海が見えない場所でも海が見える家を建てたい!葉山に建てたオーダーキッチンが嬉しい自然素材の注文住宅の施工事例をご紹介します
葉山と言えば都内や他県から週末に遊びに来て、いつかはこんなところに永住するのも嬉しいなー。
その様に思う方は、きっと少なくはないでしょう。
そこで今回は葉山に家を建てて、家から海を眺められる家にしたい。
家から海が見えるなら、ルーフバルコニはー絶対にあるといいな。
2Fリビングにしてもらって、パン教室を開催しても狭苦しくないキッチンにしたい。
やっぱりキッチンは、オーダーキッチンしか無いのかなぁ。。
そんな思いを形にするべく、葉山に建てた自然素材の注文住宅。
その実例のご紹介をさせていただきたいと思います。
Contents
1.すでに敷地は購入済で訪れました
葉山町堀内の某場所に古家付きの家がありました。
すでに解体工事が終わって、現地は更地の状態です。
クライアント様のご要望はたくさんあるのですが、まずは絶対に叶えたいのは以下の点。
- 家から海を眺められる家にしたい。
- 2Fリビングにしてもらって、パン教室を開催しても狭苦しくないキッチンにしたい。
- やっぱりキッチンは、オーダーキッチン。。
敷地面積の都合から言っても、そんなに大きな家が建つわけでもない面積です。
さらにこの場所から海を見える家を建てようものなら、それ相当の高さが必要になって来ます。
普通に2F建ての家を建てて、上にルーフバルコニーをつければ良いと言う、簡単な次元の問題ではない事が既に分かっていた案件です。
不動産屋さんが、この土地を紹介してくれた時にね。
2Fのバルコニーを付ければ、海が見えたりするんじゃない?
って言ってくれてたので、私達は申込みをしたんですー♡
この話を聞いた時の、私と設計担当の頭の中では。
いやいや、その不動産屋さん眼の前に連れて来て、何を根拠にそんなこと言ったのか説明して欲しいけど。。
2Fから海が見えるなんて、この場所では絶対に無理なんだけど。。
そんな思いを抱きつつも、とにかく海に関しては見たいのだそうで。
それを安易に2F建ての家にルーフバルコニーを設けたからと言って、海が見えなかったときのことを考えると。
それは宜しい事では無いので、それならばと景観確認を行うことになりました。
敷地は解体工事が終わっただけで、敷地の整備までには至っていない。
プランも決まる前に掘削工事を入れるのも、無駄に費用が出るだけだ。
取り敢えず突っ込める場所まで、高所作業車を突っ込むしか無いな。。
何度か入れたり出したりで、振り子の原理で可能な限り敷地に高所作業車を入れることが出来ました。
と言うかこれ以上は掘削しないと、高所作業車を入れることが出来ません。
高所作業車返す前に、ちゃんときれいにタイヤ周りを洗って返すからね・・・
レンタル屋さん、大変申し訳無い。
そしてさっそく作業車に乗って頂いて、高さの確認をして頂くことになりました。
すでにこの高さで敷地の地盤面から高さから測ると、2Fの床相当の高さに立っていることになります。
この時点で海が見えないことは納得して頂けた様です。
そこからさらに3Fの床相当の高さに持って行くも。
これでもまだ海が見えるという高さにはならずに、江ノ島がなんとかやっと見える程度です。
そこで敢えて高さ制限ギリギリに、ルーフバルコニーを設けられる高さにリフトアップしてみました。
おっ、これは。。
御主人様の確認が終わったので、次に奥様をお連れしました。
周囲を見渡してみるも、こんな感じなんだねーと見渡しております。
すでに3Fの床付近まで上昇をしているわけなのですが、思っていたほどの眺望ではなさそうです。
そこで先程の御主人様同様、敢えて高さ制限ギリギリに、ルーフバルコニーを設けられる高さにリフトアップしてみました。
あっ、江の島見えた!
