リフォーム費用が高額になる前に読んで!契約前に覚えておきたい予算の基礎知識
そろそろ家も古くなって来たし、リフォームを考えてみよう。
せっかくリフォームをするなら、しっかりとやってもらいたいから費用も覚悟をしないといけないね。
その様に思って、リフォームの相談をする方がたくさんいらっしゃいます。
でも実際に依頼するとなれば、気になるのはリフォームの費用がどのくらい掛かるのか?
予算はどの程度覚悟すれば良いのか?って事ではないでしょうか。
そこで地元の元大工である中尾建築工房から、リフォーム費用を把握する為にも覚えておきたい基礎知識を、あなたにご紹介していきたいと思います。
1.リフォームは工事項目や設備のグレードで予算が違う
リフォーム工事の費用や予算は誰でも気になるモノですよね。
よく見かけるリフォームの費用は、パッケージ化されているモノが多いと思います。
ではどの様なパッケージがあるのでしょうか。
- キッチン、浴室、トイレ、洗面化粧台と言う設備の入れ変えだけなら300万円〜
- 部分的なリフォーム工事なら500万円〜
- 家を丸ごとリフォームするなら1050万円〜
- 家の間取りを変えてしまう様な大掛かりなリノベーションなら1570万円〜
これらをパッケージとして世の中のリフォーム会社では、リフォーム工事と言う商品を販売しています。
ここで覚えておいて頂きたいのは、全ての費用に〜が付いている事です。
新築の家でも同じ事ですが、リフォーム工事も〜が付いて回るのです。
この〜とは一体どう言った意味なのでしょうか。
リフォームをパッケージ化する為には、その項目ごとに積算の根拠となる材料の拾い出しをする事から始められます。
簡単なリフォームの積算をご紹介するなら、単純な6畳間の畳床からフローリングの板貼りに変更するリフォームの場合
- 畳撤去
- 畳下地撤去
- 床根太、大引、断熱材撤去
- 大引、根太組み
- 防腐剤塗布
- 床断熱材敷き込み
- 床下地合板貼り、フローリング仕上げ
- これらの建材を処分した際の産業廃棄物処分費
これらの材料と工賃を複合させた見積もりが、6畳間の床張替え工事の見積もり根拠として出されます。
ただし、ここで注意をしたいのが〜になります。
リフォーム工事で多くの場合に追加費用が発生するのが、開けてビックリとなる予想だにしない軸組の腐食です。
契約をしたのは6畳間の床張替え工事ですから、畳を外して、畳下地や床下地を解体した段階で、工事管理者から連絡をもらいます。
「柱や土台が腐食してますので、これらを修繕する為に○○万円の追加工事が必要になります。」
これがいわゆるリフォーム工事の〜の理由です。
開けてみないと分からないと言われてしまえば、確かにそうかもしれません。
水周りを入れ替えたいから、必要最低限の工事で契約をした場合も同じです。
解体工事が始まり軸組が腐っているのを目の当たりにして、あなたはきっと愕然する事になるでしょう。
土台も柱も入れ替えないと、予定通りのキッチン入れ替えが出来ない訳です。
しかも住みながらのリフォームであれば尚更です。
さらにすぐ返事をしなければ、工事が止まってしまいます。
あなたはゆっくりと考える暇もなく、リフォーム業者に言われた追加費用を支払うしかなくなってしまいます。
ですが何故すぐに、追加費用が明確に見積もり出来るのでしょうか?
実はリフォーム工事業者にも、想定されるであろうリフォームの追加費用がすぐに伝えられる様にシステム化されているのがほとんどです。
でもそこまで言ってしまうと契約してもらえないから、あえてそれは言わない様にする。
着工して初めて分かるので、リフォーム業者としては追加を取りやすい
この様なロジックが背景にあるのです。
つまり安く出来ると思って契約したにも関わらず、高いと思っていた業者の見積もりよりも、高額な金額を支払うリスクがあると言う事を覚えておいてください。
ですからリフォームを依頼する場合は〜の状態で契約をするのではなく、〜の無い状態で契約する事が大きなポイントになります。
2.〜見積もりを無くす為にはどうする?
