海の見える家を設計する際の注意点|塩害や津波、暴風など失敗や後悔しない為のポイントをご紹介します
海の見える土地を買って、素晴らしい景色を楽しめる家を建てよう!
海の近くに建てる家は、立地によっては海ならではの眺望が得られたり、まさに毎日がリゾートの様な暮らしを堪能出来ますよね。
この記事を書いているライターの私も、日頃から逗子や葉山で海の見える家を設計したり、施工も行う工務店を経営しています。
もちろん私個人もいつかはお気に入りの家を建てようと、逗子海岸に徒歩1分ちょっとの場所に土地を所有しています。
そんな私から海の見える家を設計する際に、抑えておきたいポイントや失敗や後悔しないで済むノウハウをご紹介していきたいと思います。
1.海の見える家のメリット
海の見える家を設計する際、ただ海が見えるだけの家にするのでは、後悔ばかりが募る家になってしまいます。
海の見える家ですから、少し歩けばそこはもう海です。
今まではやった事がなかった方でも、マリンスポーツも堪能したくなることでしょう。
では、どんな事が楽しめるでしょうか?
例えば私が所有している土地は、逗子海岸に隣接しています。
今のシーズンであれば海の家もありますし、ウォーターパークも少し沖に浮いています。
ちいさなお子さんが居らっしゃる場合、これは楽しい遊具になりますよね。
スタンドアップパドルボート(SUP)で湾内を探索している方も居ますし、ウインドサーフィンを楽しんだりしている方もいます。
更に沖の方に行けば、ヨットもたくさん浮かんでいます。
隣の葉山町では大学のヨット部の活動が盛んなので、練習したり大会が開催されたり、とにかく海を楽しんでいる方が多いと思います。
水上バイクなども堪能している方も多いので、逗子海岸ではマリンスポーツが盛んと言えるでしょう。
大人も楽しめますし、お子さんだって海水浴してみたり、砂浜で砂いじりをするだけでも、スマホやタブレットを持たずとも、充分に遊べるメリットがあります。
それこそ都心に居たら考えも及ばないかも知れませんが、朝起きてただ砂浜を散歩するだけでも気分が上がります。
強風の吹き荒れた次の日には、海からの恩恵が受けられたりします。
わかめや海藻などが取れたりしますし、見た目の良い流木が流れ着いていたり、ビーチコミングも堪能できるでしょう。
お子さん繋がりのママ友とも砂浜で遊んでみたり、海の家で集まってママ友会なんて事も行われたりしています。
また付近にはあぶずり港があります。
あぶずり港は釣り船が盛んでして、夏であればカツオやキハダマグロ釣りが出来ますし、冬であればヤリイカやアマダイ、キンメダイにクロムツなどなど。
様々な旬の魚釣りを楽しめるので、今までマリンスポーツとは縁のなかった方でもやりたくなってしまう環境です。
そんな環境に入ってみれば、すぐに同じ趣味を持つ友達も出来るでしょうし、海の近くに暮らす楽しさを共感できるというものです。
またあぶずり港の長屋には葉山町漁協 海産物直売所があります。
とこぶしにサザエや伊勢海老などなど、女性の漁師さんが地元ならではの海産物を安価で販売してくれています。
ここで私が思うこと。
逗子海岸周辺に家を建てている方は、多くの方がもともと地元というわけではなく、他エリアから移住されている方が多い様に思えます。
私の経験値ですと、主に東京からの移住が多い様に思えます。
すると共通するのが皆さん、誰もが海が好きで移住を決められたということです。
つまり同じ価値観を持つ方が集まる訳なので、当たり前の様にコミュニティも形成されやすいみたいです。
1-2:独特の夕焼けも楽しめる!
逗子や葉山で夕焼けの景色を、ご覧になられた方は居るでしょうか?