海も少しだけ見えてるー♡
この時点で設計案は概ね固まった訳になるのですが、そこには一つの問題点があります。
この高さにルーフバルコニーを設ける場合、2Fリビングから階段を2つ、3つほど設ける必要があります。
今は良いかもしれないですけど、10年後、そして20年後も上がれる自信はありますか?
無いなら作っても無駄になるだけですから、お勧めはしないですけど如何ですか?
私の説明を聞いているのか、それとも聞いていないのか。
もしくは御主人様は自信無さそうだったけど、奥様のために敢えて虚勢を張ったのか。
結論的には4層2階建ての計画を進めることになりました。
2.引き算の打ち合わせをするも。。
自然素材の注文住宅を建てる時、全ての要望を詰め込んでみると。
大抵の場合は、自分達の守りたい予算を必ず超える傾向にあります。
その差がどの程度あるのかは、クライアント様によってまちまちです。
ただし守りたい予算まで要望を下げる方もいらっしゃいますし、中間程度で区切りをつける方も居ます。
はたまた稀にですが、行くなら行ってしまえと予算を上げる方も少数ではありますが居らっしゃいます。
では今回の葉山町に建てる、自然素材の注文住宅のクライアント様はどうでしょうか?
- 海の見えない場所に建ててでも、4層2階建てで海が見れるなら見たい。
- 建ぺい率、容積率、高さ制限、斜線制限はほぼMAX
- 最高級のオーダーキッチンも諦めたくない
- お友達がたくさん来る家だからLDKにはゆとりが欲しい
- その他諸々
んーっと、下がる訳が無いですよねー
そして状況としては、主に奥様が色々と悩まれておりまして。
ガスオーブンはどのメーカーにしようかとか、タイルの柄は名古屋モザイクのどれにしようかとか。
打ち合わせの様子を遠目から見る限り、あきらかに奥様以外の御主人様や、設計の担当者は疲弊しているのが分かります。
そこで目線を切り替えさせて頂く為にも、料理好きな奥様にフレッシュな特大カツオのプレゼントを(笑)
もーそろそろ決めてくださいねーと言わんばかりに、カツオを持って今日は帰ってくださいと相成りました。
3.葉山に建てる自然素材の注文住宅着工
まだ未確定な部分はあるものの、猿田彦神社さんにお願いして地鎮祭を執り行わせて頂きました。
そして基礎工事の着工となります。
確認申請の手続きも終わっており、確認済証も降りています。
地鎮祭とともに、近隣の皆さまへの着工のご挨拶をさせて頂きます。
基礎工事の流れとしては、基礎工事前に地盤調査を行います。
そこで問題が無いのであれば、基礎工事に移行できます。
地盤調査の結果で問題があれば、地盤改良工事を行うことになります。
その後配筋検査を受けた後、合格を頂けたならばと耐圧盤コンクリートの打ち込み、立ち上がりコンクリートの打ち込みと移行しています。
基礎工事が完了すると、大工さんの仕事になります。
前日に土台を敷いておき、上棟の日には大勢の大工さん来てもらい、一気に屋根まで建てて行きます。
上棟の様子を見るだけで、屋根の勾配がかなり急な角度というのが分かります。
クライアント様の要望を検討した結果、普段はあまり行わない急勾配の屋根になったのでした。
屋根が完成すると、此処から先は一人の大工さんにて、駆体の工事や造作工事を勧めて行く事になります。
4.コストが下がらない要因
誰とは言いませんが、間違いなくこちらの方になります。
料理や料理の素材、料理のツールはとにかく大好きな方なので、キッチンも当然ながらこだわりを持たせています。
この日は私の隠し持っていた青森ヒバの板を1Fの作業場で削って、青森ヒバのまな板をプレゼントして差し上げました。
料理に関してはほぼオタクのジャンルの方になりますので、無垢の青森ヒバのまな板をゲットして大喜び。
そんな理由から葉山に建てる自然素材の注文住宅は、なぜかコストが下がりにくい家でした。
前項でコストが下がりにくいのは記載済みではあるものの、一番厄介だったのが。
パッと見るだけではただの箱物にしか見えないのですが、これ全てオーダーキッチンの部材になります。
ここに写りきらない部材もまだまだありまして、相当なボリュームがあります。
オーダーキッチンはシステムキッチン比べて、かなり自由度が高くなると共に、使われている素材自体も全く違います。