〜見積もりを無くす為には、〜見積もりを行う業者に依頼をしない事が最大のリスク回避になります。
ここで確認をしておきたいのですがあなたは何故リフォームをしたいのでしょうか?と言う事もポイントの一つになります。
もしかしたら曖昧な状態で、ただリフォームをした方が良いのではないだろうか?
この様に思って、リフォーム業者に相談をしてはいないでしょうか?
もしそうだとすれば、最初に依頼をする業者を間違えていると言っても過言ではありません。
何故ならリフォーム業者は、リフォーム工事を販売する会社です。
あなたの家でいくらの契約を取るかを、目的として活動している業者なのです。
「あなたは本当に、リフォームをしたいのでしょうか?」
「それとも安心して住める家を、手に入れたいのでしょうか?」
ここを間違えてしまうと、リフォームの費用はドンドン上がってしまいます。
正直言って、費用がドンドン上がってしまえば怖いとしか言いようが無いと思います。
そこで私がお勧めをしているのは、リフォームを販売する業者には相談をしない。
と言う事です。
いきなりリフォームの販売業者に相談をしないなんて、驚いてしまうかもしれませんね。
ではどの様な業者に相談をするのが望ましいのでしょうか。
3.地域でしっかりとした仕事をする業者を頼ろう
ここまででリフォームの費用や予算については、○○万円〜と言う様な表示があったり、リフォームを販売する業者の存在が分かりました。
それらの会社は宣伝広告も大量に行いますし、営業戦略なども多岐に渡って行います。
ですから知名度は知らない人が居ないほど、認知をされているかもしれません。
ですがそう言った業者でリフォームを依頼した方が、泣く泣く追加費用を支払ったり。
年金を切り崩してまで払うつもりだった以上のお金を払って、後悔をしてしまいます。
仮にあなたがネットを使って業者の事を調べても、業者の悪い口コミを消す業者の存在もあります。
ですから、その様な場所に行かなければ良いのです。
では、あなたがたどり着かなければならない業者は、一体どこに居るのでしょうか?
それは地域でしっかりとした仕事をする業者を探す事です。
今のご時世、誰もがスマートフォンを持ち歩く時代になっています。
あなたのお住いの地域、リフォーム業者、と検索をすれば、グーグルからいろんな業者を教えてもらえる事でしょう。
そこで気になった業者に、相談をする事から始めてみてください。
くれぐれもグーグル広告に釣られるのではなく、オーガニックの検索に出てくる業者に相談をしてくださいね。
実際に会いに行って営業を受ける事が無ければ、その業者に相談をするのが望ましいです。
設計と施工を同時に行っている会社が、融通が利きますので最も良いかと思います。
信頼出来る業者はリフォームする前に、しっかりと家の状態を把握する事から始めます。
そしてリフォーム工事を行う上での、メリットデメリットの説明も必ず行います。
大掛かりなリフォーム工事を行う場合、事前の下見が大変重視されます。
- 雨漏りの形跡は無いか
- 漏水している箇所は無いか
- 結露が発生した形跡は無いか
- シロアリの食害が無いか
これらの事に対して、積極的にアドバイスをしてくれる業者は本物です。
あなたが依頼をしても良い、リフォーム工事の最良を提案してくれる事でしょう。
そしてこれらを同時に考え、且つ引き算で提案をしてくれる人を選びましょう。
単純に言えば松、竹、梅、と言う様にコストコントロールが出来る業者を選べば良いのです。
もしも竹プランで進めて予想だにしない費用が発生したとしても、どこかを梅プランに変更する事で予算オーバーになる事もないでしょう。
いかがでしょうか。
家のリフォームを販売する業者に行けば、後々になって追加費用が大きく発生して後悔する事にもつながります。
また信頼出来る業者は地元の業者がほとんどです。
地元で下手な評判があっては、それこそ活動し続ける事が出来なくなってしまいます。
そうならない為にも、地元の信頼出来る業者はしっかりとした説明やメリットデメリットをお伝えするのです。
ぜひ地元の信頼出来る業者を選択する様にしましょう。
4.築年数の時代背景にも注意を!
