家の間取りはあなたの要望に合わせて計画しましょう〜後悔しない間取りを考える方法をご紹介します〜
家の間取りを考えていると言う事は、あなたは建て替えや新築を検討されているのだと思います。
例えば今住まわれている、家の間取りはどうでしょうか。
賃貸であれば、どうにもこうにもならない間取りかもしれません。
建て替えの場合は「どうしてこう言った部分が使いにくいんだろう・・」と言う部分が多々有るかもしれません。
そこで新築の家を注文住宅や、自然素材の家を専門に建てている中尾建築工房から。
あなたが後悔しない為にも、あなたの要望に合わせた間取りを考える方法をご紹介したいと思います。
この計画方法を知るだけで、きっと参考になるかと思います。
1.家の間取りの不満はなぜ起こるのか
それはもちろん、使い勝手が悪いからに決まっているじゃありませんか!
こんな言葉が聞こえて来そうですね。
確かに家の間取りは、そこに住まう方にとってストレスになる問題だと思います。
私もその様な家に住んだ事がありますから、あなたの気持ちは良く分かります。
ですが家の間取りで後悔をしない為にも、まずは最初に自分自身の事を振り返る必要があると思います。
それは何故でしょうか。
私は建築設計や建築の施工が仕事です。
特に下請け仕事をする事もなく、100%一般のクライアント様からの仕事をしています。
これまでに多くの注文住宅を引き渡しさせて頂いておりますが。
実は皆さん、思ってらっしゃる要望がバラバラなのです。
- 水廻りやリビングは全て1Fの方
- 水廻りは全て1Fが良いけど、洗濯機は2Fが良い方
- 1Fリビングだけど、お風呂と洗面所は2Fが良い方
- 2Fリビングだけど、お風呂と洗面所は1Fが良い方
- 2Fリビング+水廻りでバスルームからバルコニーに出たい方
- 全てのフロアに手洗いを設けたい方
- 2Fバルコニーは要らないけど洗濯物は干したい方
- 家の間取り的に大黒柱は要らないけど入れたい方
- 車はビルトインガレージに入れたい方
- 土地が狭いから駐車場スペースは要らない
- 二世帯じゃないけど、キッチンは二つ欲しい方
- 1Fも2Fもウッドデッキはとにかく大きく欲しい方
- 普通に立てたら海の見えないルーフバルコニーだけど、どうしても海が見えるルーフバルコニーを欲しい方
- なぜか後から部屋になってしまうスペースを希望される方
- 家をぐるりと回れる回廊型の間取りにしたい方
- 実家の庭先建てて実家と行き来出来る廊下のある家にしたい方
これらの要望は、実際に建てた方の要望のほんの一部になります。
書こうと思えば更にありますが、それでは本筋からずれてしまいますので止めておきます。
これらをご覧頂くと、あなたが共感出来る部分と共感出来ない部分。
更には意味の分からない部分も、出て来るのでは無いでしょうか。
これはどういう事かと言うと、皆さんそれぞれ住まわれている環境が違います。
建てる土地の広さや立地も違います。
今までのストレスも叶えたい要望も、もちろん違います。
極端な話になりますが10人のクライアントが居れば、10通りの要望があるのと同じ事なのです。
ですから誰かの間取りを参考にすると言うより、あなたの不満をしっかり聞き取って。
あなたにぴったりの、家の間取りを考えた方が良いと言う事になります。
2.間取りは自分で作った方が良いのか
設計を始める際に、私たちの場合は要望をまとめたシートの作成をお願いしています。
それらのシートは、間取りの要望だけではありません。
家の雰囲気も分かりますし、全体を捉えると理想とされている嗜好も分かります。
それを元に設計作業を行うと、あまり図面の変更が大きく変わる事がありません。
シートを書き出すと、いろんな要望も同時に出て来ます。
それらを書いてる分には楽しくなるでしょう。
ですが稀に、シートと共に家の間取りを書いてらっしゃる方も居ます。
決してダメとは言わないのですが、せっかくの家づくりと言うにも関わらず。
自分で一生懸命になって、自分自身を追い詰めてしまう方も居らっしゃいます。