質感を重視している事もありますし、扉に使われている材料も一つ一つに重量があります。
しっかりしていると言えば、分かりやすいかもしれません。
それらを動かす金物類も最上級のモノになりますから、引き出しなどの収納の動きもシステムキッチンのそれに比べてとてもスムーズになります。
それだけに価格もとんでもない価格になる訳なのですが、まさかこちらとしても本当に買う訳は無いだろうと思うわけです。
その額なんと、8%の消費税含めて380万円超えです。
ハイブランドのオーダーキッチンの場合は、基本的に定価設定というものがありません。
あるのは実際に工務店が支払う事になる、見積書のみがあります。
まさか本当に買うとは思ってもいなかったので、工務店としての粗利益は1円も無い状態で見積書に記載をしました。
当然の話しですが選ばれてしまった訳でして、その瞬間に中尾建築工房の赤字が確定となった訳です。
ですからこちらの奥様にはお会いすると、必ず言っている事があります。
このオーダーキッチン、冗談抜きで原価出しにしちゃってたから、所有権じゃなくてリースね。
私が家を建てる時まで使っていて良いので、家を建てる辺りになったらリクシルのキッチンと交換しますから。
と言う言葉を必ず使いつつ、いつかは返して頂こうと思っています。
5.竣工を迎えた葉山の自然素材の注文住宅は?
外観はガルバリウムの屋根に塗り壁の外壁。
外壁には部分的に、無垢材の羽目板が貼られています。
外壁部分の無垢板は強い日差しを受ける事になるので、自然塗料を施してあります。
そして軒裏となる部分には、レッドシダーの板張りを無塗装のまま貼っています。
レッドシダーや青森ヒバなどの針葉樹は、ヒノキチオールが含まれているので、雨の降った晴れの翌日などは蒸気とともにヒノキチオールの優しい香りが立ち込めます。
自然塗料を塗ってしまうと、匂いは出なくなってしまうので、敢えて無塗装を選択しています。
玄関を開けると奥様お気に入りのブルーのタイルがお迎えをしてくれます。
杉の無垢フローリングに、杉の角材で造作した階段。
そしてドイツ漆喰の塗り壁の組み合わせは、家に入った瞬間からおいしい空気を味わえます。
玄関脇にある客間として利用をしているスペースには、畳を市松模様で敷き込みまして、床板には檜を。
腰壁となる部分には、青森ヒバの無垢板を貼っています。
この部屋で過去には、枕を変えただけで寝れないという女性がお泊りをされたのだそうですが。
本人的には相当な悩みだったらしいのですが爆睡と言いますか、熟睡出来て気持ちの良い朝を迎えられたのだそうです。
無垢材の持つパワーは、人に癒やしを与えてくれる事を証明してくれています。
リビングの脇には造作した手洗いがあります。
こちらも奥様のお好きなタイルを張り、間接照明を入れられる鏡を制作しています。
間接照明は器具のグレアが直接当たらないので、やさしい光が周辺を照らします。
天板は継ぎ目の無い一枚物の、ブラックのシーザーストーンカウンターです。
扉は全艶のベージュで塗装を施し、扉の上部をテーパーにする事で、手掛けなどが付けなくとも開閉できる様になっています。
- AEGの4口 IH
- アリアフィーナのレンジフード
- ベルタゾーニのガスオーブン
- ミーレの食洗機
- 手板金シンク
- 浄水器一体引き出し水栓などなど
かなりのハイスペックで完成されていると言えるでしょう。
それは高い訳ですよね。
少し変形に配置されたリビング。
少しばかり高い天井には、パームツリーのシーリングファンが取り付けられています。
やはり自然素材の注文住宅は、家としての機能は当然果たしますが、それだけではなく居心地のよさを体感出来るのが大きな特徴だと思います。
それは特にこの家だけに限った話ではありませんが、よく聞くのは遊びに来られた方が居心地良すぎて、ついつい長居をしてしまうのだそうです。
このフロアは2Fになるので、2Fリビングとなります。
2Fから更にスーパーハイルーフへと上る、ストリップ階段が設けられています。
その先には更に、スーパーハイルーフへと上る階段があります。
そしてたどり着くのが遠く望む江ノ島が見える、スーパーハイルーフにたどり着きました。
ここからの眺望は、どの様な景色なのでしょうか?