私は仕事柄、リフォームをした方が良いのか。
それとも建て替えを選択した方が良いのかを、定期的に相談を受ける事が多々あります。
たいていの場合が築年数を40年ほど経過した家に多いのですが、その多くの方々がすでにリフォーム業者からの見積もりを取っています。
その内容はたいていの場合、この様な形です。
- A社見積もり金額1400万円程度
- B社見積もり金額750万円程度
とても大きな金額差が出ていますよね。
初めてリフォームの見積もりを見る施主側からすれば、この様な金額差になってしまうのが理解出来ないのかもしれません。
なぜこの様な見積もり金額に開きが出るのでしょうか?
同じ工事項目であれば良いのですが、ここまでの価格差が出る場合はリフォーム工事の規模が違います。
さらに設備交換などの部分でもキッチンやユニットバスのグレードにも開きがあるでしょう。
しっかりと施主側の話を汲み取っているのであれば良いのですが、たいていの場合は自社商品の契約を優先してます。
安いから必ずしも良い業者ではなく、しっかりと話を聞いてない場合が多々有る事を覚えておいてください。
安い見積もりを提示する業者の場合、その多くは入り口価格と出口価格を用意しています。
釣り上げる前提の見積もりや契約内容ですから、最初は安くてこれなら良いと契約をしても、後から追加工事の連続になります。
後から施主が大変困る事例の一つです。
施主側としてはリフォーム業者にしっかりと説明して、見積もりの依頼をしている。
そう思っている方がほとんどなのですが、意外にも打ち合わせが成されずに見積もりの依頼をしている場合があります。
業者もしっかりと話を聞いてる訳でもなく、契約を取る為だけに集中をしている状態です。
面倒な事も避けたい業者の場合は、とにかく自己中心的な話ばかりで会話すら成立していない事が多いのです。
某財閥系の大手リフォーム会社の場合、追加工事は発生しませんと歌いつつも、オリジナルのガイドラインを設けています。
全部込み込みリフォームパッケージを行っている会社に多いのですが、ほぼ追加工事を請求出来るバッケージになっています。
ですから契約前なら良かった雰囲気も、工事が完了したらそれ以上の追加費用を請求されて、泣くに泣けない状態になってしまいます。
そして私のところにたどり着いた方で築年数が古い家の多くは、リフォームをしないと言う選択肢を選んでいます。
なぜリフォームをしないかと言うと、私の場合は必ず家の状態や時代背景の説明を行います。
■■築年数に裏付けされた時期について■■
時代背景を振り返れば納得出来る話なのですが、築年数40年以上を経過している家の場合はオイルショックが時代の背景にあります。
オイル・ショック(和製英語:oil + shock)とは、1973年(第1次)と1979年(第2次)に始まった(ピークは1980年)、原油の供給逼迫および原油価格高騰と、それによる世界の経済混乱である。石油危機(せきゆきき、英語: oil crisis)または石油ショックとも称される。OPEC諸国の国際収支黒字は1973年には10億ドルであったが、1974年には約700億ドルに急増[1]。一方、発展途上国向けの民間銀行貸し付け額は1970年の30億ドルから1980年の250億ドルに跳ね上がった[1]。世界各国はユーロ債市場から資金を調達した[2]。OECD加盟国は長期の固定金利債を起債することができたが、非産油途上国はカントリー・リスクのためにそうした手段がとれず、代わりに負担が大きい変動金利のシンジケートローンに頼った[2]。
Wikipediaより参照
オイルショックと言えば、トイレットペーパーが世の中から無くなった話などを聞いた事があるのではないでしょうか?
