快適な家づくりには外観や外構のデザインが必要です。
快適に暮らせる家をつくりたいと考えたとき、あなたは家の間取りや部屋の内装ばかりに気がいってないでしょうか?
ご家族と話をしたとき、部屋のインテリアやキッチンの設備、ドアの種類の話題ばかりになっていないでしょうか?
快適な家というのは、家の内側も大切ですが、外側のプランも大変重要な要素なのです。
そこで、家をつくってから後悔しないために、今回は家の外回りについてお話していきたいと思います。
1: 外観は自分の趣味だけではNG
あなたのお家の暮らしぶりを決めるのは「外観」です。
ですから、あなたの好みだけで外観を決めるのではなく、あなたが所属する地域にとけ込むデザインを心がけて欲しいと思います。
これは別に「隣近所と同じような外観にしましょうね」と言っているのではありません。
あなたらしいデザイン、あなたらしい主張を取り込みながら、あなたも近所の人も、通勤で前の道路を通る人も「ホッ」できる、街並みにとけ込みながら目を引くデザインにしましょうと言っているのです。
家の外観は、思っている以上に「見え方」「見られ方」を意識する必要があります。
というのも、あなたが帰宅したときのことを考えてみてください。
最初に目に入るのは、玄関でもリビングでもキッチンでもなく、家の外観を眺めることになります。
このとき「ホッ」とできる外観であれば、快適な家に一歩近づけます。
また、友人や知人がやってきたとき。
近所の人が訪問されたとき。
あなたの家が地域の価値をアップさせているような外観であれば、あなたも誇りをもって迎えることができるでしょう。
個性の強い外観が良くないのではありません。
あなたの趣味だけで外観を表現するのではなく、街並みにとけ込みながらも、あなたのこだわりや趣味性をスパイスとして取り入れてもらいたいと思います。
2: 家の外観に影響を与える屋根
家の外観に影響を与えるのが屋根です。
まず代表的な屋根の形を見ておきましょう。
(1)切妻(きりづま)
ログハウスなどは、2階の屋根と1階の屋根を1面でつくったる場合もある屋根です。
見た目にもダイナミックな印象があります。
(2)宝形(ほうぎょう)
4つの屋根の面を1つの点に向けて集めた屋根です。
6つ、8つの屋根を1つの点に向けて集めることもあります。
(3)片流れ
一方だけに屋根を傾斜させた形です。
シンプルなつくりであり、屋根勾配が低い場合はコストも低くできます。
人気のある洋風で小さめの住宅に使われることが多いです。
(4)陸屋根(ろくやね)
平屋根とも呼ばれる屋根勾配がほとんど無い形です。
意匠上、キューブタイプの家やコンクリートの家に多いです。
これ以外にも、「棟違い」「入母屋」「マンサード」と呼ばれる形もありますが、屋根の形を選ぶときには、見た目の印象以外に次のことも配慮しておきましょう。
- 雨や風を防ぐ機能
- 気象条件
- 法的な規制
10年後、20年後に屋根の修繕を行うなら、メンテナンスのしやすさにも注意しておくと安心です。
また、屋根の形は家の構造や屋根に使う材料によって施工が難しいこともあります。
急すぎる屋根の角度。
重い屋根材を使うなら、家の構造を丈夫にする必要があるかもしれません。
屋根の形が複雑で角度がゆるすぎると、雨漏りなどの問題がおこりやすくなることもあるでしょう。
このあたりは、家全体の構造や予算に影響を与える部分ですから、
「これじゃないとイヤ!」
ということではなく、建築家や設計士のアドバイスをもらいながら、一緒に検討されることをおすすめします。
3: 快適な住まいに欠かせない外構
忘れやすく後回しになりやすいのが、快適な住まいに影響する外構です。
外構は、あなたのプライベート空間とパブリックな部分とのつなぎながら、少しずつプライベートな空間へ誘う大切な役割を持っています。
また、家の外観だけではなく、多くの人は庭や塀やフェンスなどにも視線を送っていますから、大きな視点で見ると外構は、あなたの暮らし全体の好感度を決める部分だとも言えます。
昨今の外構は、オープンな雰囲気が好まれています。
高すぎるブロック塀や、外から中がまったく見えないフェンスなどは、閉鎖的な印象を与えますので印象があまりよくありません。
できれば隣との境界には、低めの生け垣やフェンスを用いて、ゆるやかな緩衝地帯を作り出したいものです。
また、外構は「庭づくり」だけではなく、内側からの視線や外からの視線を上手に遮る仕掛けをつくる役割もあります。
シンボルツリーを植えることで、外からリビングへの視線を遮りながら、閉鎖的な雰囲気を持たせないということも可能です。
そして外構で大事なことは、光と風をどのように呼び込むのかということでしょう。
快適な住まいに、この2つは切っても切り離せません。
玄関横の庭だけではなく、住宅の奥に「余白」となる庭を設けるというのもおすすめです。
外構は、あなたのお家への好感度に影響します。
また、快適な住まいにも影響します。
建物だけを考えるのではなく、建物と外構をひとつのものとして計画してもらいたいと思います。
4: デザインと一緒に考えたい防犯対策
最後に、デザインを考えるときに忘れてはいけないのが「防犯」です。
デザインばかりを追いかけると、ドロボーが入りやすい家になってしまっていたということもあり得ます。
ドロボーの被害に遭わないことが一番なのですが、そうは言っても相手は24時間「入りやすい」家を見つけようとしています。
そこで、私たちは先回りして「入りにくい」家であることを理解させる必要があります。
そのためには、次のポイントに注意しておきましょう。
- 家の近くに背の高い木を植えない(ハシゴ代わりになります)
- 室外機を置く場所に注意(足場になります)
- カーポートと窓の距離に注意(楽に登れる設備です)
- 高い塀(外から見えにくいのでドロボーが喜びます)
- 庭の死角(緑が多すぎるとドロボーが潜みやすくなります)
こういった部分に注意しましょう。
また、玄関や窓のカギの対策も忘れないように。
1ドア2ロック。
玄関ドアも窓も同じです。
ドロボーは入るときに「手間がかかる」家を避けます。
視線のあるところでゴソゴソして見つかるリスクを避けたいわけです。
ですから、カギを1つ突破すればスグに入れる家よりも、もうひとつ突破しないといけない家は敬遠されます。
快適な家を手に入れるためには、防犯に対する意識も必要です。
5: まとめ
快適な家づくりには、地域になじんだ外観が必要です。
地域の一員としてこれから生活をしていくことになりますから、あなたのお家が地域の資産価値をあげる一部を担うことになるのです。
街並みにとけ込みながら、あなたらしい上品な外観を是非プロの建築家と一緒にデザインしていってください。
快適な家づくりは、家の内側だけではなく「見られ方」を意識したつくりも大切です。