なのは分かるのですが、土台は幅も広くて水も溜まりやすい部材になります。

 

ですからちょっとした加工を行う事で、束柱を単独でブロックに緊結する事にしました。

 

束柱の下に四角い穴が空いているかと思います。

 

そこにはアンカーボルトを締めるための穴でして、アンカーボルトが固定し終わったら埋木で鬱いでしまう部分になります。

 

 

この画像なら分かりやすいですね。

 

ブロックの上に穴を開けて、接着系のケミカルセッターでアンカーボルトを固定します。

 

固定が完了したら、埋木を埋めて終了です。

 

これなら水捌けも良いですし、停滞した水でハードウッドが腐る事もありません。

 

キソパッキンを入れておく事で、梅木穴から水が入っとしてもアンカーボルトの穴から流れて、キソパッキンの横から水が逃げる構造になっています。

 

そしてすべての手すりを貼り終えてステップを付けたら、ハードウッドのウッドデッキの完成です。

 

 

 

手すり代わりの羽目板を貼り終われば分かるのですが、事前に羽目板の割を行ってから埋木の位置を決めています。

 

ちょうど羽目板で隠れる高さに埋木が有りますので、こうなると柄柱がどうやって固定されているのかが分かりません。

 

 

ウッドデッキに上がるステップもしっかりとした平板基礎の上に造ってあります。

 

ステップの束代わりにツカエースと呼ばれるステンレス製の調整束を入れてあります。

 

これなら腐食の心配も無いので、安心して永く使えるウッドデッキの完成です。

 

奥様が大事にしている物干し金物も再度固定して、ウッドデッキの造り変えは完了です。

 

5.まとめ

 

私が個人的に思うのは、ハードウッドだから大丈夫と言う施工方法はあまり良いとは思えません。

 

ハードウッドでも無垢材の知識をしっかりと分かっている職人さんが、しっかりと造ってこそ永く使えるウッドデッキになると思います。

 

せっかくの高価な木材である事から、長持ちして欲しい気持ちが有ります。

 

安さにこだわった場合は、ウッドデッキの建て替えで失敗してしまう可能性も有ります。

 

ですから単純に金額面だけで、依頼先を決めるのはナンセンスです。

 

実際にそれで失敗している方も居らっしゃいますので、せっかくの家を欠陥住宅、または欠陥ウッドデッキにしないためにも。

 

信頼のおける施工会社にご依頼くださいね。

 

 


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