また来ますか・・・2
家を建てるオーナー様にとって不利益に成るという事。
それは単純に課税が多くなるだけではありません。
たしかにどこかのタイミングで増税は避けられないのかもしれません。
でも長期優良住宅普及促進事業や住宅エコポイントなどで、家を建てる方が多い中にこの増税。。
はっきり言って、住宅メーカーの営業マンたちにとっては追い風となるでしょう。
『消費税があがる前に、早く家を建てましょう!』と言えますからね。
でもこれがさらに増税を上回る二次問題が発生します。
以前に消費税が導入されて3%になったとき、そして5%に増税になった時。
たしかに着工棟数は増えたのです。
でもその代わりに建材自体の価格が便乗して値上げされたのです。
しかもあきらかに値上げせずとも良い建材が便乗値上げ。。
さらには、ちまたで話題の断熱材のように建材が品薄になり、ひどい所では現場に置いてあった家一棟分の骨組みが盗まれたりする騒動が起きていました。
ある意味で建築業界自体の受注はあれど、見合わない受注数をこなすためにキャパオーバーになり、パニックに陥ってしまったのです。
パニック=管理のなされていない現場や、とりあえず引き渡してしまえといったようなずさんな工事がかなりの割合で行われていました。
消費者サイドとしては無駄に高い税を納めて損をするよりも、税があがる前に家を建てたいと思うでしょう。
でも、ほとんどの方が同じ想いから、住宅を早めに購入するという行動してしまう訳です。
そして販売優先の住宅メーカーは、あきらかに品質の下がった家でもなにくわく顔で引き渡してしまっていました。
大手住宅メーカーになれば全国に営業所があるため、営業担当の方は何年かすれば移動してしまってもう居ない。。
ものすごい図式ですな・・・
こんな事だから住宅業界は、クレーム産業と言われてしまうのです・・
売り手の方たちはそれでも良いのでしょうが、造り手としてはそういう訳にはいきません。
造り手の私たちはお引き渡しした時から、その家を守っていかなければならないからです。
私たちとしては、品質の高い家をオーナー様に引き渡ししたい。
そしてその家の歴史を見守っていかねばならない。
なにかあれば駆けつけなければならない。
だからこそ消費者の方にどうこうを言うのではなく、国には増税の判断とタイミングをきちんと計画した上で行動に出てもらいたいのです。
仮に増税するんだとしてもね。。
ちょっとずつ、ちょっとずずつ時間をかけて増税するとか。。ねぇ。。
まぁ、あげてもらわない方が一番良いんですけどね。
でないとせっかく普及し出した長期優良住宅の制度も、タイミング次第では着工が多すぎて建材不足。そして契約書上の期日内に引き渡しを行うために手間ひまをかけてやらなければならない工事を抜いてまでも完工してしまう。。
そんなメーカーや施工業者が出てしまう可能性もあるのです。
それでは長期優良住宅の制度も意味を成しませんし『そんなのあったよな・・・』という昔話になってしまうは間違いありません。
くれぐれも安易な発想のみで増税などは、して頂かないよう望みます。