これは逗子や葉山特有になってしまうかも知れませんが、海の見える家で楽しめるのは日中のみではありません。
夕焼けの景色も、素晴らしい景色が堪能できます。
これは中尾建築工房で家を建てたOBオーナー様から頂いた画像なのですが、この景色が自宅から眺望できるのです。
私はこの時間帯の景色を、余り見ることがありません。
この時間帯は仕事をしているか、休みであったとしても釣りに出かけてしまい、景色どころの騒ぎではありません。
ですがこの景色は、まさに絶景と言えますよね!
この眺望が得られるのであれば、スーパーハイルーフが欲しくなるかもしれません。
この様に楽しい事しか無いんじゃないかと言うのが、海の見える家の特徴とも言えますよね。
では海の見える家を建てる際、困ってしまうことはないのでしょうか?
2.海の見える家を建てて困る事
海の見える家の場合、かなり海に近い距離になりますから、洗濯物を干したり乾かしたりするのが難点となります。
普通にバルコニーを設けて洗濯物を干そうものなら、あっという間に潮を受けてしまって糊の効いたしわくちゃのTシャツを取り込むことになってしまいます。
外も湿度は高いですが家の中の湿度も当然ながら高いです。
普通に室内干ししてしまうとなかなか乾きませんので、エアコンや除湿機を使って室内で洗濯物を干すことになるかと思います。
ただし除湿機の中は直ぐに水が満杯になってしまうほど、湿気がありますので普通の家の場合は位置日に何回も溜まったタンクの水を出すことになると思います。
海の見える家の場合は、立地的にも湿度が大変高くなります。
普通の建物に住んでみれば分かることですが、エアコンや除湿機をフル稼働させても、どこまででも有り余る湿気を感じることになるでしょう。
これはだれもが口にすることですが、とにかく湿気がすごいと言えます。
海の見える家を建てると、塩害がダイレクトに届くことになります。
自転車やバイク、メッキパーツなども錆びるのは当たり前なのですが、外部に置いておけばステンレス素材ですから錆びます。
エアコンの室外機も当然ですが錆びる対象ですし、換気フードや給湯器自体もサビで参ってしまいます。
サビは外部だけの被害では済みません。
例えば電化製品も室内に含まれている湿気の中に、潮がくっついて来てしまいます。
その為なんにも対策をしていない家の場合、電化製品も配線が錆びたり、腐食などによって故障が起きてしまいます。
過去には高級なキッチンをリフォームされた方が居たのですが、その方はその家を売りに出されてしまい、新たな地に中尾建築工房で家を建てました。
理由は場所的に不便と言う事と、あまりにも何でもかんでも壊れてしまうことにありました。
わたしが見に行った際には、あまりの湿度の高さで電化製品の配線が腐って断線された状態でした。
事実リフォームで入れたビルトインガスオーブンやビルトイン食洗機、同じくビルトインのスチーマーも壊れてしまい、ガスコンロですら着火しないという有り様。
何も知らずに海の見える家を建ててしまった場合、いざ生活が始まってから困ってしまうでしょう。
海の見える家の場合は、風の影響を受けやすくなります。
こちらから海が見えるという事は、海からもあなたの家が見えるということになりますよね。
そこには障害物がありませんから、良い景色を楽しめている訳です。
その影響は良いこともあれば。当然ながら悪いこともあります。
海から風が吹けばその風に載って、潮風や砂浜の砂が巻き上がって届きます。
それが暴風、強風になればなるほど、その威力は凄まじいものになります。
逗子や葉山に海の見える家を建てる時、気にして欲しいのはハザードマップです。
当たり前かもしれませんが海に近くて海が見えると言うのは、津波の影響を受けるということに言い換えることが出来ます。
また逗子や葉山の場合は海が見える=うしろに山がある立地がとても多い様に思えます。
つまり多くの山々が受けた水により、山や崖が崩れることを想定する必要があります。
その中でも土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)があります。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の場合は手続きを踏む事で建てられる傾向が多いのですが、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)になると木造を建てる場合は注意が必要です。