こちらはちょうどお引渡しの日に撮影されたモノになります。
私と奥様が海への景色を見ている風景なのですが、ここに上ってしまうと大変まったりとした感じがします。
まるで時間が止まっているんじゃないかと言うほど、誰もスーパーハイルーフから降りないという。。。
このスーパーハイルーフでは、バーベキューなども出来る様にしてあるのですが、とても役立つ設備も備わっています。
スーパーハイルーフには、ご覧の水栓や洗い場が備わっています。
ちょっとした洗い物はここでも洗えますし、台風や強風で建物に潮が付着した際、潮を洗い流すことも可能となっています。
ルーフバルコニーを検討されるのであれば、間違いなくおすすめしておきたい設備となります。
そして最後に外部にも立水栓シャワーが備え付けられています。
海へ散歩に行った帰り、砂を落とすことが出来ますし、わんちゃんをそのまま洗うことも可能です。
ペットシャワーも大変便利な設備です。
6.葉山に建てた自然素材の注文住宅家づくりブログ
こちらでは竣工に至るまでの過去記事を掲載させて頂きました。
家造りの風景が自ずと見えて来るのではないかなと思います。
と言う感じで過去記事のリンクを張りましたが、多分まだまだありそうですがこの程度で。
いずれにしても竣工を迎えてから、葉山での暮らしを堪能してらっしゃる様で何よりです。
7.葉山のパン教室A Bread: パン教室ならA Bread
葉山に建てた自然素材の注文住宅、実はパン教室も開催される家になっています。
現在はダブルワークの都合により、完全予約制でパン教室を開催されている様です。
家を建てている最中や引き渡し後には、私もかなりの度合いで焼きたてのパンを頂いた事があります。
パン教室の先生だけにパンも美味しいですし、私達は見たことも無いパンを焼いていたりします。
そんなパン教室の先生は奥様なのですが、ちょっとキャラが濃ゆいと言いますか。。
ちょっと変わっていると言いますか。。
私はなぜかこちらの家に関して、ふと思い出す事と言えばこんな会話がありました。
葉山の家でひっそりとパン教室をやる、窯焼きオバアになるんだよ。
あーそーなんだぁ、あれか、漁師みたいに魚釣って、パンも焼いて窯焼きババアになるんだねー
バシッ!!
窯焼きババアじゃなくて、窯焼きオバアだよっ!!!
大差ないじゃん、そんなの。。
と言うような会話を、私はまっさきに思い出します。
と言う感じのキャラクターのパンの先生ですが、ご興味ありましたらパン教室のホームページやブログをご覧頂ければと思います。
8.M様らしい葉山のライフスタイルを
いかがでしたでしょうか?
葉山に建てた自然素材の注文住宅の施工事例をご紹介させて頂きました。
この家を見学された方は割と多くの方に設計・施工のご依頼を頂く事が多かった様な記憶があります。
注文住宅を建てる方の中には、その要望というのは多岐に渡りますので、これで良いと言う叩き台がありません。
ですから話を聞きつつ設計しつつ、時にはメリット・デメリットの説明を行います。
いずれにしても満足していただければ、造り手の私達としては何よりだなと思います。
それでは2015年3月15日にお引渡しをさせて頂きました、海が見えない場所でも海が見える家を建てたい!葉山に建てたオーダーキッチンが嬉しい自然素材の注文住宅の実例をご紹介をさせて頂きました。
この記事をご覧頂いた方の家造りが、満足度の高い良き家造りとなります様に。