屋根には人を乗せないで!|屋根や外壁のリフォーム工事を見積もり依頼する前にお願いしたい工務店側の理由とは?!
そろそろ家の屋根や外壁も汚れてきたから、この際にリフォームをして綺麗にしたらどうだろうか?
そんな事を考えているとリフォームの業者を選べるポータルサイトがあったり、もしくは訪問営業をかけられた事でリフォームをする思いになっているかもしれませんね。
古い家になりますと、耐久性も下がっていますから、新築当時の様にはなりません。
そこで今回、新築の注文住宅やリフォーム、リノベーション工事を行なっている中尾建築工房から、施主であるあなたにお願いする工務店側の本音をお届けしたいと思います。
1.屋根には人を乗せないで!
屋根のリフォームをする際に、訪問営業で声を掛けられるお宅がありますよね。
私の会社で家を新築して10数年の時が経つと、必ず訪問営業によって声をかけられる施主の皆様が居らっしゃいます。
ですが屋根には簡単に人を乗せて欲しくないと言うのが、家全体を見ている工務店側の素直な気持ちです。
例えば屋根材自体が、瓦やガルバリウム鋼板の場合は問題ありません。
ですがカラーベストやコロニアルなどと呼ばれるスレート系屋根材の場合や、アスファルトシングルなどと呼ばれるシート上の屋根材などは注意が必要です。
スレート系の作りは野地板と呼ばれる板の上に、ルーフィングを敷いた上にスレート材が打ち付けられています。
スレート材の厚みは5mm程度です。
常に日差しに晒されていますから、耐久性も新築の時より低下して割れやすくなっています。
さらにスレート自体がだいじょうぶであったとしても、下葺きのルーフィングの耐久性も低下しており切れやすい状態になっているケースがあります。
つまり安易に屋根の上に乗る事によって、下葺きのルーフィングが切れてしまう事を誘発する原因になると言う事です。
リフォーム会社さんの中にも革靴で屋根に登ってしまい、垂木と垂木の間の野地板の上を歩いてしまう方をお見受けしますが、これは本当に良く無い行為です。
私たちの場合は垂木の上の中でも、極力垂木が撓まない母屋の上を歩く事で、屋根材自体に影響が無い様点検しています。
新築の時や屋根リフォームをするならまだしも、まだやるかやらないかわからない時点で屋根に安易に上がってしまう事はおすすめ出来ません。
実はココだけの話で私事ですが。。
私の実家は私が大工になる前の三井ホームで父親が建てています。
地盤の沈下によって建物が9センチ以上も歪んでいる為、今更触って修繕する事も出来ません。
朽ちるまで待っている状態なので、なにも手をつけない事が一番の方法です。
築年数で言うと30年以上を経過していますが、まだ雨漏りして来ないのでそのままにしています。
仮に屋根を見てほしいと私が言われたのであれば、実際に屋根の状態を確認させていただきます。
その上でカバー工法を行うのか。
または屋根材を剥がして、腐食した木材を交換するかと言うメンテナンスを含めたご提案を差し上げると思います。
2.スレート系屋根材の塗装は行わない方が良い
戸建の住宅リフォームでは外壁と塗装とセットで、屋根の塗装をお勧めされる場合があるかと思います。
屋根材がスレート系の材料だった場合、塗装をすることでスレート系屋根の美観は向上するかもしれませんが、スレート系屋根材の耐久性を向上させる事はありません。
元々スレート系の屋根材はアスベストを材料に配合していたので、厚みがさほど無くとも耐久性が高い商品でした。
ですがアスベストの健康被害が問題化されてからは、アスベストの使用を禁止する流れになって行くことになります。
その流れから各スレート系の材料のメーカーは、ノンアスベストの屋根材に切り替えることになります。
このあたりからスレート系の材料の耐久性はいちじるしく低下しており、欠けや割れやすかったり屋根材自体の層間剥離(ミルフィーユの様な状態)が起きたりと、もろもろ問題がある事が多い材料です。
ですから欠けや割れ、剥離がある素材に対して、塗装を行うことがいかに無意味な事がお分かりになるかと思います。
この記事を読まれる事でスレート系屋根材の塗装を検討される方が少なくなり、少しでも有益なリフォームに大切な費用を廻して頂く為にも、ぜひご自身でも屋根についての情報を調べてみてください。
たとえば。
スレート屋根 塗装できない
スレート屋根 塗装しないほうが良い。
こんな検索語句を調べると、工務店さんだったり防水屋さんだったりのブログ記事が出てくると思います。
まれに塗装屋さんのブログ記事には、屋根材の種類を掲載して、これは塗装できない、これは塗装できるという記事があるのをお見かけするのですが。
私の経験上、塗装出来るというメーカーの材料を拝見したことがありますが。
層間剥離は要所要所で起こっており、これはなんの目的で塗装を選択されているのでしょうか?
