横須賀市長沢プロジェクト|家の外観はどう決める?
現在、設計中のプロジェクトに横須賀市長沢の家があります。
こちらの家、現在は財務省所有の敷地外のやり取りを進める中。
意匠設計に於いては立面図も作成中。
実は家と言うのは、一つのプランニングが決まったとしても。
外観と言うのは、同じ平面図であっても。
屋根の掛け方。
壁の立ち上げ方。
軒の出し方。
それらによって、外観の印象が大きく変わる特性を持っています。
今回の場合、平面計画自体はこんな感じ。
コートハウスのコの字型と言えば良いかと思います。
本来、コートハウスと言えば庭の全てを壁で覆ってしまい、プライバシー製を高めた家になる。
中尾建築工房でのコートハウスの施工実績では、こんな感じです。
こちらの家は某市内に建つ、patioのある家。
中は。。
ご覧の様に4面が全て壁に囲われている完全なコートハウス。
中庭と言ったり、patioと言ったりの典型のプランニング。
コートハウスの特徴は、プライバシーが保たれるのが最大の特徴。
また、中庭でゾーニングが分断される事により。
回廊性も増すためUターンせずとも、そのまま進めば必ず同じ場所に戻れるって事。
そして、今回は完全に4面閉じだ形ではなく。
一部を開いたコの字型コートでプランニングを確定。
画像は1Fのプランニング。
さて、平面プランは決まったけど、この家独特の外観はどの様にするべきか。
一般的な設計では、この様な屋根を掛ける場合がある。
この屋根の掛け方は切妻屋根。
日本の屋根の多くは、この切妻屋根が採用されていると思います。
んー、ま。
悪くは無いのですが・・・
この家の場合、中庭上にはバルコニーを設置しています。
庇代わりになる跳ね出しのバルコニーを設置したのだけど、外観のシルエットを考慮するなら。
玄関の庇とバルコニーを繋げてしまった方が、デザイン的にもラインが通って引き締まる。
この場合は雨の降る日、窓を開けても雨は凌げるのがメリット。
その反面、中庭に落ちてくる太陽の日差しは遮る事になる。
あまり眩しすぎも良くはないけど、この屋根の掛け方にした場合。
期待した通りの中庭への採光性は、私が思っているほど取れないかもしれない。
であれば。
切妻屋根を採用するのではなく。
片流れ屋根にしたらどうなるだろうか?
これは中庭に向かって、屋根を掛けました。
このメリット、中庭に居ると想定して。
切妻屋根に比べ、中庭廻りの壁面が高く立ち上げられる事になる。
この壁面の恩恵がありまして。
コの字の中庭部分の外壁が、これだけ高くする事で。
より、南面からの光を中庭に落とす事が出来る事になる。
つまり、バルコニーの庇による影があっても。
中庭に落ちてくる光は、しっかりと取り込める事になるんですね。
また外壁の種類によっては、一部木製の板張りを希望されている。
木製の色合いとのコントラストを出すなら、外壁はツヤの無いホワイトがいい。
木製の板張りがここに来ても。
この屋根の掛け方なら、外壁面を増やす事で、リフレクターの代わりに光のシャワーも落とし込める。
さらに。
コストパフォーマンスを考えるとですね。
屋根の傾き(勾配)が同じなら、切妻屋根の方が若干コスパが良い。
でも、あえて屋根の傾き(勾配)を緩やかにしてあげる事により、コスパは変わらない(笑)
うん、これなら私も納得出来たので。
この立面図をクライアントさんに送るとしましょう!
と言う事で、家の外観はどう決める?
プランニングの特徴を活かす為にも。
あれこれ理由付けをして、決めて行くのがよろしいかと思いま−す☆
結構ね、意外としっかり考えてたりするのですよー(笑)