葉山町長柄|『ジブン・sizeの家』上棟!
2013年3月29日の建築吉日(たいら)に、葉山町長柄にて『ジブン・sizeの家』が上棟しました〜
こちらのお宅は葉山町の中でも、とても独特な立地でして、重機やダンプ等の建設車両が進入できない立地に計画されました。
そして敷地の条件的には地型も正方形や長方形ではなくて、台形の様な形の敷地になります。
実はこちらのオーナー様が中尾建築工房の見学会に訪れたのは、ちょうど4年前の今頃でした。
たしかこちらの葉山見学会会場だったような覚えがあります。
当初は特に見学をするだけだったのですが、それから数年が経ち、リフォームの相談を受けたんです。
リフォームと一口に言っても、いろんな形態があります。
例えば単純に水回りのみを交換する場合は、よくある水回りリフォームですよね。
そこに床を張り替えたりとか、壁を綺麗にしたりするのもリフォームの範疇です。
でも私が受けた相談は、リフォームと言うよりも、どちらかって言うとリノベーションとなる計画のご相談だったんです。
リフォームとリノベーションの違いは以前にこちらで公開してますので、ご覧頂ければと思います。
でも、この相談を実現する上では、実に費用も相当な価格になります。
たくさんのお金を使ってすべての部分がやり直せるなら、それはそれで良いのでしょうが。。
私にはどうしても譲れない部分がありました。
それは基礎の部分なんです。
いくら表面を綺麗に見せる事に成功をしたとしても、基礎の部分がそのままの古いモノということは、オーナーにたくさんのお金を使わせて、それに見合うだけの耐震性や資産価値を産み出す事が出来るのかって事。
それだけに私も自問自答を繰り返しました。
そこで私の出した結論は『基礎をやり変えた場合、むしろ新築を建てるのも変わらない形になってしまう。
であれば、新築案で行った方が良いのでは?!』とお話をさせて頂きました。
でも、ここで障害が生まれます。
家というのは、敷地に対して建ぺい率や容積率をオーバーしない範囲で計画をしなくてはなりません。
当然、それだけではなく斜線制限も受けますし、この他にも影響を受ける部分は多々あります。
しかも敷地の前の道が狭い訳ですから、当然セットバックも絡んできてしまいます。
今まで住んでいた古家と同じくらいのサイズで良いから、快適な家にしたい。
でも、セットバックがある=敷地も建てられる面積も今までより小さくなってしまう。。
それだけに悩ましい判断ではありましたが、湘南葉山独特な立地や風土の問題、これらがどうしても頭から離れなかったので、将来的な資産を考えた上では、リノベーションへの判断をお勧めする訳にはならなかったんです。
そしてそこから敷地のサイズもアバウトな状態になっている土地を綺麗に整理するために、近隣の方たちに同意を得られる様、境界も確定したりしました。
思い返すと、普通の家に比べて、コスト的にも、スケジュール的にも、精神面的にもオーナー様に掛かった負担は大きかったと思います。
でもその代わりに、今後はストレスなく過ごせる暮らしが待っていて、将来的にも受け継がれていくであろう資産は今までの様なアバウトな状態ではなく、綺麗に整理された資産として受け継がれていく準備が整いました!
こういった経緯のあるお宅でしたので、建物の構造自体も敷地なりに建つ形となり、普遍的な角を持つ家となりました。
その中でも、窮屈感を与えないよう設計されておりますので、今までの家には無かった開放感が得られる事でしょう!
様々な条件をクリアして建てた家。
それだけに『ジブン・sizeの家』となったのですが、ジブン・Style☆を推奨する中尾建築工房らしい家となります!
どうでしょうか?
屋根の形も直角で作られているのではなく、振れ隅という大工さん仕事では最も難しいと言われる作りとなっています。
規矩(きく)を知っていなければ、作れない構造です。
私が現役大工の棟梁だった時には、規矩術を使いまくっておりました(笑)
村松、関君、よくやった!実に綺麗な収まりだったよ〜
こうして難関を乗り越えて、無事上棟作業を終える事が出来ました!
これからもまだまだ現場の職人さん達は大変な作業が待っています。
でも、オーナーであるSさんにとっては。。
やっとここまで来たか!
そんな心境であろうと思います(笑)
S家の皆さん、永らくお待ち頂いた分だけ、人よりも多めに。。
上棟おめでと〜ございまーす☆
ちなみにこちらの現場は完成見学会を予定している葉山一色の所からちょこっとだけ車で走ります。
見学会を開催するかどうかはわかりませんけど、中尾建築工房が建てる総無垢材の木造軸組のフレームをご覧になりたいと思っていらっしゃる方にとっては。。
うってつけのお宅になるかもしれません。
希望される方は直接私のメールにご連絡を頂ければと思いまーす☆