家を建てる打ち合わせに違和感〜本当にこの会社を選んでいいの?〜

家を建てる上で、必ず行うのが打ち合わせです。
敷地に合わせた間取りの打ち合わせだったり、内外装の仕様選定、様々な設備の詳細打ち合わせ。
本来、楽しく進められるはずの打ち合わせで、依頼先に違和感や不信感を覚える方は意外にも多い様です。
違和感や不信感を抱えたまま進めて行けば、自ずと心配になりますよね。
ここでは注文住宅専門で設計施工を行う中尾建築工房から、なぜあなたが違和感や不信感を覚える打ち合わせになるのか。
またそのまま同じハウスメーカーや、工務店で打ち合わせを進めて良いのかご説明差し上げます。
Contents
1.家を建てる打ち合わせで違和感や不信感を覚える例
あまりにも会話が成立しないと、表面には出さないまでも。
心の中では、画像の様な気持ちでは無いでしょうか?
家を建てる打ち合わせをしてるのに、相手はプロのはずなのに、話がどうも通じない。
なぜこうなってしまうのでしょうか。
進まない打ち合わせの例を挙げてみたいと思います。
■進まない打ち合わせの例
- 打ち合わせのドタキャン
- 連絡が来ない
- 変更が反映されない
- 土地も無いのに仮契約を締結して金銭を要求する
- のらりくらりを繰り返す
私の会社には、他ハウスメーカーや工務店と打ち合わせをし、これらの違和感や不信感を覚えた方がお越しになる事があります。
この原因、実は様々な住宅会社側の都合にあるのです。
「あー、そうそう!」
こんな声が聞こえてきそうですね。
それではここから、あなたには分かりやすく「なぜ、こうなってしまうのか?」と言う、住宅業界の裏側をお見せして行きます。
ここからは心して、しっかりとご覧くださいませ。
ケース1: 打ち合わせのドタキャン
常に一人で10数組の方を、担当しているのだと思います。
お客様の打ち合わせが平日でも、可能であるならなんとかなるでしょう。
ですが、実際には週末に打ち合わせを行う事が多いので、うっかりブッキングしてしまったケースです。
慌ててあなたに連絡を取る事になりますので、ドタキャン・・・
と言う事になってしまいます。
担当者が一冊の打ち合わせノートを活用して、顧客ずつ管理をしてるのなら防げますがオーバーワークが原因です。
ケース2: 連絡が来ない
このケースも明らかにオーバーワークが原因です。
契約になるかどうかも分からない状態の相手を、10数組は抱えているでしょう。
目の前の契約出来そうな方を優先するので、注文を付ける方には連絡をしないままでいます。
ひどい場合は連絡をすると言う事すら、すっかり忘れているケースもあります。
ケース3: 変更が反映されない
1ヶ月前に打ち合わせをした変更の図面が届かない。
注文住宅を専門にしている会社ではなく、建売住宅ベースの間取りを変える程度の範囲で家を建てている会社だと思います。
比較的簡単な設計変更や、決められた色打ち合わせのみの仕事をこなすレベルです。
建売住宅がベースですから、要望を聞くと言うよりはこの中から選んでもらうと言う方に多いです。
この場合も10組以上は、案件を抱えているケースが多いです。
自分でもどうして良いのか分からず、フリーズしている状態と言えます。
ケース4: 土地も無いのに仮契約を締結して金銭を要求する
土地も無い状態ですから、そもそも仮の契約がある事自体がおかしい話です。
「キャンペーンの対象になるから」
「今ならお値引きが、たくさん出来る対象になりますから」
と仮契約を促します。
実際にキャンペーンと言うのは名ばかりで、見込み客を営業として囲い込みたいだけです。
他社と同じ土俵では太刀打ち出来ないハウスメーカーが、この手の切り口で土地を買われる前に囲い込みもうとしているだけの話です。
個人的には正直言って、論外だと思います。
ケース5: のらりくらりを繰り返す
この場合は会社の問題と言うより、本人の問題が多々あるでしょう。
のらりくらりの生き方ですから、一定の場所に永く居る事はありません。
その場しのぎで返事をするので、突き詰めて行くと全く何もやっていない事が多いです。
最後にはつじつまが合わなくなりますので、その場を去るしか無くなるタイプです。
この様に住宅業界と言うのは、ある意味クレーム産業とも言われている業界です。
私も同業の人たちを色々と見てきた経緯がありますが、感覚が麻痺してしまっている人が多い印象を持っています。
この様な方たちを相手に、そのまま打ち合わせを進めるどうなるでしょうか。
■このまま担当との打ち合わせをして着工に至った場合
- 打ち合わせで変更を頼んだのに職人さんに伝わっていなかった
- 頼んだものと違う設備が付いてしまった
- 自分たちのイメージと実際は違った
この様な事に陥ってしまいます。
仮に施工会社が真摯に対応してくれるなら良いでしょう。
ですが上記の内容に当てはまる会社が、真摯な対応をするかと言えば期待するだけ野暮と言うものです。
人生で大きな買い物になる家ですから、この様な事になってしまえば、あなたはきっと不安になってしまうと思います。
すべての方が、あなたの家を造る上で、真摯な応対をする訳では無いと言う事を覚えておいてください。
2.住宅業界と不動産業界の癒着
ここまでで、あなたはきっと「なんてモラルの無い人達なんだ!」と憤りを隠せないかもしれません。
実際には、担当者のオーバーワークに問題がありました。
なぜ担当者がオーバーワークになるのか?