と言いたくなるほど、酷い状況だったこともあります。
あくあでもその家が立っている環境などもそれぞれ違いますし、修理をするのはそこに立っている家になります。
ですから信頼できる業者さんに相談するのが一番、大切な資金を無駄にしない方法を提案してくれると思います。
さらにスレート系の屋根材に対して、おすすめできない理由があります。
それはスレート系の屋根材特有の排水を塞いでしまうことにあります。
スレート系の屋根材はスターターと呼ばれる材料を貼り、そこから屋根材を順番に貼っていきます。
順番に重なり合わせで貼りますので、当然隙間が出来ての仕上がりとなる訳です。
隙間部分は雨を流す為の排水する役割を持っていますから、屋根材自体に完全な防水性能がある訳ではありません。
あくまでも下葺きになっているルーフィング材が、雨漏りなどを防ぐ役割を果たしています。
では塗装をすることで、どうなってしまうのかと言うと。
排水するための隙間が塗料で埋まってしまい、雨水の逃げ場が無くなってしまいます。
そのためルーフィングのわずかな隙間から、雨漏りをすることに繋がります。
一度空いてしまった穴は塞がることはありませんので、ますます拡がって行く一方です。
すると当然雨漏りをするので、依頼先では対応してくれなかったり、対応が悪かったりするわけで。
私達のところに連絡が来て、なんとか直して欲しいという依頼があるのです。
塗装屋さんは仕事としてやっているので、屋根の隙間を縁切りと言う作業を行うことで雨漏りしないと言うアピールをされてはおりますが。
実際にすぐ塗料が乾くわけでもなく。縁切りをしたとしても、またくっついてしまうのが屋根なのです。
この様に雨漏りを誘発しやすいのがスレート系の屋根材の塗装工事になりますので、もしも屋根をリフォームされることを検討するなら、信頼できる業者さんに相談しながらお願いをする様にしましょう。
3.外壁の塗装は下地を診断してから
外壁塗装を行う上で、なんのために外壁塗装を行うのかを考えてみたいと思います。
屋根と近い理由があるのですが、1年中雨風や日差しに晒されていることになります。
少しでも外壁材を長持ちさせるために、外壁塗装を行うという事が一般的な外壁塗装を行う理由となるでしょう。
特に日本国内の一戸建てというのは、ほとんどが木造住宅になります。木造と言うくらいですから、当然腐食などがあると困ってしまいますよね。
もしも腐食などがあった場合は、外壁の塗装をするどころか腐食を修理する必要がある訳です。
そのためいきなり外壁塗装を行うのではなく、かならず下地の構造材が活きているのか確認することを優先させたいと思います。
確認方法としては、過去記事に詳しく述べさせて頂いてますので、そちらを御覧ください。
4.訪問業者を信じるな!
かれこれ半世紀ほど前の話であれば、家は大工の棟梁がメンテナンスを行なっていました。
自分たちの建てた家を大工の親方が廻って、必要な工事や不必要な工事を説明していました。
ですが昨今はハウスメーカーやリフォーム専門会社の登場により、キャンペーンのチラシ投函であったり、訪問営業をして受注をしている会社が多くなっています。
これらの業者はあなたの家の利益を考えて訪問している訳ではなく、自社または訪問している自身の利益の為に訪問セールスを行っています。
少し前ならスーツ姿や作業着の訪問営業がありましたが、最近では完全に職人さんの格好をして訪問営業する業者も居ます。
そこで気をつけたいのは、これらを言ってくる業者は注意です。
屋根の修理をしませんか?
