武藤 送別会での約束の品を作成中・・・
以前、中尾建築工房の設計スタッフとして在籍していた武藤との約束事がありました。
武藤送別会の際の記事パソコンの方
武藤送別会の際の記事スマホの方
ここまで時間が経っていると、蕎麦屋の出前の如く『今、やってます!』的な事になってしまうのですが。。
以前、秋田に行く事になった武藤の送別会で、なにか欲しいモノある?って事を聞いてみました。
そしたら、西井と雨宮が設計した箸置きが欲しいとの事だったんです。
武藤も西井も雨宮も、設計とは言えあくまでも建築設計のジャンルになります。
なので、武藤注文の箸置きってDesignがなかなか二人から出てこない。。
そんな事がありましたので、だいぶ時間が掛かっているのですが、昨日になって西井から私に箸置きのDesignが出来上がりました!
さっそくその内容を見てみると。。
方眼紙で書かれた画が、西井作の箸置きDesignになります。
その画通りに寸法を確認しながら、実際に墨付けをしたのが下の細い木ですね。
これなー、さすが木造軸組専門で設計をしている人らしいと言えば、人らしい。
木造軸組を建てる際に、かならず使われる仕口(しくち)で箸置きと箸置きを繋いでいくStyleになります。
でも、墨付けって言えば、中尾建築工房の場合、最低でも4寸角材で造ります。
それが15mm角で刻んで行かなければなりませんので、それはそれはー、目ん玉がほ〜そくなりつつ、目がしばしばしながらの作業になるんですね。
でもって、こんだけ細い作業なんて、監督には勿論出来ませんし、大工さん達も当然ながら嫌がります。
では、一体作図はしたけど、だれが造る?
結局、私がやる事になるんですよね(笑)
刻み作業に使う鑿(のみ)は新潟は燕三条の職人さんに打ってもらった鑿があるとして、ノコがあったっけかなぁ。。
私、現役で大工を退いた時、持っている道具のほとんどは大工さんにあげてしまったんです。
だから全ての道具が残っている訳ではないのだけれど、こうした細かい細工仕事に使うノコギリは、やっぱり七寸目位のサイズでないと、なかなかやりにくいんですよねぇ・・
あ
実はノコギリってのは、サイズが色々とあるんですよ。
私、七寸目とさっきは書きましたけど、普通は八寸、九寸、尺、位が一般的なノコギリのサイズになります。
八寸目は和室の造作材や、住宅の中では細かい仕事を一発で決める時に使われるノコギリのサイズになります。
そして九寸目って言うのは主に、普段使いや多少の細かい仕事にも使われるノコギリになります。
更に尺(しゃく)って言えば、木造軸組の仕口を刻む際に使われる際のノコギリのサイズ。
みな、それぞれに使い分けをするのが当たり前なのですが、こだわり始めると三本では足らなくなるんです。
なので私の場合はでっかい大梁なども刻めるために、尺一(しゃくいち)と呼ばれる超粗めのでっかいノコギリも持っていました。
その反対に、七寸目と呼ばれるより細かい仕上げに使えるノコギリも、もちろん持っていました。
共に二つのノコギリは、ノコギリ職人さんに特製で造ってもらったオーダーモノ。
やなんだよねー、道具に働いてもらう様なモノだから、安っぽい道具使うのには、なぜか抵抗がありまして、お給料のほとんどは大工道具に使っておりましたかねぇ・・
そんな訳で、まずは道具の整備から始める事になる、武藤送別会の際に交わした約束の箸置き。
私自ら、道具を引っ張りだして、ぼちぼちと刻んでいきたいと思いまーす(笑)
鑿だけではなくて、彫刻刀なんかも引っ張りだしたくなるサイズの造作ですな・・・