初めてのマイホームなら木の家がお勧め〜地元大工が太鼓判を押す家をご紹介します
マイホームを建てようと決めた時って、結構勇気が要りますよね。
結婚をした時、お子さんが生まれた時、そこそこお子さんが大きくなって今の住居が手狭になった時など。
ほとんどの人が、何かしらのきっかけから、マイホームを建てようと思ってらっしゃいます。
でもマイホームを建てるとなれば、その費用はとっても高額です。
スーパーで売ってる食材とは、単価が比べ物になりません。
そこで地元で大工の棟梁を務めあげて、設計事務所と工務店の機能を持つ中尾建築工房から。
初めてのマイホームを建てる上で、大工が太鼓判を押せる木の家をご紹介したいと思います。
Contents
1.マイホームには構造別の種類がある
マイホームを建てる時に住宅展示場に行ってみると、構造別に種類がある事が分かると思います。
ハウスメーカー各社が、それぞれ自慢の構造をアピールしてますよね。
ではどの様な構造があるのでしょうか。
■マイホームの構造の種別
- 木造軸組在来工法
- 枠組み壁工法
- 軽量鉄骨造
- RC造
木造軸組在来工法は、もともと日本にある木造建築の代表的な工法です。
枠組み壁工法は2×4工法と呼ばれたり、2×4工法+薄い合板を両面に貼り付けた木質パネル構造もあります。
もともと国内にあった家ではなく、北米からの輸入された住宅の工法になります。
軽量鉄骨造は比較的ビックネームのハウスメーカーが採用している工法です。
重量鉄骨よりも軽い、軽量鉄骨にALCをなどをまとった家の工法です。
RC造はコンクリート製の住宅を指します。
ハイコストな為に住宅展示場では見かけなくなりましたが、コンクリート製の住宅もあります。
軽量鉄骨造もRC造も、比較的高額になりやすいのが特徴です。
それに比べて木造住宅は、100万棟の総戸数に対して常に50〜70%のシェアを持っています。
RC造でも軽量鉄骨造でもなく、木造の住宅が多く建てられているので需要の多さがわかると思います。
木造の中でも木造軸組在来工法は、将来的な増改築の面でも対応しやすい工法です。
メンテナンスも他の工法に比べて圧倒的に行いやすいですし、コストパフフォーマンスも良いです。
数種類の構造別に、マイホームがある事が分かりました。
軽量鉄骨は鉄で建てられますので、構造にサビが及びます。
RC造はハイコストになるので、頑丈に出来る反面金額も高いです。
子育て世代の方が家を建てるには、予算的にも見て不向きと言えるでしょう。
その中でも木造の家が経済的にも、メンテナンス性的にも良いと言えるでしょう。
ここで一つ覚えておいて頂きたいのは、日本は世界的に見て小さな島国です。
地震大国でもありますし、島国ですから周辺は全て海に覆われている陸地という特徴があります。
そんな日本国内に建てる家で木の家のマイホームを建てるなら、どの様な木造住宅があるのでしょうか。
2.国内で建てられている木造の家の種類
それでは国内で建てられている、木造の家の種類を見ていきましょう。
■木造の家の種類
- 枠組み壁工法
- ログハウス
- 木造軸組在来工法
これらの分類に分けられると思います。
私は大工の修行時代や現役大工の頃に、これら全ての木造の家を建てた経験があります。
木造の家を販売する側ではなく実際に自らの手で建てていた経験から、それぞれのメリットやデメリットを実際に知っています。
それぞれメーカーや工務店によって仕様は決まってはいるものの、たいていの場合は日本に建てる木の家としての対策がなされていないケースも見受けられます。
木の家にもそれぞれ工法や国産、輸入住宅がある事が分かりますね。
それでは順を追って、簡単な説明を進めさせて頂きたいと思います。
■木造軸組在来工法
木造軸組在来工法は、日本の中でも多く建てられている工法です。
日本の大工が建てる、お家芸的な工法でもあるでしょう。
■枠組み壁工法
木造の輸入住宅です。
北米から伝わったこの工法は、別名で2×4工法とも言われます。
簡単に建てる事が出来る事、気密性が高くなる工法として輸入される様になりました。
■ログハウス
ログハウスは国内モノもありますが、その多くが輸入に頼っています。
総ログの場合もありますし、ハーフログの造りもあります。
こられは全て木を使って建てられているマイホームになります。
まだこの段階では、どの工法を選んで良いのか分からないと思います。