そういった方の場合、少し疲れた印象を受けてしまうのが私の持っている印象です。
住宅ローンを背負ってまで建てる注文住宅ですから、力が入るのもよく分かります。
ただしそこには楽しみがあって、行っているのであれば良いのですが。
ただひたすら、努力してやらなければならない。
この様な観点で家の間取りを作るのは、あまりお勧め出来るモノではありません。
むしろ住宅ローンを利用して家を建てると言う事は、人生で最大の買い物になります。
それだけの大きなイベントになりますから、クライアントが疲れてしまう様では本末転倒だと思います。
クライアント側は、何より楽しめる事が一番だと思います。
ですから最初はシートを書いて、プロの建築士に家の間取りを書いてもらう方が望ましいと思います。
それを上書きしたり、ちょこちょこいじくる分には。
ストレスも無く、家の間取りをじっくりと楽しめる事にも繋がると思います。
そしてご自身で家の間取りを書いてらっしゃる方には、この様な場合もあります。
- 階段が無い
- そこまで広い家が建たない
- 縮尺が全くバラバラ
- 構造が成立しない
- 実は本意で書いている訳ではない
それらの図面を拝見して、私も色々とヒアリングをするのがこの内容です。
■階段が無い場合
「そうなんです、そこがどうして良いのか分からなかったんですー
ついでに2Fが収拾がつかなくなってしまったので、このまま持ってきました」
■そこまで広い家が建たない場合
スケールの大きさを考えずに、ただ書き込んでしまっている場合です。
自分では延べ床30坪の家と思って書いたけど、実際には40坪を超える延べ床の家を書いてしまってます。
建蔽率や容積率もオーバーしてますし、それでは建たない場合があります。
■縮尺がバラバラ
縮尺がバラバラな場合、自分では1軒と考えていた寸法が0.75間だったり。
2間と考えていた寸法が、2.5間を書いてしまっていたり。
スケールミスだと思いますが、思っている意図が建築士に伝わらない場合があります。
■構造が成立しない
広いリビングに憧れている方に多いのが、このケースです。
とにかく自由に書き込んでしまう為、木造では成立しない場合があります。
よほど特殊な構造計算をすれば、なんとかなるかもしれませんが。
概ねその予算を聞いてしまうと、それなら普通の感じで良いと言う場合があります。
■実は本意で書いている訳では無い
建築士と言っても注文住宅に特化している建築士も居れば、建売住宅に特化している方も居ます。
注文住宅に特化している建築士の場合、ヒアリングの能力も問われる事になります。
ですからよくよく話を聞いてみると、クラインアントが苦し紛れで家の間取りを考えた方を理解する事が出来ます。
そこでプロとして「それでしたら、このままの動線では奥様にとっては負担になってしまうかもしれません。
ですからこんな感じの家の間取りを検討された方が動線も良くなりますし、ご主人様の要望もしっかり反映出来ると思います。」
この様にアドバイスをする事が出来るのです。
逆にクライアントの意見をただひたすら聞き入れて、そのまま間取りを詰めてしまう建築士も居ます。
この場合はプロ意識が足りてませんので、後々クライアントが不都合を問いかけても。
責任逃れをする様な言い回しをする事になる事が多い様です。
この様になる傾向が大変多いです。
ですからあまり自分で頑張らずとも、家の間取りはプロがしっかり考えてくれます。
自分でも考えてみたい方の場合は、それらの下図と捉えて考えてみる事をお勧めします。
最近では間取りを作成する、専用のアプリなども開発されています。
図面をアプリに落とし込む事で、ご主人様なら通勤時間帯を、家の間取りで楽しく事が出来るでしょう。
奥様なら家事や育児の合間に、インテリアを含めて楽しむ事が出来るかと思います。
それをプロの建築士にLINEやメールで送ったり。
コメントを貰いながら色々と考えるのは、きっと楽しい家の間取りを考える時間になると思います。
