横須賀市長瀬 森に住む家の施主施工|奥様のためにオリジナルキッチンカウンターを造る!
現在、木工事が進む横須賀市長瀬の「森に住む家」新築現場。
現場では大工さんがトンカン叩いておりますが、中尾建築工房の工房では。
オーナー自ら、無垢板を削る作業に当たっておられます。
今回の施主施工は、キッチンカウンターのトップを自ら造ると言うモノ。
まずは部材から選ぶのですが、この2枚から選ぶ事にしました。
何もしてない無垢の板材は、ご覧の様にホコリがかぶってます。
でも、これを削ってあげると。
鮮やかな木目を出す、綺麗な無垢板材に変身するんですね。
クリ材はまぁまぁ堅くて。
これだけの板サイズになりますと、重量もあります。
ので。
持ち運びするだけでも、半端無い力が必要。
私もお手伝いしながら、板の加工に入ります。
まずはキッチンカウンタートップの大きさを決めます。
横須賀市長瀬のキッチンは、I型のストレートキッチンに対面壁を設けてます。
その対面壁に設置するのが、無垢板のトップ。
カレーライスやパスタなど、大きめのお皿を置いても狭くない様。
吟味して片側を落とす事にしました。
さぁ、この板がどの様な変化をするのでしょうか?!
この時点では、板を工房から出しただけなので。
まだまだ余裕のこのポーズ(笑)
クリなどの広葉樹をカットする際は、木が抵抗して動いたりする場合があります。
まるで、そこは切らないで!
と言われているかの如く、丸ノコの刃が圧迫されます。
機械慣れしていないと危ないので、丸ノコが弾き返って来る事があります。
その作業は危ないので、私がやるかと。
最初は抵抗を受けましたが、2寸ほどの厚みのあるクリの木を割き切りました。
そして今度は、工房内にあるプレーナーで板の荒削りを行います。
ぼかしてはおりますが、この表情はお分かりになるかと思います(笑)
この時点でも、まだまだ余裕ですね。
早速、プレーナーを入れるのは私。
板を受け取るのは、オーナーと言う事で機械に入れます。
この無垢材の材料には、木の表面と裏面があります。
木の表面は、上の方から。
木の裏面は、下の方から削り出すのが木材削りのルール。
これは逆目と言いまして。
この様な機械で削ったり、鉋(かんな)で削ったりする場合。
木の目が、割け起こる現象が出るんです。
これを。
逆目が起きちゃった。
なんて大工さんの間では言うんですよね。
なので、表面を削り終えたらひっくり返すのですが。。
2寸厚×3mはある、クリの無垢板です。
割いたからと言ってもその重量たるや、半端ございません。
腕がプルプルになられておりました(笑)
そして今度は屋外にて、ベルトサンダーで仕上げを施して行きます。
これは木の表面なので、本来は削り方向は反対。
でもまぁ、ベルトサンダーならペーパーなので。
逆目が起こる事はありません。
ので、まずは慣れて頂く為にとりあえず削ってもらい。
最後の仕上げになったら、順目の方から削って頂く事にしました。
この間、私は見本をお見せして。
実際に作業をしてもらい「んっ?」と思ったら、止める様にしています。
これは ベルトサンダーの操作だけに限らないのだけど。
人は力の入れ加減が、人それぞれバラバラなので。
施主施工での作業指導は、その癖を見抜いてアドバイスする様にさせて頂いているんです。
こうやった方が、この人の場合は良くなる。
それすら分かってしまえば、私も仕事に戻れるし(笑)
施主施工のクオリティも上がると言う訳なんですね。
なのでしばらくの間は、マンツーマンですが。
慣れて来たら。
「 分からない事あったら、上に居るから声掛けて下さーい!」
って事で、私も本来の仕事に戻る様にしています(笑)
この様にご自身での作業を、オススメしているのには理由がありまして。
自分の手で素材を触るだけで。
無垢板や自然素材に対しての、理解度合いが深まると思ってます。