それではここから実際に建てていた大工の立場から、それぞれの工法を超詳しくメリットデメリットを説明しますから、しっかりと付いてきてくださいね。
3.枠組み壁工法(2×4工法)のメリットデメリット
構造自体は割と簡単で、材料も少なく建築をする事が出来ます。
日本に入り出した頃は、大工見習いでも建てる事が出来たり、夫婦の大工で建てている家もありました。
一人前の大工でなくとも、ただ釘を打ち付けて固定をしていく工法です。
強いて言えば直角を見ながら建てる程度で、大工としての難易度はほとんどありません。
実際に私が見習いに入って1年半程度で、一棟の枠組み壁工法を任されて建てられるほど簡単な工法です。
それでは枠組み壁工法のメリットデメリットを見ていきましょう。
- 生産性に優れている
- 耐震性が高い
- 材料代が節約出来る
- 工期が短い
枠組み壁工法のメリットは、先ほども述べた様に施工が簡単で生産性に優れています。
輸入元の北米などでは、ホームセンターに材料が販売されている為、修繕なども家のお父さんでも出来てしまいます。
壁のパネル、床のパネル、屋根のパネルを、面で一枚と捉えて建てます。
面には合板を貼りますので、骨組みは釘で打ち付けただけで固定されます。
最終的には全ての面に合板を貼りますので、比較的耐震性が高くなります。
材料に関しても、比較的リーズナブルなSPFと言う輸入材を使います。
部材も在来工法に比べて薄かったり幅が狭かったりしますので、材料代の節約も出来ます。
技術のある無しに関わらず、簡単に施工が出来ますので、スピーディな工期である事も特徴です。
- 工事中は雨にずぶ濡れになる
- 後々リフォームしにくい
- 間取りの自由度が低い
- 壁の中で結露が起きやすい
さらに詳しく、デメリットをお伝えしていきましょう。
枠組み壁工法はもともと北米の家です。
北米では雨が少なく、日本ほど湿気がありません。
ですが日本は海に囲まれた島国ですし、梅雨時期や秋雨前線の時期には大雨が降ります。
作り方としては在来工法に比べて、全く正反対の床から造って行きます。
1Fの床→1Fの壁→2Fの床→2Fの壁→屋根垂木→屋根張り
ご覧の様に屋根を造るのは、一番最後になるのが枠組み壁工法の特徴です。
枠組み壁工法は下から順に作って行くと説明を差し上げました。
つまり建て方期間に雨が降れば、濡れっぱなしになると言えます。
合板は水分を吸収しますし、SPF材も日本の木に比べて密度が粗い為に水には強くはありません。
つまり雨には弱いですから、あまり日本に向いている家とは言い難いです。
後々リフォームをやりづらいのも特徴です。
壁を面で捉えてますから、壁を抜いてリフォームする事等が出来ません。
出来る事とすれば、壁を増やして行く程度になります。
間取りにも自由度がありません。
広い空間を作る事は出来ますが、あって欲しくない場所に小壁を設ける等が必須になります。
外壁の隅角部分に窓を設けたくても、壁量の都合から窓を付ける事が出来ません。
また大開口の窓を設ける事も出来ませんので、プランニングに制約が付きまといます。
壁の中で結露が起きやすいのも、枠組み壁工法の特徴です。
2×4工法では土台の上に床パネルを敷いて、その上に壁パネルを載せます。
常にパネルを重ねていきますので、在来工法に比べて気密性が高いです。
その分、壁体内での結露が起きやすいのも特徴です。
結露対策が為されいない枠組み壁工法の家の施主から、相談を受ける事も実際にあります。
- とにかくコストを抑えたい
- あまり家には興味が無い
- 家と言う名の箱があればそれで良い
- 家の中の不便は仕方が無い
私も大工の修行時代には、2×4工法を建てていた経験もあります。
実際に造っていた経験から言える事は、ホームセンターの家と言う感じです。
パネルを造る際、スタットと呼ばれる柱の様な木材の小口に釘を打つ場合が多々あります。
小口に釘を打っても、釘が効いている感じがしません。
釘を打った反対側を叩けば抜けるくらいなので、骨組みと合板を釘で打ち固めた印象しかありません。
また私が独立してからの雨漏りや、結露による腐食で相談で多いのも枠組み壁工法です。
必要以上に重たい窓を設けた事によって、外壁側にスタット(柱の事)が大きく撓んでしまいます。
また直張りでの石を貼られた外壁などは、壁体内で結露を起こしていました。
こうなってしまうと、外壁を全て剥がしてやり変えるしかありません。
