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三浦市初声町和田|プランニング前の敷地調査

 
  2018/12/26
三浦市初声町和田|プランニング前の敷地調査
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注文住宅を建てる上で、無ければならないのは家を載せる土地。
その土地は既存宅地と呼ばれる土地だったり。
もしくは分譲業者が開発した完成宅地と呼ばれる土地だったり。
大きく分けて、この二種類の土地がある。
今回は、おそらくは元々は畑だったであろう土地を購入されてから、中尾建築工房にお越しになられた方のプランニング依頼。
どちらの土地かと言えば、既存宅地と言う土地になる。
『ん〜、この土地は・・・』
と言うのが正直言った私の印象。
さて、どの様な土地なのでしょうか。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa.jpg
ちょうど私の居る場所が前面道路。
敷地と道路は高低差がある事から、現在は車の侵入が出来ません。
土地のだいたいはグーグルマップで見れるのだけど、実際に見て私が気になった事がある。
それはなにかと言うと。。
敷地と道路の高低差
地盤が緩そう

この二つなんですね。
この土地を購入されたクライアントさんは、すでに頭の中でプランニングがほぼほぼ完成している。
それが果たして出来るかどうかに疑問が残ってしまう土地なんですね。
なぜならば。。


miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa2.jpg
敷地の入口とは別の前面道路の土留を見てみましょう。
これはいわゆる法(のり)と呼ぶか、崖と呼ぶか。。
建築的には、法と呼ぶより崖の扱いになります。
小さい崖って感じですかね。
この崖は、高さが3m未満に関しては、大きな規制が三浦市にはありません。
では規制が無いからなんでもありなのかって言うと、そんな事はありません。
私が頭を痛めている理由と言うのがこちら。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa3.jpg
すでにクライアントさんの方から送られてきている建物の希望配置はこの画になります。
ピンク色の線で上書きしている部分が、この土地の崖として見える部分となります。
クライアントさんとしては、崖になるべく近づける計画をしようと思っているみたいなのだけど、それがとっても厄介なのだ。
なぜなら。。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa4.jpg
この画像は以前に建てた方の基礎断面図になります。
設計GLから1280mmまで、基礎を掘り下げて造った基礎。
土留や崖に建物を支える強度が無い場合、この様に安息角の角度を出して、その深さまで基礎を深くする必要があるんです。
画像の基礎はまださほどの深さではないものの、今回の建築地の場合。
クライアントさんの希望する配置に建物を設定する場合、画像の基礎よりも2倍は深くなる基礎を造らなければならないと言う事なんですね。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa5.jpg
深さはさておき、この様な基礎を造る場合、真っ赤に塗りつぶされた大きさの型枠を組み上げて鉄筋を組み、コンクリートを流し込みます。
その型枠を組むためには、人が一人は入れないと作業が出来ません。
そのため、全ての寸法を検討すると1750〜1800程度の範囲を掘削する必要があります。
これだけでも、とっても大変な作業となるから、コストも安くはならないのです。
さらに。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa6.jpg
崖に関して指導を受けるのは、崖の安全性を確保する事になる。
この様に見てみると分かるのですが、崖の肉厚が少なくなれば。。
当然、崖は自立する事が出来ませんので、崖の崩壊に繋がります。
なので深い基礎を造るにしても、崖からの距離を離す事が必然的になる。
つまり高低差がある事によって、施行順序が分かる私から言わせると。。
むやみやたらと崖に近づけるものではない
となる。
そしてもう一つの問題である地盤改良工事。
私が敷地を歩いた感覚だと、元々は畑だったのではないかと思える土地。
歩いただけでも、しっかりと足跡が付く位、表面の土が柔らかいのです。
おそらく地盤改良の工事が必要になると思われるのだが、ここはコストも絡む話になる。
地盤改良工事はだいたい選ばれる改良工事方法が二つある。
1つは鋼管杭工法。
もう一つは柱状改良工法。
鋼管杭工法は支持層と呼ばれる堅い地盤まで鋼管を打ち込む改良工法。
堅い地盤まで鋼管が届いているから安全だよとも言える。
けれども支持層の深さまでしっかりと鋼管を打ち込まなければならない事から、比較的ハイコストな地盤改良工事とも言える。
そして割りとリーズナブルな改良工事は柱状改良工法。
これは直径450mmとか600mmの錐で、地面に穴を開けていきます。
そして現地の土と、流しこむセメントミルクを混ぜあわせて、コンクリートの柱を造るイメージ。
この場合、コストが安くなる理由があって、杭の直径が大きい事から摩擦の力を利用出来るのです。
当然建物の重さを計算するのだけど、支持層までは打ち込まなくとも良くなる場合がほとんど。
だからコストも安くなるのだけど、ここは大きな車がなかなか入らない。
ヘタすると柱状改良の専用車が、入らない可能性もある。
更に、崖の近くに基礎を設置する場合、これも柱状改良工法が選べなくなる可能性がある。
それは。。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa7.jpg
ご覧の通り、崖にも崖ではない方にも、柱状の掘削機から出る力が横方向に加わります。
これでは崖を破壊する事にもなりかねないので、柱状改良はおそらくNG。
つまり、地盤改良工事を行う上では必然的に崖を崩しにくい鋼管杭工法になってしまう可能性が高いのだ。
さらに。
miurashi-hasseimachi-wada-shikichi-chousa8.jpg
この配置からすると、赤い線を引いた部分は全て深い基礎になる。
そしてそれ以外の部分は普通の基礎。
この場合、なにが懸念されるかと言えば、建物の荷重が一定ではなく、偏心すると言う事。
片方だけが重たくて、片方だけが軽い。
これではバランスが取れないので、建築物として整合性が取れない可能性がある。
当然、構造を検討する必要があるのだけど、構造計算をすればするで、またコストは上がってしまう。
つまり、クライアントさんのやりたい事を成立させる為には、ハイコストから逃れられないと言う事になる。
ご予算的に余裕があるなら、ここまでの事をやっても良いのだろうけど。
おそらくそこまでの予算が掛かるとは思っていないだろうから。。
崖からは建築物を素直に離した方が。
収まるのでは無いかな〜っと思ったのであります。
と言う事で三浦市初声町和田|プランニング前の敷地調査。
神奈川県としては。
敷地の安全性。
建築士判断。
これしか言いませんが、その言葉の裏にはとてつもない難易度高目な、技術的問題があるんだって事を。
理解して頂くしか無いかと思います。


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この記事を書いている人 - WRITER -

Comment

  1. ウルワツ より:

    上記はハンドルネームです。
    やはり結構厳しいですか…(汗)
    大幅な発想転換も視野に入れて計画していくしかありませんね。
    引き続き、よろしくお願い申し上げます。

  2. 中尾建築工房 より:

    ウルワツさん☆
    やって出来ないと言う訳ではありませんが、コストがね・・
    むしろ車がぐるりと家を囲う形にすれば、太陽光の効率も悪くないでしょうし。。
    その方が良いかと思います!

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