無垢材マイホームで後悔しない外観や間取りづくりブログ
無垢材を使った住み心地のいいマイホームを手に入れたいなら、あなたがどんな家に住みたいのかを知る必要があります。
もし、あなたが住みたい家のイメージがはっきりとしていないとすると、どのような腕の良い設計者であっても、理想のマイホームを形にすることはできません。
これからお話する内容をしっかりと参考にしていただき、あなたとあなたのご家族が暮らしやすいプランを整理してつくっていきましょう。
それでは「建築家+元大工棟梁+工務店」という極めて珍しい経歴を持つ「中尾建築工房」が、あなたのマイホームで後悔し失敗しないための方法をお伝えしていきます。
Contents
1: 家族でイメージを出し合おう
無垢材を使ったお家であっても、他の素材を使ったお家であっても、共に共通していることは、
「立派な住宅が重要なのではなく、暮らしやすい空間があっての住宅である」
ということです。
ですから、これからマイホームを手に入れようと考えておられるなら、あなたとご家族がお家でどのような時間を過ごしたいのかを理解することが大切です。
例えば、次のような過ごし方が考えられます。
- お子さんたちと楽しくにぎやかに過ごす
- 家族が揃って夕食を楽しむ
- 休日は庭やデッキでアウトドアを楽しむ
- お子さんが寝た後は、夫婦二人でゆっくりワインでも楽しむ
- 大画面で好きな映画を楽しむ
- 静かな空間で読書の時間を楽しむ
他にも、
- ガーデニングを始めたい
- ゆっくりお昼寝がしたい
- 猫ちゃんと過ごしたい
家族全員がそれぞれの希望を持っていることでしょう。
まずは「こうでなくちゃいけない」ということではなく、家族が希望することを出し合い、その中から、最も大切なことは何かを見つけていきましょう。
このように進めることで、優先順位が明確になり、マイホームの基本的な方向性がまとまってきます。
2: 心地いい住まいの希望を確認
方向性がまとまってくると、次のステージに進みましょう。
次は「いよいよ設計!」ではありません。
設計の前に大事なことをやっておく必要があります。
それは何かと言いますと、
「今、住んでいるお家の不満な点を書き出す」
ということです。
多かれ少なかれ、今のお住まいで不満を感じている点があるはずです。
例えば、
- 日当たり
- 風通し
- 暑さや寒さ
このような基本的なことから、
- 大きなものを収納するスペースが足りない
- 靴を収納するスペースが足りない
- 趣味のアイテムを置けない
- 書籍が多くて積んだままになっている
- 脱衣場が寒い
家事をされる方なら
- 調理中も家族が見える方がうれしい
- 勝手口にゴミ置き場があると雨の日も濡れずに済む
- 洗濯機の場所がもう少し広いと便利
- 掃除機が掛けづらい
- コンセントが足りない
- 室内で洗濯物を干す場所がほしい
というような不満が出てくると思います。
このような不満をすべて解消することはできないかも知れませんが、まずは洗い出しておくことで、マイホームの設計を行うときに「要望」として役立ちます。
そして、もう一点考えておいてもらいたいことがあります。
それは、暮らしのスタイルは時間と共に変化するということ。
すなわち、5年、10年するとお子さんが独立され、ご夫婦二人になる可能性もあります。
反対に、お子さんが独立された後、高齢になった両親との同居ということがあるかもしれません。
定年退職後、家に居る時間が長くなりますから、そんなときにもストレスなく快適に過ごせる空間になっていると安心できます。
さらに、ご自宅で教室や小さなビジネスをされる予定があるのなら、変化する暮らしを想定しておくことで、後々大きな工事をする必要がなくなります。
すべての未来を予想し備えることはできませんが、10年後、20年後を見越したとき、快適に暮らせるかどうかを考えておいてほしいのです。
無垢材を使ったマイホームは長く暮らせるのが特徴です。
ですから間取りを考えるときには、快適に長く暮らすことをイメージしておきましょう。
3: 5つのゾーンから理想を見つける方法
全体のイメージがわかってくると、次に行うことは5つのゾーンをどのような広さや配置にするのかを考えます。
(1)家族が集まるゾーン
暮らしの中で一番利用する場所です。
リビングやダイニングが代表的です。
(2)個室ゾーン
プライベートな空間です。
お子さんの部屋や寝室、仕事部屋、書斎などがあります。
(3)生活ゾーン
キッチン、トイレ、お風呂、洗面所、脱衣場。
最近では女性に人気の「パウダールーム」もここに含まれます。
人が集まるゾーンではなく、人が行き来するゾーンなので動線を考えることが大切です。
(4)外とつながるゾーン
玄関、勝手口です。
最近では、デッキやテラスも含まれます。
暮らしに快適さを与えてくれるゾーンでもあり、外から見られているゾーンでもあります。
あなたのお家の「顔」になる部分ですね。
(5)部屋をつなげるゾーン
廊下や階段です。
玄関からどのような廊下や階段で部屋をつなげるのか。
ここを間違えると、来客した人の目に触れさせたくない景色を見せることになります。
この5つのゾーンを理解してもらい、マイホームを建てる土地周辺の図を描きましょう。
東西南北にある道路やお隣との境界を描き、あなたのお家の敷地を明らかにします。