それ以外に水を止める方法がありませんので、外壁の全てを剥がせないなら請負切れませんとお伝えした現場もありました。
新築時にとても高額な費用を払っているとの事も聞いてましたが、あまりの無知識な工務店業界を情けなく感じた経験です。
そんな経験がありますから私は枠組み壁工法を建てる事は出来るけど、オススメするかと言えば絶対にしません。
構造の素材として採用されているSPF材も、耐久性のある素材とは言えません。
ウッドデッキを造れば分かるのですが塗装のメンテナンスをしないSPF材のデッキであれば、2〜3年で壊れてしまいます。
塗装を毎年続けたとしても、10年まではもたない材料です。
そんな過去の経験と理由から、お勧め出来るほどの自信が私にはありません。
どうしても枠組み壁工法で建てるなら、他社様での建築をオススメしている次第です。
実際に建てた現場からの声です。
枠組み壁工法を良いと言う方も居るでしょうが、現場を知らない人が言う言葉なのかなとも思います。
4.ログハウスのメリットデメリット
ログハウスを建てる時、材料だけでもかなりのログ部材を使用します。
ログハウスも下請け時代に、何棟も経験をしました。
作業自体は簡単なのですが、とにかく時間の掛かる家だと思います。
家全体を順序良くログを積み上げて行くのですが、やってる割には進まないのがログを建てた頃の印象です。
ただ積み上げて行くのを続けるだけなので、技術よりも体力を要する家だと思います。
大工の視点から言えば、ログ自体の乾燥度合にもよりますがセトリングを起こす事が怖い建物です。
- 木の風合いが良い
- 断熱性が高い
- 温かみがある
ログハウスはその名の通りに、一本のログを何本も積み重ねて建てる家です。
見た目にも全て木ですから、その風合いはとても良い印象を受けます。
まるごとの木を一本単位で積んで行きますから、断熱性もあります。
木はコンクリート様に蓄熱しませんので、むしろ断熱性があります。
ログを積み上げて、室内から見た入り隅部分などは隙間から外から見えたりします。
それでも外が寒いのに、ログハウスの中はとても暖かいのが特徴です。
実際に温かみがあると言うより、本当に温かいと思います。
- 工事中は雨にずぶ濡れになる
- セトリングを起こす
- 自由な設計が出来ない
- 外壁の塗装を切らしてはいけない
- 建具や窓の開閉に不具合が出る
- 木の反りや割れが起きやすい
- 虫が寄りやすい
- 法令による規制が厳しい
枠組み壁工法に比べてログハウスは、さらにデメリットが多い様に思えます。
先ほど枠組み壁工法のデメリットで、こんな事を記載しました。
日本は海に囲まれた島国ですし、梅雨時期や秋雨前線の時期には大雨が降ります。
作り方としては在来工法に比べて、全く正反対の床から造って行きます。
やはり気候の違う国の建物になりますので、日本の雨季を考慮した家と言う訳ではありません。
ログも枠組み壁工法と同じで輸入住宅です。
ログを扱う会社は様々な会社がありますが、どこも日本の様な梅雨や秋雨前線の多い国ではありません。
気候も島国の日本の様に、湿気もさほど無いのがほとんどです。
それだけに床から先行してスタートしますので、やはり肝心の屋根は最後になります。
工事中は当然ですが、雨にずぶ濡れになります。
ログハウスで何より厄介なのは、セトリングだと思います。
セトリングは積み上げたログが、それぞれ下りきってないところから徐々に下がり始める事を指します。
ログ全体が同じ条件で、同じ寸法値で下がってくれれば何も問題はありません。
ですが実際にはその様な事はなく、各壁ともバラバラに下がってしまいます。
集中的に下がりやすいのが家の中心部です。
外壁面に比べて、室内部分には屋根の荷重が集中的に掛かります。
そのため、セトリングによる下がる頻度が多いのです。
家の中心部が下がると言う事は、屋根の真ん中も下がると言う事になります。
水平を保てなくなったログの棟は、低い方へと水が回りますから雨漏りの原因にもつながります。
またセトリングによる影響は、外部の窓にも影響します。
木製サッシを入れて、ログとの取り合いはコーキング処理になります。
セトリングでログが下がりますから、コーキングにも変化が起こります。
コーキングが耐え切れないほど下がってしまえば、コーキングだって切れてしまいます。
そうなれば室内に水が回ってくる事にもつながります。
ログにはプランが決まっているか、ある程度のプランの中から間取りを選ぶ形になります。