私が大工の見習いから棟梁に至るまでには、当然ながら色んな気付きがありました。
ですんでオーナーの皆様も、少しでも触るだけで。
無垢材のメリットやデメリットも分かると思います。
それに新築した家での生活が始まって。
例えば、カウンタートップに傷が付いてしまっても。
削ってしまうか…
とか。
もしくは、 風合いと思うか。
または汚れが付かない様、メンテナンスオイルで手入れも出来る様にしておく。
すると生活する中で、なにかあっても。
自ずと自分で、メンテ出来てしまうんですよね。
大工さんに依頼して頂くのも、ありがたい事なのですが。
自分で出来れば、お財布にも優しいです。
そんな理由から、ご自身の手で素材に触る。
これをお勧めしていると言う訳なんですね。
ちょっとだけ癖の修正が出来て、綺麗に仕上げる事が出来ますと。
もう、その目はプロ顔負けになっております(笑)
この様な無垢板を仕上げる場合、特にこだわりたいのが耳付きの部分。
ペーパーで仕上げてもらっている板は、耳付きの無垢板と呼ばれます。
私が大工の頃は、時間をかけて荒縄でしごいておりました。
でも、結構大変なのでペーパーでも良いかと思います。
耳は結構気にして仕上げた方が良いかと思います。
ささくれがあったり、とがっていたりすると。
お子さんの怪我にも、つながりますからね。
そして納得の行くクオリティになって、ご満悦の様子(笑)
午前中から作業を開始して、お昼を挟んで15時ごろにはご覧の通り。
次からは私が居なくとも、余った板で何かを造れそうですね(笑)
今では少なくなったんですが、かれこれ10年以上前の中尾建築工房は。
私が外出してい知らない間に、オーナーが工房に来て。
何気に作業をしてるなんて、頻繁にあったくらいです(笑)
そこまで施主施工をお好きなオーナー様には、正直私もびっくりですけど(笑)
長年やっているからこその、施主施工のクオリティの高さなのだと思います。
さてベルトサンダーで磨き上げたら、あとは塗装を施します。
ここは私が木製の玄関ドアで採用した、外装用クリアープラスつや消しタイプを使って塗装をします。
キッチンのカウンタートップに使いますので、板の幅はまぁまぁ広い。
ので、今回はハケではなく。
オスモカラー専用のコテバケで、塗装をして頂きます。
割と簡単に出来たせいもあるのか、一回目の塗装が終わったところ。
壁にぶつからないと、スムーズで良いですねぇ(笑)
やはり高性能の自然塗料と、適切な道具の選定は大切ですね!
今回は、ダイニング側に耳付きのママ仕上げています。
耳付き部分は、段差もあるのでしっかり細かい部分も塗って頂きました。
二回塗りの塗装も完了して、本日の作業は完了。
自ら削って、自ら仕上げた板を見て感無量の様です。
工房があるからこそ、出来る施主施工ですね。
いろんな家々を設計し、施工に携わっておりますが。
どこかしら自分の手を入れると、愛着も湧くってモノです。
あとは取り付けをするだけ。
完成が待ち遠しいですね!
自然塗料を使い終わったら、最後は必ず道具を水に浸してから処分をしてくださいね。
と言う事で、横須賀市長瀬 森に住む家の施主施工。
奥様のためにオリジナルキッチンカウンターを造る!
このクオリティは素晴らしいと思いまーす!
あとは現場の方、頑張ってくださいねー☆
翌日、塗料が乾燥してしっかりと仕上がった無垢板。
どう見ても、施主施工のレベルではございませんですね・・・
Comment
キッチンカウンターありがとうございました!
良いものが出来た代わりに次の日は身体がガタガタでした…
また何かあったらお願いします!
崖の上の施主さん☆
当日はお疲れさまでございました!
そーそー、良いものを安く手に入れるのには。。
年々、体のダメージが出てしまうもんですよね(笑)
余った板で、飾り棚でも作られれば良いのでは?!
頑張っちゃって下さいっ☆