ぜひ、プロをしっかりと活用して、楽しい家の間取りの考える様にしましょう。
3.それでも自分で家の間取りを書いてみたい場合
ここまで聞いてみて、家の間取りを自分で書きたい方も考えが変わった方も居らっしゃるでしょう。
それでも「いやいや、やっぱり自分で考えてみたい!」と思う方も居るかと思います。
そこでどの様に書いてみたら良いのか、参考にして頂ければ幸いです。
■自分の敷地の図面を貰いましょう
自ら調べる事も良いのですが、なるべクライアントのストレスを減らす様に考えたいところです。
そのためには方眼紙に自分で敷地を書くよりも、実際の測量図のデータを利用した方が早いです。
敷地の中に、しっかりと収まりますし、敷地内に入らない大きな家の間取りを作ってしまう事もありません。
そして敷地の中に、グリッドを落とし込んでもらうのです。
参考の自分の敷地の実例画像では、赤い線の隣地境界線と記載されているのが敷地の境界線です。
グレーで記載されているのが、グリッドです。
グリッドを4マス集まると、一坪になります。
グリットを2マスにすると、一畳になります。
これならきっと分かりやすいので、書き直しが出来る様にPDFでデータを貰うのが理想です。
■必要な要素の部屋を書き出しましょう
- ポーチ
- 玄関
- 廊下
- LDK
- 和室
- 浴室
- 洗面所
- 1Fトイレ
- 階段
- 寝室
- 子供部屋
- 2F廊下
- 2Fトイレ
- 書斎
- 納戸
- バルコニー
これらが一般的な家の間取りで必要な要素になります。
これに加えてウォークインクローゼットや土間収納、ビルトインガレージにランドリースペースなどなど、あなたの望むスペースを書きこまれると良いでしょう。
ご夫婦で一緒に書き込んでも良いですし、別々に書いても良いかと思います。
極力パートナーの意見は潰さない様にしましょうね。
■ゾーニングを計画しましょう
住宅の場合のゾーニングは、家の中で必要な要素を持つ空間をまとめる作業です。
概ね2F建て以上の住宅が多いと思います。
一つのフロアのみを考えるフロアゾーニングでは失敗しやすいので、上下階の関係性も考えるバーチカルゾーニングで検討する様にしましょう。
■2Fから作りましょう
平屋なら当てはまる事ではありませんが、一般の方が家の間取りを作るなら2Fから作っていた方が失敗しません。
その理由は階段の位置にあります。
1Fも2Fも、階段を同じ位置に確定させましょう。
そして廊下も決めてから間取りを考えて2F、1Fと家の間取りを整理していく作業が望ましいと思います。
■居室は東南を基準に考えましょう
日当たりの良くない部屋を望まれる方は、あまり居らっしゃらないかと思います。
ですから日当たりを望まれる方は、居室の配置をこの様な順番で決めると良いかと思います。
- 南面
- 東面
- 西面
- 北面
この様な順番で配置を検討すると良いでしょう。
稀に夜のお仕事をされている方の場合、あまりに日当たりの良い部屋ですと、就寝しにくくなってしまいます。
この場合に限っては北側を優先する事で、睡眠の邪魔をしない事も併せて覚えておきましょう。
この様な手順を踏んで頂ければ、家の間取りを自分で考える事が出来ると思います。
この様なポイントを押さえて頂ければ、家の間取りを自分で作っても失敗する事はないでしょう。
どうしても自分で家の間取りを考えたい場合は、ぜひお勧めしたい方法です。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
間取りの決め方は、実はあなたが一生懸命になって考える必要が無い事が分かりましたね。
あまり自分で考えても、それこそ建築士ではありません。
ですからストイックに自分で考えるよりも、プロの建築士にお願いをしましょう。
それを実現する為にも、あなた自身の事を理解してくれる建築士が必要です。
ぜひ、あなたの要望をしっかりと聞き入れて、夢の間取りを実現する建築士にたどり着いてください。
きっと住みだしてから、あなたの笑顔が溢れる間取りの家になっていると思います。