ここから先は、住宅業界がせわしない業界であると言う説明をして行きます。
実は住宅業界には永きにわたって、不動産業界との癒着がありました。
例を挙げてみましょう。
- 不動産会社から紹介された工務店のケース
- 不動産会社から紹介されたハウスメーカーのケース
この二つが大きな要因です。
■不動産会社から紹介された工務店とのケース
紹介を受けた工務店は、不動産会社から契約を優先する様に指示されます。
契約が成立すれば、工務店は不動産会社に紹介料を支払います。
土地の契約を終わった顧客は忙しい状態に陥りやすいです。
- 住宅ローンの審査
- ローンの手数料を土地と建物を一つにする目的
これらの理由で、あなたは少しでも早く依頼先を確定しないといけない状態に追い込まれます。
工務店は不動産業者に忙されて図面を作ったりもしますので、敷地のすべてを確認せず間取りも作ってしまいます。
この様な事が、住宅業界の裏側では頻繁に行われています。
わたわた応対しているのが関の山で、顧客の声を聞ける状況に無いと言えますね。
つまり土地を販売する不動産業界の方に、工務店が依存している状態と言えるでしょう。
不動産業界の方も仲介手数料のみでは満足せずに、大きなお金が動きやすい工務店に依存している状態とも言えます。
本来なら知名度の低い工務店でも、それぞれ独立してお客様から信頼を得る状態になっている必要があります。
信頼は無いけど、契約は取りたい。
この状態ですから、あなたが違和感を覚えてしまうのは、無理も無いと言うしかありませんね。
■不動産会社から紹介されたハウスメーカーとのケース
紹介を受けたハウスメーカーも、不動産会社から契約を優先する様に指示されます。
契約が成立すれば、ハウスメーカーは不動産会社に紹介料を支払います。
スケジュール的には工務店と同じになり、あなたは少しでも早く依頼先を確定しないといけない状態に追い込まれます。
ハウスメーカーの場合は人員には事足りてますので、工務店よりは対応が良いかも知れません。
ただし不動産業界と癒着するハウスメーカーは、自社のブランディングが確立されてない事が多いです。
ブランディングが確立してないと言う事は、そのハウスメーカーに依頼する売りが無いと言う事にもつながります。
名だたるハウスメーカーであれば、住宅展示場に出展して知名度もあります。
ブランディングの確立もされていますし、収益力も工務店より高いです。
ビッグネームのハウスメーカーであれば、自社で分譲地を一括買取して建築条件付きとして販売する手法も取れます。
いかがでしょうか。
ハウスメーカーでも工務店でも、いずれも単体では決定的な売りが無い為に癒着が生まれる原因になってます。
売りが無いと言う事は、依頼主であるあなたは決め手に欠ける事にもつながります。
決め手に欠ける会社は、あなたに契約してもらえるかどうかも分かりません。
ですから、十数件もの案件を持たない事には、成績に繋がらないのが蓋を開けた話です。
本来であればどちらも、お客様から選ばれる存在でなければなりません。
不動産業界と工務店、ハウスメーカーとの芳しくない共依存とも言える状態なのを覚えておいてください。
3.依頼先に違和感を感じたら手を引きましょう
ハウスメーカーにしろ、工務店にしろ、あなたが違和感を感じる場合は不正解と言う答えになります。
あなたがどれだけ頑張って修正指示をしても、業界自体がこの様な風潮があって当たり前の状態です。
忙殺されてパニック状態になっていては、人の話を聞く耳があったとしても、耳に入る事は無いでしょう。
ですから依頼先に違和感を感じたなら、手を引いてしまった方が無難です。
義理があるからとか、せっかくここまでやってもらったからとか、思う気持ちが出てくるかもしれません。
でもよく考えてみて欲しいのです。
- 忙殺されている工務店の営業マンは、転職してしまったりするかもしれません。
- 全国規模のハウスメーカーなら、転勤をする事もあるでしょう。
あなたが義理を感じていても、その担当者がいつまでそこに居るかは分かりません。
引渡しが終われば、アフターの部署も今とは変わります。