崖などが崩れるかもしれない方向に、かなり高い擁壁を設置する、もしくはコンクリートの建物にする必要があります。
つまり土地探しの段階から、家を立てるプロに協力を要請する事により、これらに知識の無いクライアント様でも安心して土地探しが可能となると言えます。
海の見えること意識し過ぎた事によって立地を優先してしまい、これらの警戒区域を知らずに買ってしまったら後悔するかもしれません。
ですが購入する前に聞いてもらえれば、これらの失敗は回避をすることが可能となります。
海の見える家を建てる事になると、高台以外の場合はたいてい津波が心配という話になります。
もしも逗子や葉山の平坦な場所で、大きな津波が起きたら避難が必要です。
付近の避難所を、常に把握しておく事が重要です。
もしくは屋上階に、避難用シェルターを積載しようなんて話も上がったりはします。
ですが結論的に、誰もつけている方は居ません。
ある意味で津波は来ないと考えているので、あまりにも心配であれば避難用シェルターの対策になりますと思います。
もしくは津波は絶対に来ないと信じる事が、津波を寄せ付けない事なのかもしれません。
逗子や葉山で海の見える場所、そしてさらに山を背負っている環境の場合は虫にも注意が必要です。
山は自然な環境ですから、ありとあらゆる虫が居ますし、その付近に新たな家が建てられれば当然ですが虫は光に寄せられ寄って来ます。
クワガタやカブトムシなどの格好良い系の昆虫ならまだしも、自然な環境にはムカデやゲジゲジにヤスデやクモなどの他に、ヤモリなども生息しています。
また山以外にも不衛生なお宅が、近隣にある場所も注意が必要になります。
不衛生=ゴキブリなどが生息していることにも繋がりますし、それらはかなりダイナミックなパワーがあります。
普通の引違い窓の網戸などは、窓さえ空いていれば搔い潜って入って来ますので、付近にその様な家が無いかを確認される事を強くをお勧めします。
この様に海が見える家を建てる際、立地と言うのは設計を行う上でかなり重視するべきポイントとなります。
土地を購入される前に相談される場合はリスクを回避できるのですが、土地を購入してからお越しになられた場合は対策するしかなくなります。
ですから土地を購入される前に設計や施工のご相談を受けておき、ヒアリングなども済ませておくと良いでしょう。
そうすればあなたがなぜ海の見える家を建てたいのかの理由が分かっていて、プロの目線から立地を検討したりアドバイスをさせて頂くことも可能となります。
3.海の見える家を設計する際の注意点
海の見える家というのは、人によって様々なイメージがあると思います。
一番怖いのは海が見えるであろうと言う、想定のもとに設計を進めていくことです。
もしも言われた通りに進めてしまい、予想通りに海が見えなかった場合はトラブルになってしまうでしょう。
クライアントの資金を無駄にしないためにも、かもしれないで進めてしまっては期待していた海の景色が得られない可能性があります。
その為に出来る事とは、事前に行う景観確認です。
わたしも経験上よくやるのですが、ここまで見えるとは思っていないだろう。
であればその景色に事前にお連れする事で、海の見える景色を見る楽しみが増えたら良いなと思ってます。
こちら過去記事ですが、どの様にして景観確認を行っているかが分かります。
1日中ではありませんが海から海陸風が吹きますので、お昼前くらいから陸地に向かって海から風が吹きます。
その風に載って潮が飛びますので必然的に金属部分が劣化しやすくなります。
劣化するのは金属のみではなく、樹脂製のモノも海からの照り返しと潮の付着によって変形したり割れたりもします。
- 特にメッキ系の車やバイク、自転車
- 室外機
- 給湯器
- 鉄の手すり
- フェンス
- シャッター
- 換気フード
- 金属サイディング
- 太陽光パネル
- この他にも樹脂製の立水栓やシャワー、太陽光パネル用のパワーコンディショナーなども、何年も持たずに壊れてしまいます。
海の見える家の設計ではとにかく大開口の、スライディングドアをイメージされる方が多いかもしれません。
ですが海側に引き戸を設けた場合、海から吹く風に乗って砂も飛んできます。