⚪︎⚪︎が傷んでいるので修繕した方が良い
近所で工事をしているフリをして営業する
偶然を装って訪問する
無料で屋根の修理が出来ると提案してくる
無料屋根点検で回っていると訪問する
家を建てた会社からの依頼で訪問する
⚪︎⚪︎までに契約すると値引きをする事が出来る
これらの言葉を何個か組み合わせて、訪問営業をするケースが増えています。
無料と言っても必ず無料ではなく高額な契約を求められるケースもありますし、火災保険を使う事であなたは無料で工事が出来ますと言うロジックで訪問してくる営業も居ます。
そもそも何のために無料で回っているのか、意味が分かりません。
本当に無料であれば営業マンの給料も出ませんし、1日に何軒も回る為に必要な車両やガソリン代などの経費も捻出する事が出来ない訳です。
ですから必ず訪問してくる、訪問営業の口車には乗ってはいけません。
ここであなたの為に、訪問営業を断る方法をご教授させて頂きます。
これはどんな訪問営業を行うリフォーム会社にも有効な方法です。
⚪︎⚪︎が地元の工務店の社長なのでだいじょうぶです。
この⚪︎⚪︎はあなたが高齢の方であれば、息子さんでも良いかと思います。
もしくは30〜40代の方であれば、父親でも構わないでしょう。
なぜ地元の工務店の社長と言うと、訪問営業されなくなるのでしょうか?
地元の工務店は新築も出来ますし、当然リフォームも出来ます。
家全体を見る事が出来る為、必要な事、不必要な事を見分ける事が可能です。
また地元と言う部分もポイントなのですが、狭い地域で活動するのが地元の工務店になりますので、信用される部分が地元の工務店としては必要になります。
信用されない地元の工務店では立ち行かなくなりますので、シビアに家についての物事を見れると言う様に思われます。
そうすると訪問営業程度の知識では到底戦えない相手になりますので、ほとんどが退散してしまいます。
事実私も地元の工務店の社長なのですが、電話のリフォームセールスや訪問セールスを受ける機会があります。
電話の方には、私の仕事が工務店と言うと。
大変失礼致しましたー😅😅😅
と電話を切られます。
また訪問営業の方にも、私が工務店の社長と説明すると。
全く必要無いですよね、失礼しましたー😅😅😅
と帰って行きます。
そんな嘘を私は付けないと言う方の場合は、お住いの自治体にある消費生活センターを利用される事をお勧めさせていただきます。
訪問営業が来ているタイミングでもだいじょうぶです。
中には電話で応対を交代してくれる方も居ますので、自分で断る自信が無い場合は遠慮なくお任せする事が良いでしょう。
参考までに私の住んでいる地域の消費生活センターは下記のリンクになります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
そもそも訪問営業をしてくる業者に、あなたの大切な家を守るつもりで営業をしている人はほとんど居ません。
昨今ではyoutubeやTikTokなどで訪問営業が儲かると言うコンテンツを上げる業者も多く居り、人材を切らさない様に人を入れ続けて訪問営業をする会社も多々あります。
好成績の営業マンだと月の収入は、100万以上も稼ぐ方も居らっしゃるそうです。
全ては自社や自分個人の利益の為に訪問していますので、あなたの個人の利益や住まいの状態を優先している訳ではありません。
ですが実際に屋根や外壁のリフォームを依頼する際、どこに頼めば良いのかと言う不安もあるかもしれません。
そんな時は仲の良いお友達に、話を聞いてみたりする事も良いでしょう。
もしくは地域で評価の高い工務店さんや、リフォーム会社さんを調べるなんて事も良いでしょう。
いずれにしてもあなたに対して不安を煽ってくる業者は、訪問営業以外でも問題外です。
しっかりと地域に根付いて評判の良い会社にお願いする事が、あなたの大切な家を守る事につながりますからね。