義理など気にせず、自分たちの夢を叶えてくれる依頼先に頼む事が先決です。
ここで一つ、直近のハウスメーカーの動きをお知らせしておきましょう。
■直近のハウスメーカーの動き
ハウスメーカーも本格的に流行り出して50年が経過します。
少子高齢化が進むにつれて、住宅展示場に訪れる人たちも少なくなりました。
建て続けないといけないハウスメーカーは、注文で建ててもらう事が少なくなりました。
ですから住宅展示場に来場された顧客のみではなく、土地から購入して建築条件を付ける事で購入を促しています。
さらにハウスメーカーの中では、都心のビルを販売する不動産業に変わっているメーカーも存在します。
傾向としては国内で選ばれるのは限りがあるので、海外に進出して住宅を販売しているハウスメーカーも存在します。
どこを目指しているのか分かりませんが、あくまでも販売し続ける方に目が向いておりますので。
お客様の目線に立てているのかどうかも不思議になります。
この様な動きがハウスメーカーの中にはあります。
ですから特に義理等は一切忘れて、親身に話を聞いてくれるハウスメーカーや工務店を探す事です。
プライドを保って真摯にヒアリングをする、ハウスメーカーや工務店は他にも必ず居ます。
4.地域で評判の良い依頼先を見つける方法
ここでは依頼先を変える事を前提にお話をしていきますね。
家を建てているのはあなただけではなく、他にも建てている方はたくさん居ます。
すでに家を建てた友達や知人に話を聞くのは、最も信頼出来る依頼先を見つける近道です。
一番良いのは家を建てる場所に近い、友達や知人に話を聞いてみて欲しいのです。
■今住んでいる場所と家を建てる場所が同じの場合
近隣のお知り合いの方で、家を建てて良かったと思ってる方の話を聞いてみるのも良いかもしれません。
良い印象があれば、きっと依頼先を教えてくれると思います。
家を建てる側のハウスメーカーや工務店は、その道のプロとして存在しなければなりません。
住宅を設計し施工を行うプロな訳ですから、あなたが必死になってチェックすると言うよりも。
あなたはストレスを感じず、家づくりを楽しんで良いのだと思います。
■今住んでいる場所と家を建てる場所が違う場合
思い切って、家を建てる場所に引っ越ししてしまっても良いかと思います。
家を建てる場所は、あなたにとって住めば地元と呼べる場所になります。
地元になれば周りにはお友達も出来るでしょうし、家を建てた経験のある方の話を聞けるでしょう。
良い評判もあれば、悪い評判を聞ける良い機会に巡り合えるかと思います。
引越し費用が1回分多く掛かるかもしれません。
でも、それ以上にあなたが知り得ない、地元の情報を手に入れる事が出来るはずです。
お友達つながりで紹介をしてもらえる会社は、建てて良かったと思わない限りは紹介なんてしないでしょう。
家を建てて良かったと思ってる方は、きっと依頼先を紹介をしてくれると思います。
中尾建築工房では、お引渡しをさせて頂いたOBオーナー様からの紹介が大変多いです。
紹介と言っても何か特別な事をして頂いている訳ではありません。
「ブログに面白い事が書いてるから、読んでみれば?」
「私たちはここで建てて良かったよ。」
こんな感じです。
ウェブの中には、トラブルになった方の多くが、とにかく施主が必死に色々と注意しないといけない。
そんな事が書いてあるのをお見かけしますが、私は業界の人間としてはそれはナンセンスだと思います。
それを導けるのがプロとしての、ハウスメーカーや工務店の本来あるべき姿なのではないでしょうか。
5.まとめ
家を建てる打ち合わせで、ご苦労されている方はとっても多い様です。
決してあなただけではありません。
でも、中にはしっかりとあなたの話を受け止めて、それを実現するべく努力する建築家も多数います。
目の前の疲弊した担当者を相手にして、あなたが疲弊して家づくりが停滞するのは理不尽極まりない事です。
あなたが家を建てるのは、疲れるためではありません。
建てた家で家族や親戚、お友達と一緒に、これから先の暮らしを楽しむ為に建てるのです。
ぜひ、理想のマイホームを実現して、あなたの望む未来の生活に焦点を当ててくださいね。