この時期の家々を現場の大工として、実際に触った来た経験が私にはあります。
無くなるのはトイレットペーパーだけではありません。
住宅の建材も同様に無くなってしまうのです。
作りたくても原油が無いので、作れないと言う状態に陥っていた時期でもあります。
その時期にしっかりとした工務店であれば、なんとか対応して良い家を建てているかもしれません。
ですがほとんどの場合はその様な家を建てるのでは無く、とりあえずその場しのぎの状態で家を建てているのがほとんど。
上質な素材で建てられた家はほとんど無く、とりあえず事業計画の通りに建てられてしまった家がほとんどです。
また無筋コンクリートで作られた家が圧倒的に多いのもこの時期です。
新耐震基準(1981年施行)以前の住宅では、基礎は無筋コンクリートが当たり前の様でした。
基礎の形式も、今時の様なベタ基礎では無く独立基礎です。
基準通りに守られている家は良いのですが、1 9 9 0 年代初め頃までの既存木造住宅の布基礎の多くは無筋コンクリート造です。
そして今住んでいる家の不安をお聞きすると、ほとんどの方がこの様な事を言われます。
「台風が来るたびに、家が揺れてとても怖いんです」
それは確かにそうですよね。
どうしてそれらの家が揺れてしまうのでしょうか。
- 無筋コンクリート
- 建材が消えた時代に建てている
- 地盤の調査もしていない
- 雨漏りや結露で軸組が腐っている
そこに1000万円以上のコストを掛けて、耐震性が上がるとはとても思えません。
私は元大工であり、一級建築士事務所を開設しています。
建設業の許可も特定建設業の許可を所有している、新築やリフォームを行う工務店の代表者です。
現場経験の多い人間の言う事ですから、そこに間違いはありません。
明らかに死に金になってしまうのは否めないでしょう。
ですから私の場合、生きたお金の使い道をされるなら、住み替えを提案する事もあります。
築年数が築浅の戸建てであれば、それらの時期に建てられた家々と違って耐震性も上がっています。
お子さんが巣立っているのであれば、さほど大きな家も必要無いでしょう。
よほどの思い入れがある場合は話が別ですが、予算を重視するなら住み替えの方が安全です。
築浅の家を手に入れて、そのまま住めるのであればそのまま住めば良いのです。
どうしてもリフォームをしたければ、必要最低限のリフォームをする事で無駄な出費も避けられます。
事前にしっかりとした業者に相談すれば、追加工事が発生するリスクも避けられる事にもつながります。
「それでは中尾さんにとって、仕事に繋がらないから本当に良いのですか?」
こんな事を聞かれる場合も多々あります。
私が相談を受けても仕事にならなくて良い理由があります。
正直言って私は「うちでリフォームをしてください!」って言うのが嫌なんです。
家がしっかりとしていて、リフォームをしても問題の無い家なら良いのです。
でも実際の家々を拝見させて頂くと、リフォームをした資金が死に金になってしまう事がほとんどです。
工事をすればその後のアフターフォローもありますので、施主との良好な関係を築く事も出来なくなってしまう可能性が高いのです。
ですからむやみやたらに、リフォームをお勧めする事はしていません。
ただ、この様な事を継続して行っていると、それらの方はリフォーム工事のリスクを回避出来て、とても感謝をしてくれます。
見返りを求めている訳では無いのですが、それらの方はお友達が新築やリフォームの計画している際に中尾建築工房を勧めてくれるのです。
ですから私はおかげさまで営業マンの様な行為をしなくても、実際に仕事に繋がってしまっている訳です。
よほどしっかりとした家でない限り、大掛かりなリフォームやリノベーションを検討してはいけません。
仕事に繋がらなさそうで、実際には長い時間を掛けて仕事につながってしまっていると言う理由です。
私のところには過去に家を建てたOBオーナー様から、クライアント様をご紹介して頂く機会も多いです。
OBオーナー様の顔を潰さない為にも、クライアント様のお金を無駄にさせない良い循環サイクルだと思っています。
5.まとめ
いかがでしょうか。
経験豊富な大工であれば、非破壊の状態でも建物自体のスキャンニングをする事が出来ます。
あなたにとって大掛かりなリフォームを選択するのは、一生に一度の大きな決断になると思います。
ぜひあたなの家の状態をしっかりと把握して、適切にアドバイスをする事の出来る業者にたどり着いてください。
大きなお金を使って死に金にならない為にも、活きたお金の使い道を選択してください。
絶対に完全定価制で追加費用が発生しないなんて、ありえない誇大広告に釣られてはいけません。
もしもあなたの周りにその様な業者が見つからない場合、中尾建築工房にご相談を頂いても構いません。
建築のスペシャリストとして、あなたのお金を無駄にさせない選択肢をご提案する事をお約束します。