そうすると、使える敷地の広さや形が見えてきますから、どの場所へ先ほどの5つのゾーンを「ざっくり」と配置できるかパズルのようにあれこれ場所をかえながら当てはめてみてください。
ここで注意することは、これが「最終版の決定プラン」ではないということです。
ここから設計のプロが、経験と実績からアドバイスを行い、あなたの理想を最大限叶えながら、長く快適に暮らせる提案をしていきます。
4: 間取りで失敗しないポイント5つ
設計者と一緒にあれこれ考えていく中で、次の5つのポイントに注意しておくと間取りで大きな失敗をすることがなくなります。
ポイント1:見え方
建物は方角やご近所との状況で
- あなたが外を見たときの景色(どう見えるか)
- 外からあなたのお家を見たときの景色(どう見られるか)
が変わってきます。
そして、どう見られるかによって、屋外に設置する物置やエアコンの室外機、灯油やガスの取り入れ場所も変わってきます。
また、あなたがお家から外を眺めたとき、どう見えるかを考えておかないと、隣の窓しか見えない、フェンスや壁しか視界に入ってこないということもあり得ます。
どのようにお家から見えるのか。
どのようにお家が見られているのか。
ここにも意識しておいてください。
ポイント2:ドア
たかがドア、されどドア。
ドアには開き方があります。
廊下から部屋の内側へ開くもの。
廊下の方向へ開く外開きのもの。
横にスライドする引き戸。
どのドアが一番良いのかどうかではなく、暮らしの中でストレスにならないドアの開く方向を考えておいてほしいのです。
開け閉めするたびに、部屋の中のものにぶつかるのならストレスが溜まります。
少し大きなものを運び込むことがあるのに、ドアが外開きで狭い空間になってしまうのなら、結局はそのスペースを使わないことにもなります。
また、高齢になったときのことや、ケガや病気になったときにも楽に使えるのかどうか。
こういったことも一緒に考えてみてください。
ドアの開き方ひとつで、部屋を使わないこともありますから、どちらに開くのが使いやすいのかをイメージしておきましょう。
ポイント3:余裕
間取りを考えていくとき、失敗しやすいのが部屋の中に置くものを忘れることです。
キッチンならダイニングセットや食器棚、冷蔵庫。
リビングならソファやテレビ台。
寝室ならベッドの方もいらっしゃれば、布団を上げ下ろしされる方もいらっしゃることでしょう。
これらはすべて、それぞれの間取りの中に余裕がないと狭くて置けなかったり、使えなかったりすることばかりです。
間取りは、少し余裕を持たせて考えておく方が失敗することがなくなります。
経験豊富な設計者なら、このあたりは十分に理解していますから、あなたにとっては「少し広いんじゃない」という間取り図を提案するかもしれません。
でも、これには快適に暮らすための「余裕」が含まれていることを忘れないでください。
ポイント4:動線
お家の中で動く場所は、毎日ほぼ同じです。
起きてから出勤するまで。
帰宅してから寝室へ行くまで。
今の暮らしを振り返ってもらうとわかりますが、あなたもほとんど同じ行動をしていると思います。
そして、ここに注意するポイントがあります。
それは、同じ行動をする「動きの線(動線)」は、スムーズに動けるようにしておくこと。
洗面所へ向かうとき、廊下でいつも家族とぶつかりそうになる。
朝食を食べるとき、キッチンにいる家族とぶつかる。
洗濯機から物干しまでが歩きにくい。
生活する動線と、家事をする動線。
この2つをスムーズにすることを考えておきましょう。
ポイント5:掃除
お家は必ず掃除することが必要になります。
ということは、掃除機やモップが掛けやすいのがうれしいですね。
ホコリがたまりにくい作りも大事ですが、物を動かさずに掃除がしやすい間取りを考えましょう。
入り組んだ間取りはどうしても掃除がしにくくなります。
そうすると、誰もが同じですが面倒になり、年に一度くらいしか掃除をしないことにもつながります。
いつまでも清潔で快適な暮らしを送るためには、地味ではありますが「掃除のしやすさ」は、間取りで失敗しないポイントだと言えるでしょう。
5: 感度の高い外観外構ポイントとは
あなたのお家がどのように「見られているのか」。
また、あなたが外出先から帰ってきたとき、どんな風に目に映るのか。
これは大変大事なポイントです。
そしてこの大事なポイントは「外構(がいこう)」をどのようにプランニングするのかで決まります
外構には、あなたの趣味や好みを反映することも大事ですが、まわりとの調和も大切になってきます。
また、あなたが手に入れるマイホームの素材やデザインとも調和することが大切でしょう。
例えば、無垢材を使ったマイホームなら、自然になじむあたたかい木質系の外構がしっくりとくるはず。
突飛な外構をプランニングするよりも、お家と地域に調和した外構こそ、いつまでも感度よく見られるポイントだと言えます。
6: まとめ
今回お話しましたように、まずはあなたとご家族の希望を洗い出すことから始めてみてください。
そして、5つのゾーンの配置を考え、設計者に相談しながらプロ視点のアドバイスをもらってください。
ぜひ今回お話した内容を参考にしていただき、あなたとあなたのご家族が、いつまでも長く暮らしやすいプランをつくってください。