フローリングには無垢?それとも合板?2つの違いとメリットデメリットを紹介します
住宅を建てたとき、私たちの体と一番触れ合うところはどこだと思いますか?
壁でしょうか?扉でしょうか?トイレでしょうか?それとも、浴室?
いえいえ、私たちの体と一番触れ合うことになるのは「床」なんです。
誰もが家の中では動きます。
イスに腰掛けているときにも、足の裏は床と触れ合っています。
ちょっと疲れたとき、ゴロンと横になると体全体が床と触れ合っています。
ですから、新築でお家を建築されるときには、私たちと触れ合う機会の多い「床の材料」にはこだわってもらいたいと思っています。
そこで今回は、住宅の床材である「無垢」と「合板」についてご紹介していきます。
Contents
1: 主流なのは無垢?それとも合板?
一般的な住宅を見てみますと、床(フローリング)に使われている材料の大半が「合板」です。
これはコストの問題や安定した品質管理という理由があると思います。
ハウスメーカーが建築する家はオーダーメイドではなく、あらかじめ完成された形があり、その形と価格に見合うように材料の調達をしなくてはいけません。
同じような敷地面積に、同じような要望の家を建てた場合、同じような価格帯で同じような品質のものを提供したい。これがハウスメーカーの考え方です。
この考え方が正しいとか間違っているとかではなく、このような考え方があるからこそ、お手頃な価格で一戸建てが短期間で完成し住めるようになっています。
これは言い換えると、家を工業製品化しているとも言えるでしょう。
同じメーカーの製品は、どこの電気店で購入しても同じ品質。
私たちが慣れ親しんでいるケースです。
このような現実があるため、住宅のフローリングには「合板」が主流となっています。
2: 合板のフローリングと無垢のフローリングの違いとは
それでは、それぞれの違いをお伝えしましょう。
合板のフローリングとは、複数の薄く切った木材を接着剤で張り合わせたものです。
床材には見た目の美しさも必要ですから、一番外側には「化粧板」となる薄板を貼り合わせることで、バリエーション豊かな色や木目を選べるようになっています。
また、合板には水や汚れに強い機能を備えているものもあり、油や水が飛びやすいキッチンなどに重宝されます。
合板の床材はこのように作られているため、床にできる木目も「同じような」印象で統一することができます。
対して、無垢のフローリングは、切り出された木をそのまま使っています。
複数の板を接着することなく、100%天然木材です。
やわらかな触り心地、経年変化する味わいなど、天然木だからこそ楽しめる床材です。
このように合板フローリングと無垢フローリングは、同じように「木」を使っていますが、木の使われ方が違っているんです。
どちらが良い悪いの話ではありません。
あなたにとってどちらが適しているのかということです。
そこで、次から合板フローリング、無垢フローリングのメリットとデメリットについてお話していきます。
それぞれのメリットとデメリットを知り、あなたの住宅に適しているのはどちらなのか考えてみてください。
3: 合板のフローリングのメリットとデメリット
■メリット
- 工業製品なのでコストが無垢より安い
- バリエーションが豊富なので、選ぶ楽しさがある
- 水や凹み、遮音などの機能性が高い
- お手入れが簡単
- 気温や湿度に影響されにくいので工事が早くおわる
■デメリット
- 梅雨時期など素足で歩くとベタベタとした感触になる
- 接着剤が使われているのでアレルギーが出る可能性が高い
- 表面のコーティングが剥がれると痛む速度が速まる
- 購入するときはコストが低くなるが耐久性とのバランスがイマイチ
ご自身やご家族にアレルギーなどがなく、自然素材ではなくも大丈夫。
材料の質よりも機能性に注目。
このような方には、合板のフローリングをおすすめできます。
4: 無垢のフローリングのメリットとデメリット
■メリット
- 100%天然素材なのでアレルギーなどにも安心
- 木の香りでリラックスできる
- いつもサラサラとした肌触り
- 耐久性が高い
- 経年変化によって、あなたらしい「味」が出る
- 何といっても高級な雰囲気
■デメリット
- 合板よりもコストが高い(依頼する会社によりますが)
- 水や凹み、油汚れに弱い
- 同じ柄、同じ品質のものは2つとない(メリットでもあります)
- 気に入った色や柄を選ぶことが難しい
- 気温や湿度で木が収縮するため施工に時間がかかる
- 気温や湿度で木が収縮するため、部屋や廊下の隅に隙間ができることがある
シックハウスなどが心配なら。
世界で一つだけの住宅を手に入れたいなら。
気持ちのいい感触や香りの中でリラックスして暮らしたいなら。
無垢を使ったフローリングがおすすめです。
5: 無垢のフローリングを選ぶときに注意すること
無垢のデメリットを見ていただくとわかりますが、無垢は100%天然木材ですから、気温や湿度によって収縮します。
ですから、無垢のことを深く理解し、無垢を使った施工経験がないと、収縮する加減がわからないため正しい使い方ができません。
また、経年変化によって色合いや反り、ゆがみが出ることもありますので、無垢を使った住宅に慣れている業者さんを選ぶようにしましょう。
施工事例を見るとすぐにわかりますので、無垢のフローリングを選ばれるときには必ずチェックするようにしてください。
あなたの近くに無垢の扱いに慣れている業者さんが見つからない場合には、中尾建築工房へ問い合わせからご相談ください。
これまでの施工事例を含めて、あなたにわかりやすくご説明させていただきます。
6: まとめ
床材には「無垢」と「合板」があります。
本編でお話しましたように、コストや安定した品質を優先するなら、ハウスメーカーが選ぶのと同じような「合板」を床材に選ばれるといいでしょう。
合板は工業製品ですから、おおむね同じような仕上がりになっていますし、同じような色柄のものも手に入ります。
しかし、アトピーやぜんそくなど、アレルギーへの反応が怖いと考えておられるなら、私たちの体と触れ合う機会が多い床材には「無垢」をおすすめしたい。
無垢は合板のように「接着剤」という化学物質が使われていませんから、イライラするかゆみや、突然起こる皮膚炎の心配はほとんどありません。
せっかくお家を手に入れても、お子さんやご家族の体に不調が出ていては、安心して楽しく暮らすこともできません。
ですから今回お話しました内容を参考にしていただき、あなたのご家族が敏感な反応を起こすことが何なのかを知り、その後にコストや安定した品質を比較検討してもらいたいのです。
いつまでも健康で楽しく、かゆみや苦しい咳の心配をしなくて良いお家を手に入れてください。