引き戸には僅かな隙間がありますので、そこから室内に砂が吹き込むこともあります。
ですから可能な限り隙間の無い窓が望ましく、縦すべり窓やFIX窓を採用したりする事です。
人の出入りをするバルコニーなどの窓も、テラスドアとFIX窓をあわせた窓にするなど、極力砂が入りこまない様な設計を考慮する必要があります。
海の見える家はまさに海近くに建てる訳ですから、ありとあらゆる設備が塩害を受けることになります。
それは予めわかっていますので、可能な限り重塩害仕様を選択することをおすすめします。
エアコンの室外機であったり、給湯器なども対象になります。
共通するのは屋外に設ける設備に関しては、可能な限りで重塩害仕様を選択することをおすすめします。
海の見える家を建てる時、窓の種類や性能は重視したい項目になります。
逗子や葉山の例で言えば、暴走族の騒音であったり、浜辺から聞こえてくる騒音だったり
、ありとあらゆる騒音が想定できます。
特に134号線沿いになると、それらは顕著に響きます。
可能なら4枚ガラスの木製窓であったり、樹脂製のトリプルガラスも良いでしょう。
コストを考慮するなら、一般的な樹脂のペアガラスの窓に加えて内窓を採用する方法もあります。
また海の見える家の場合、海からの風に対しても強い性能を持って欲しいものです。
窓の外側のガラスは板厚を厚みのあるものに変えてあげるだけでも、かなり耐風圧に対して安心できます。
ただし強化ガラスは避けたほうが良いと思います。
強化ガラスはヒビが入ると、そこから粉々に崩れ落ちる性質を持つガラスになります。
風でガラスが飛散するリスクも多くなりますし、暴風時などは大変危険です。
どちらかと言えば生板ガラスの方が安心できると思います。
海の見える家は普通の家に比べて、断熱性能を高める必要があります。
太陽の日差しのみと比べて、海からの照り返しが加わると相当量の熱を受けることになります。
2025年、すべての新築住宅が省エネ基準適合義務化の対象になりますので、外皮性能(断熱等性能)も現在よりも基準が高まります。
ただし私の経験値では数字上の断熱性能と、体感温度での断熱性能には差があると思っています。
設計する際には窓開口の大きさや窓種類によっても大きく変化するところなので、設計の段階で検討されると良いでしょう。
海の見える家は高い湿度や塩害と共存することになる家です。
普通の壁紙の家であれば、除湿機やエアコンなどはフル稼働になることでしょう。
海の見える家を設計すると、必然的に依頼されるのが屋上です。
屋上は家の一番高い位置に設けられますので、屋上部分に屋外水栓があると良いでしょう。
可能ならお湯が出せる水栓がおすすめです。
なぜなら降り注いだ塩害を洗い流すのは、水だけではなかなか落とし切ることが出来ません。
お湯であれば割と塩害を流す効果がありますので、どちらかと言えばお湯の出る屋外水栓を屋上に設けましょう。
そこにちょっとしたシンクがあれば、屋上バーベキューなどにも役立つでしょう。
そして海の見える家を建てれば、自ずと体が動いて海でマリンスポーツをやりたくなるかもしれません。
その時のために屋外シャワーなどが庭にあると良いでしょう。
私の様に釣りが趣味の場合、1Fに大きめのシンクが必要になります。
私は大型の魚を釣るのは趣味なので、小さいものでも30kg程度はある魚ばかりです。
それらを捌くために業務用シンクなどを備え付けるつもりです。
海の見える家の立地なら、ビルトインガレージがあると大変便利です。
塩害でだめになってしまうツールを塩害から守ることも可能ですし、なにより自転車やバイクもガレージに収納できます。
アウトドア系のツールも収納できる様、大きめに設けることをおすすめします。
逗子や葉山で海の見える家を建てる際、見えるかどうか分からないのに屋上を設けることはナンセンスだと考えています。
ですから必ずこの眺望が得られるという試みを行い、この景色を得るために屋上に投資をして頂きます。
中尾建築工房でで家を建てたオーナー様宅では、ちょこちょこお呼ばれして屋上でお酒を嗜む機会もあります。
中には屋上から花火を見下ろす家も過去にはありましたので、予算が許すのであれば屋上は設計に取り入れたいポイントです。
海の見える家を建てて、心配性な方の場合はシャッターを頼まれる方も多いです。