ログの構造上、何でもかんでも自由に出来る訳ではありません。
仮に自由に間取りが設定される場合は、かなりの高額なコストアップも想定されます。
外壁自体もログですから、木を表した仕上げになります。
木材を塗料で保護してあげないと、耐久性も下がってしまいます。
塗料の性質にもよりますが、高性能な塗料を定期的に塗装する事で耐久性を保ちます。
安い塗料なら2〜3年に1回、高性能な塗料でも5年に1回は塗装をする形となります。
これもセトリングが関係しているのですが、扉や窓の開閉に不具合が生じます。
ログが完全に下がりきるのに、地域の気候にもよりますが3年以上は掛かります。
その間は建具や窓の不具合は致し方ありません。
あまりにもひどい場合は、建具職人に削ってもらったりする場合もあります。
気候の変化が大きければ、ログには反りや割れが起こりやすいです。
もともとのログは乾燥材を使っているでしょうが、その場が常に湿気の多い場所であれば湿気を吸収します。
常に外部に露出されてますから、湿気を吸収したログは膨らみもしますし、乾燥すれば縮みもしますし割れや反りも起こします。
つまり気候の変動をまともに受けやすいとも言えます。
自然な木の香りがしますから、虫も当然寄りやすくなります。
家に居て森に住んでいる様な印象を受けると、聞こえも良いのでしょう。
ですが実際に家の中に虫が居るのを、受け入れられる女性は少ないのではないでしょうか。
建築基準法で定められた地域では、防火や準防火地域があります。
ログで特別に燃えしろ計算をしてないのであれば、これらの地域でログを建てる事は出来ません。
つまりログハウスを建てるなら、地域に制限が掛かってしまうとも言えます。
- ログハウスに昔から憧れていた
- 家のメンテナンスは率先して自分でやりたい
- ログハウスのデメリットは全て受け入れてでも建てたい
- 完璧なモノなんて世の中には無いと思える
私の経験値では、ログハウスの良い印象はあまり受けませんでした。
むしろ悪い印象しか残っていません。
ほとんどが輸入材になるのですが、外国から出荷される際にコンテナに部材を詰め込みます。
そのまま出航する事は無く、消毒液を噴霧する事になります。
そして海洋上でのコンテナ温度は70以上にも登り、コンテナ内は蒸された状態です。
それを港に下ろして現場に配送されると、私たちがコンテナを開ける事から作業が始まります。
実際にコンテナのドアを開けると、蒸された消毒液の匂いが強烈に残ってます。
開けた瞬間、現場では20m走くらいの勢いでコンテナから離れます。
しばらくドアを開けて換気しない事には、私の様な職人でもコンテナの中にも入れません。
実際に建てた経験のある大工の意見としては、ここまで消毒液を噴霧された家に住みたいかと思えば。
ログ好きな方には申し訳ないのですが、正直言って住みたいとは思えません。
ログハウスで採用されている木材の多くはパイン材です。
樹種的には下記の材料があります。
- スプールス
- 北米パイン
- ダグラスファー
- レッドシダー
- 北欧パイン
- 杉
ログハウスの依頼先によって、材料が選べる、選べないと言う事があると思います。
唯一杉材でログを造っているのは、国産のログハウス会社です。
この中で一番柔らかいのはスプールスや杉になります。
腐りにくいのはレッドシダーになるのですが、結局はコストの都合もあります。
その上で北米か北欧のパイン材になる事が多い様です。
ここまで国内で建てられている木造の家を、二種類のメリットデメリットをご紹介させて頂きました。
それでは私の様な地元で大工を経験した職人がお勧めする家をご紹介しましょう。
5.家を建てるなら木造軸組在来工法の木の家を建てよう
日本は森林資源があり、周辺を海に囲まれている島国です。
お寺に採用出来る様な高級な木材は少なくなりましたが、一般的な住宅を建てる素材としては十分な供給量があります。
では私が木の家をお勧めする理由をご説明をしていきますね。
日本には各地に立派なお寺が、今もなお残り続けています。
例えば法隆寺を例にあげてみましょう。
法隆寺は607年に聖徳太子が建てたと言われる、最古の木造建築物と言われています。
火災で焼失があったものの、今でも1300年以上の歴史を誇る日本初の世界遺産です。
それでもこの長い期間しっかりと残っているのは、木造の耐用年数をはるかに超えてしまっていると言う事になります。
実際に無垢の木材で建てられた法隆寺は、常に宮大工がそばに居てメンテナンスを怠ってはいません。
