一戸建て無垢材住宅の間取りとプラン~失敗と成功の法則~
一戸建ての間取りで失敗する人と成功する人がいます。
どちらも同じくらいの期間に渡って打ち合わせを行い、どちらも快適な住まいを手に入れたいという情熱を持っているにも関わらず、このような違いが生まれるのです。
この違いの原因は、どこにあるのでしょうか。
実のところ、住まいが完成するより前に、間取りで失敗するか成功するかが決まっているのです。
この理由をご紹介していきたいと思います。
1: 家づくりの基本は設計図から
家づくりの基本は設計図です。
設計図なくして家をつくることはできません。
一戸建ての建築を行う場合、図面に書かれた通りに工事が行われます。
ということは、図面にイメージと違うことがあると、住宅の出来上がりもあなたが思っているのと違ってきます。
確かに設計図は取っつきにくく、分かりにくいかもしれません。
しかし、これからお話する図面だけでも知っておいてもらえると、間取りで失敗する可能性がグンと減ることでしょう。
それでは、あなたに知っておいてほしい図面について紹介していきます。
2: 建物の全体像を見る配置図
配置図とは、建物を上から見た図です。
敷地がどのような形をしているのか。
敷地の中のどの部分に家が建つのか。
これが配置図の基本です。
そして、配置図には
- 方位
- 敷地の寸法
- 建物の寸法
- 道路からの距離
- 隣との距離
このような内容が記されています。
これらの数値は、建築に関係ないように思いますが、建築基準法をクリアしているのかを知る大切な情報でもあります。
また、意外に忘れがちな部分である、表の道路と家との高低差も書かれていますのでしっかりと確認しておきましょう。
道路との高低差がある場合なら、玄関までのアプローチをゆるやかにするなど、将来のことを考えておかなくてはいけません。
さらに、お隣との高低差も示されているので、太陽の光は入ってくるのかどうかもプロの建築家に質問してみると安心できます。
3: 生活が見える立面図
立面図とは、建物の外観を描いた設計図です。
この設計図は東西南北、すべての方角から建物を見た図面となりますので、これから出来上がる家の外観がわかります。
この他にも立面図では、
- 屋根の形
- 屋根に使われる素材
- 外壁の素材
- 玄関の位置
- 窓がある場所
- 明かり取りの小窓
- 玄関や雨戸の開け閉めの方向
- 戸袋の配置
- 室外機の設置場所
このような生活する上で必要となるものが見えてきます。
この他にも立面図では、方角と窓の位置を同時に見ることができますので、風通しや日当たり具合を詳しく知ることもできます。
生活の快適さは、窓を開けたときに感じる開放感も大切です。
立面図を知っておくと、暮らしやすさをイメージしやすくなります。
4: 生活空間を見る平面図と展開図
間取りと聞くとイメージするのが平面図です。
別名「間取り図」とも言われるくらいですから、あなたもご覧になったことがあるでしょう。
平面図は、建物の広さや部屋の配置を知ることができるのはご存じの通り。
しかし、平面図から分かることはこれだけではありません。
- 水回りの位置
- 部屋と部屋のつながり
- 廊下の幅
- 柱の位置
- 壁の位置
- 収納スペース
- ドアの位置
- ドアの開く方向
- 部屋の広さ
このようなことが分かります。
ですから、平面図を見るときには、次のことを頭の中でイメージしながら見てもらいたいですね。
- 暮らしの中で動いたときの動線はスムーズか
- ドアを開けたとき、人にぶつからないか
- 家具や収納ボックスを置けるか
- 廊下や階段の幅や安心して通れるか
あなたのイマジネーションを発揮して、実際に自分たち家族が生活しているシーンを思い浮かべてみてください。
もし、不便に感じることや、実は必要がないことがあれば設計段階で建築家へ相談しておきましょう。
平面図から各部屋の1つ1つのパーツを表したのが展開図です。
展開図があると、部屋の詳しい状態を知ることができますから、より正確なイメージを頭の中で描くことができます。
- 窓の高さ
- 棚の位置
- 壁の大きさ
このようなことがわかると、今お使いの家具が使えるのかどうかもわかってきます。
また、今お持ちの家具を基準にして、具体的なイメージを持つことが出来ますので、よりリアルにチェックすることができるでしょう。
5: 暮らしやすさを見る設備図
設備図を好んで見る人は多くありません。
しかし、暮らしやすさを見るには設備図を外すことはできません。
なぜなら、設備図には
- 電気
- ガス
- 水道
生活に必要な情報が書かれているからです。
特に暮らし始めてから失敗に気づきやすい「コンセント」は、設備図でしっかりと確認しておきたいところです。
人が集まるリビングには、コンセントが多めにあるか。
コンセントの高さは使いやすいか。
最近では家族全員がスマートフォンを持っていることもありますから、楽に充電できるようにしておくと良いですね。
また、電気関係ではキッチンに注意しておきましょう。
電子レンジを使われるなら、専用のコンセントとなっているか。
増えやすい家電に対応して、コンセントの数に余裕を持たせてあるか。
屈むことなくコンセントが使いやすい位置にあるか。
ガスと水道に関しては、浴室や洗面所、トイレなどある程度場所が決まってきますので、プロの経験値に任せた方が無難です。
しかし電気関係、特にコンセントは暮らしやすさに直結します。
廊下を掃除したいのに、廊下にコンセントがないと掃除機を使うのが面倒になります。
このように、実際に暮らしたとき何をするのかをイメージしてみてください。
そうすると、どこに何があれば良いのかが見えてきます。
6: まとめ
一戸建ての間取りは今回ご紹介しましたように、設計段階で出来上がりが決まっています。
ですから取っつきにくいとは思いますが、積極的に設計図へ目をとおし、これからパートナーとなる建築家へ、どんどんと質問し確認してもらいたいのです。
例えばコンセントの位置のちょっとした高さの違いだけでも、暮らしの快適さは変わります。
疑問点やご自身と家族にとって使いにくそうに感じる部分は、遠慮せずにしっかりと伝えるようにしましょう。
コミュニケーションをとおして、あなたの好みや手に入れたい暮らしが、より明確に建築家へ伝わり、成功した間取りが出来上がります。