ですが大開口の窓にするなどした場合、その大きさに対応するシャッターがありません。
またシャッターを設けるのであれば普通のシャッターではなく、耐風シャッターにするべきです。
普通のシャッターを設けて強風が吹き荒れた場合、シャッター自身がガイドレールから外れてしまい、一反木綿の様に踊る事になってしまいます。
大変危険ですし、意匠的にも見た目がよろしいものではないので、私個人としては窓の外側のガラス厚を増す事で対応することをお勧めしています。
海の見える家の設計をする際、忘れてはならないのが屋根の形状と屋根の勾配です。
海からの風を受け止めてしまう造りの場合、暴風の影響でかなり怖い思いをすることになってしまいます。
ですから暴風と喧嘩をさせない様、風を流す屋根形状と勾配が必要になります。
私の経験則ですが、逗子海岸で海の家を建てる経験があります。
海の家を建てる為には使用権が必要です。
私のクライアントが使用権を得れたのは、以前の方が海からの風を考えずに海の家の屋根を作ってしまい、当時あったロイヤルホストに海の家がぶつかったと言う事故がありました。
前の方はそれで権利を泣く泣く売ることになったそうです。
そんな話が実際にあります。
ですから海側に軒を下げて、山側に軒を上げていく。
そんなイメージで設計されると良いでしょう。
勾配も急勾配ではなく3寸程度で良いでしょう。
海の見える家を堪能する場合、マリンスポーツを行う前提であることも必要です。
最初は海沿いのショップで着替えたりするかもしれません。ですが慣れて来てしまえばショップに頼らず自宅から海に出るのが手っ取り早いです。
そんな海帰りにウッドデッキがあったり、もしくは土間のリビングなどがあれば、室内に海水や砂を持ち運ぶこともありません。
気の合う友達とそこでお酒を楽しんだり、マリンスポーツのツールのメンテをしたり事もできます。
土間のリビングまでとは言いませんが、ビルトインガレージを土間のリビングとして活用するのも良いでしょう。
きっとガレージ内があなたの宝箱になるかもしれませんね。
海の見える家を建てると、植えたくなるのが樹木です。
特に南国チックにしたい場合は注意が必要です。
なんでもかんでも南国のモノだからと言って、全てが塩害に耐えられるわけではありません。
横須賀市にはヤシの木を植えている歩道が多いのですが、それらはヤシの木を育てている方から譲っていただいたものを植えています。
大きなヤシの木なら塩害に強いかも知れませんが、小さなヤシの木だった場合は植えてからすぐに枯れてしまう可能性もあります。
ですからあくまでも地元の造園業者の方に相談するのが望ましいです。
海の見える家の外観は、塩害と湿気に直接対峙する事になります。
そのためスレート屋根やサイディングなどの場合は、かなりのダメージを受けるでしょう。
その都度10年程度で張り替えるわけにも行きませんので、屋根などはメンテナンスが可能なガルバリウムが良いでしょう。
芯木無しの立平葺きにする事で、傷がついた場合などはそこだけ交換することが可能です。
前項で屋根の勾配を緩めたほうが良いとありましたが、屋根の勾配がゆるい場合は足場が無くとも部分的に張替えが可能です。
外壁に関してはサイディングの場合、立地によっては海の照り返しが強いため、コーキングが伸縮して切れてしまうかもしれません。
チョーキングも出やすいですから、出来れば最低限モルタルなどを採用する方が良いでしょう。
たまに木材を利用したいと言われる方も居ますが、その場合は板厚みに注意をしていただきたいと思います。
強いと言われているレッドシダーなどでも外部に利用するのなら15~21mm程度あると安心です。
あまり薄い場合は板が暴れて、そこだけ美観を損ねることにもなりかねません。
厚みのある針葉樹、もしくは広葉樹などの木材を選ぶのも良いでしょう。
塩害と湿気は、常にあるものと考えていただいたほうが良いです。
つまりこまめに屋根や外壁、バルコニーの床などを洗い流す事が必要です。
潮は付着しているだけでも、建材をもろくする要因になります。
ですから長持ちさせるためにも、洗い流すということを頭に入れておきましょう。
期間的にどの程度という目安は立地によって様々です。
例えば外壁などを触って、やたらと潮や砂でザラザラする場合などは、洗ったほうが良いというお知らせです。
4.塩害や湿気に困らない家は無いの?
