実家所有の旗竿敷地|過去の古家はあるものの・・・再建築は出来るのか?
土地と言えば、新たに購入するモノ。
または親御さん所有の土地を、相続として受け取るモノ。
いろんなパターンがあるかと思います。
今回、中尾建築工房ではなく。
他社様にて、プランを進めている方が居らっしゃいました。
けれども、プランニングに不安を感じて。
他の工務店にも意見を聞いてみよう。
と言う事で、中尾建築工房にコンタクトあり。
その当初の不安と言うのは、私の説明で払拭されはしたものの。
敷地をよくよく見ると。。
新たな問題を見つける事になりました。
いわゆる旗竿敷地と呼ばれる敷地形状になります。
旗竿敷地については、こちらのリンクをご覧頂ければと思います。
さて、今回の敷地は旗竿型。
旗竿が問題になるかと言えば、そうではなく。
厳密には、接道の問題になります。。
先ほどのブログリンク内でご紹介をしている通り、旗竿敷地の場合は接道が取れているか?
それとも取れていないかの問題になります。
今回の敷地は、それが微妙に足りなそう・・・
また登記簿謄本に記載された面積と、実際にある現況土地面積の差異。
実測した上で言うと登記簿上の面積よりも、10平米ほど面積が少なくなる事になるらしい。
そして実際の土地の大きさを示す地積測量図が無い。
他社様では、とりあえず現況測量図を作って。
あとはプランを入れて行きましょう!
登記簿いじるのやめましょう!
と言う事になってるらしいのだが。
中尾センサー、ピコーンッ!!
あ・や・し・い・・・
まずは接道の問題。
現況の測量図を拝見すると、どうも接道義務の2mを下回っている部分がありそう。
これ、業者さんのモラルにもよるのだが。
足りない部分を紙上でクリアにする事は。
おそらく可能かもしれない。
なぜなら建築確認を降ろす、特定行政庁や指定確認検査機関は。
確認済み証を発行する前に、現地へ行く事は無いからだ。
そして家が完成して。
完了検査の時には、この寸法が足りているかを。
検査員に求められる事になる。
その場で金物屋から購入した鋲を打ってしまえば。
それは問題無い事になるのだが。
これら一連の作業目的は。
今回の家を建てるためだけ。
に限って言えば、確かにそれで良いのだろう。
でも。
この土地と建物、どちらも子孫に渡る資産と捉えた場合。
それは、全く見解が変わって来る。
そもそも登記簿上では、10平米も大きな面積になっていて。
あるはずも無い10平米の敷地に対して、固定資産税を支払っている事になる。
これから何年、何十年、余分な固定資産税を払わすのか?
そして。
現況測量図のまま、建築を進めたとしよう。
この敷地のすぐ隣の家は、広い県道沿いに接道している。
国道や県道と言った公道は。
しっかりとした境界に則っている。
その隣地があり、隣地側が地積更正登記をしたとしよう。
その際、自分の敷地として2mあるはずだった。。
竿部分の距離が2mを下回ったとしましょう。
少し見にくいかもしれませんが、点線部分が隣家の地積更正登記をした土地の範囲だとします。
この時点で、今回該当する旗竿敷地に建つ家は。
隣家の敷地が、喰らい込んで来る事になるから。
建築基準法上、接道義務を満たしていない事になり。
ご覧の様に即刻、違反建築物扱いとなる。
自分たちが住む間、違反建築物のレッテルを貼られるだけならまだしも。
子孫に代々受け渡す資産と考えたら、いかがだろうか?
違反建築物扱いになった古家は。
中古住宅として、販売する事は出来たとしても。
住宅ローンを利用する買主には、選択肢から外れてしまう。
なぜなら違反建築物に、住宅ローンを融資する銀行など無いからだ。
となれば、買主はキャッシュで購入してもらう方のみが対象となる。
しかも、公募売買。
一般的な相場より、坪単価は5万円から10万円は売値は下がってしまうだろう。
さらに旗竿敷地。
これも正方形や長方形の敷地に比べて、なお価格は下がってしまうだろう。
最後にダメ押しの違反建築物。
違反建築物が建つ土地と言うのは。
そもそも、建て替えを出来ない土地になってしまう訳でして。
再建築不可となる訳だから。
ゴリゴリ値引きを強要されるのは、今の時点でも読み取る事が出来るのだ。
これらの事を知らないだけで、500万円以上は資産の目減りがすると言っても。
過言では無い状態になる訳だ。
ちなみに世の中には、この手の敷地を相場の半額程度かそれ以下で買い叩いて。
あの手この手で、儲けるブローカーが存在する事もお伝えしておきましょう。
であれば。
接道義務を満たしてないなら左右どちらかの隣地の方に、若干の土地を売ってもらう事を考えても良いでしょう。
条件が揃ったら隣地の方の立会いの元、地積更正登記を行って。
将来的に何ら不安の無い、健康な土地にした方が良いと思うのだ。
地積更正登記を行えば、法務局に登記される訳でして。
土地が小さくなったり、大きくなったり。
仮に隣家が地積更正登記を行っても、自分の敷地に影響は無い。
言うなれば誰がしっかりとした書類を持つか、早いモノ勝ちって事。
人間だって体にデメリットがあれば、病院に掛かるでしょう。
頭が痛いと患者が訴え。
何にも調べず、薬を出したり。
はたまた、手術したりするドクターなんて居ないと思う。
それと一緒で。
すでに将来的なリスクが、自分たちの目の前に浮かんだ訳だから。
先ほどのブログリンクにも、同じ事を書かせて頂いておりますが。
それを子どもたちに残したいと果たして思えるか?
と言う事なんです。
負の資産を子孫に渡したいなんて、そうそう思う事は無いでしょう。
けれども。
そのまま何も気にせず進めていけば。
思ってもいない、負の資産に変わる事にもなるよって。
今回はそういうお話。
他社様で地積更正登記を進めない理由は。
宅地分譲事業をメインとしてれば。
大きな土地を買い、小さく切って売り切る。
これが事業になる訳で。
土地を購入するのに、銀行融資を頼るでしょう。
そうすると、融資返済期日内に近隣の方に承諾を貰えないケースが多々あるから。
敢えて言わぬ方針なのかもしれませんね。。
ちなみにね。
地積更正登記は年内に完了させた方が良いですよ。
正月過ぎに敷地が小さくなってれば、新たな税金も安くなりますからね。
正月までに出来てないと、来年の税金は下がりませんですよー。
ピンと来たので、今回は連休中に見に行く事にしたんだけど。
久しぶりにこっちの海に来たんだよね。
ここはガキの頃、よく湾内を潜って。
釣り船屋の船頭には、マイク越しで怒鳴られたもんだったなぁ(笑)
それも今となっては。
それなりの大人になって。
自分も釣りをする様になったのだけど。
イカだけは自分で釣れる気、全くしないから。
小川丸さんで、沖干しを購入させて頂きました(笑)
今回は敷地の画像など、プライベートの都合上アップはしませんが。
立地は申し分の無い立地。
便利だし、何をするにも評価の高いエリアです。
それを、今回の家造りの経験で。
さらに活かせる土地に変える事が出来るのではなかろうか?
この様に、プロでないと分からない問題が多くあるこの業界。
最後に言うとしたら。
自分たちの建てたい家は、どの様な家なのか?
そして、それを創れる施工会社はどこなのか?
自分たちの財産を目減りさせない為には、どうすれば良いのか?
そこを良く考える必要があると思います。
結局は。
信頼出来る人を探せと言う事。
それが家造り成功の秘訣と言えるでしょうね。