海の見える家を建てるなら、湿気の対策を攻略することが第一です。
海の見える家となると、コンクリートの家を想像される方が多いかもしれません。
ですがコンクリートは一度衝撃を受けて欠損した場合、そこだけ補修して直せる建築物ではありません。
コンクリート自体が蓄熱しますので、打ちっぱなし仕上げの場合は蓄熱された熱とエアコンの温度で、24時間エアコンを動かしている必要があるでしょう。
もしくはコンクリートの駆体の上に外断熱と外壁を設ける事で、駆体自体を蓄熱させないケースもあります。
ただしコスト的には高額になります。
鉄骨に関しても鉄は結露の温床になりますから、壁体内結露の影響で錆びやカビなどの発生により大変な目に遭うでしょう。
そこで私がお勧めしているのは、木造で建てる海が見える家です。
木造の場合は下記の内容を守っていただいたほうが良いでしょう。
- 構造はすべて無垢材
- サッシは最低限アルミ樹脂複合窓(複層ガラス)
- 外壁通気工法
- 断熱は吹付断熱材以上
- 室内の天井や壁は超湿性能の高い漆喰
- 床は無垢のフローリング
必ずこれらを守る、またはこれ以上のスペックを有する事で、海の見える家特有の高い湿度と無縁にすることが可能となります。
この内容は以前に湘南スタイルマガジンの別冊として、湘南の家づくりと言う本の中で、わたしが監修した記事に書かせていただいた内容です。
せっかく海の見える家を手に入れたのにもかかわらず、高い湿度と塩害のために楽しめないのでは意味がありませんよね。
そんな方には是非、この記事の一番下にある湿気に困りたくない人は読んで!をご覧頂ければと思います。
実際に逗子や葉山に海の見える家を建てていて、湿気とは無縁の日々を楽しまれている方が実際に居らっしゃいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめたライターである私も、逗子や葉山で海の見える家の設計や施工を手掛けております。
もちろん海が見える立地にいつかは建てたいと考えていますし、わたし自身もプライベートでは沖釣りを楽しむ日々を過ごしています。
特にクロマグロやキハダマグロ、深海魚であるベニアコウやアブラボウズを釣って海を堪能しています。
私の趣味は大物の沖釣りがメインですが、海の見える家を建てれば様々なマリンスポーツが楽しめます。
どの趣味でも共通なのはビルトインガレージ、屋外シャワーなどは共通して必要なアイテムとなるでしょう。
この様に海のメリットも分かっていますが、デメリットも当然理解をした上で設計や施工を行いつつ、海の見える家で暮らしやすい提案をさせて頂いています。
もしもあなたが逗子や葉山で、海の見える家を考えているなら中尾建築工房にもお声がけください。
海の見える家を建てる用地を買って良いのだろうか。
候補の土地があるのであれば、その土地のメリットやデメリットをご説明差し上げます。
地元で働き、地元で遊びを堪能しているからこその、暮らして最高な海見え生活をご提案差し上げたいと思います。
海辺の家を建てる〜地元工務店がおすすめする失敗や後悔しない基礎知識〜
逗子や葉山に住む方必見|家(うち)の大量な湿気、もう嫌っーーー!!!その悩みを解決する対策方法をお伝えします。