最後の宮大工と言われた人間国宝の西岡常一棟梁は、どんなに貧しい時でも法隆寺以外の仕事はしませんでした。
宮大工としてのプライドを持ち、法隆寺のメンテナンスのために居続けておりました。
つまり良い素材で家を建て、大工がしっかりとメンテをする事で、木の家の寿命はどこまでも伸びると言えます。
ですが一般の方が家を建てるのに、お寺の素材の様な木材で家を建てれるかと言えば、正直なところ無理があるでしょう。
さらにお寺に関して言えば、断熱性が全く無いのも特徴です。
今のご時世で断熱性が無い家に住みたいかと言えば、間違いなくNOだと思います。
であればしっかりと適材適所に無垢の木材を使い、断熱性を確保する事で長持ちする家を手に入れる事が出来ます。
それでは日本独特の木造軸組在来工法の、メリットデメリットをご紹介したいと思います。
- 日本の風土にあった工法である
- 土台を敷いたら1日で屋根まで出来上がる
- 建てる際の自由度が高い
- 開口部を大きく取る事が出来る
- 部分的な修理が可能
- リフォームやリノベーションの対応度合いが高い
もともと日本の家は、木造では在来工法があるのみでした。
ですから施工を請け負う工務店も、輸入住宅は出来ないけれど在来工法は出来ると言う工務店が多いのが現状です。
造り方も日本の風土をしっかりと理解した造りである事から、今もなお枠組み壁工法に比べて圧倒的に建てられている工法です。
木造軸組在来工法は、昔であれば墨付け刻みと言って大工が作業場で柱や梁を加工します。
その部材を現場に運べば、1日で構造と屋根までが完成してしまいます。
乾燥材を採用しておりますが、なるべくなら濡らしたくないのが信条です。
一気に1日で屋根まで完成させる為に、下準備は大変ですが日本の風土に合っている造りとも言えます。
現在では墨付け刻みよりもさらに人件費の掛からない、プレカット工場による加工が主流になっています。
木造軸組在来工法は壁量を筋交いなどで計ります。
しっかりと壁量が確保出来さえすれば、比較的設計面での自由度も高くなるのが特徴です。
構造計算上で壁量が不足する様であれば、全体のバランスを見て弱い壁量部分を補強する事も可能です。
バランスの問題もありますが、開口部を大きく取る事が可能です。
大きな窓を入れる上の梁には、梁成のある材を入れる事で可能となります。
開口が少ない部分の梁成は小さく出来たりもしますし、私の様にそのまんま大きな梁で入れる事も出来ます。
在来工法は修繕がしやすい家とも言えます。
各部屋の床を張り替えるのも、下地から変える事も出来ます。
それぞれ点検がしやすい様に工夫をして建てる事で、後々の修理にも対応します。
リフォームやリノベーションの対応するのも、木造軸組在来工法の特徴です。
柱の位置、梁の大きさ、それぞれバランスを満たす事が出来れば、用途変更を伴うリノベーションだって可能です。
柱を抜く場合は、次の柱と柱の間に大梁を入れて支える事で、合って欲しくない柱を抜く事も出来ます。
私の友人が購入した築年数60年を経過した家を、1F丸ごとリノベーションした経験があります。
あれから18年が経過してますが、全く問題なく友人は住んでおります。
木造軸組在来工法には、大変メリットがある事がわかりました。
それではデメリットも併せて見ていきましょう。
- 建てる大工によって腕の差が出る
- 工期が長い
- 依頼先によっては品質にバラツキも出やすい
- 造り込むほどコストが高くなる
木造軸組在来工法は日本古来の工法です。
それだけに大工の腕の差は、はっきりと出てしまう工法とも言えます。
割と細かい大工さんの方が繊細な仕上げを得意とし、大雑把な大工さんは荒仕事を得意とする傾向があります。
それぞれの大工さんが役割分担出来れば良いのですが、一人の棟梁にコツコツと作ってもらう方がクオリティは高くなります。
木造軸組在来工法は注文の内容が多ければ多いほど、工期が長くなりやすいのが特徴です。
逆を言うと注文の内容が薄ければ、工期を詰める事も出来ます。
例えば外周部分は石膏ボード+仕上げ材にして、内部の柱や筋交いを表し仕上げにすれば仕事量も減ります。
その分の工期は短くなりますので、やり方次第で工期が詰められるのも大きな特徴ともいえるでしょう。
どの会社でも木造軸組在来工法を扱っている反面、どの会社でも一定の品質になる訳ではありません。
それぞれ設計がプレカット会社、大工に協力業者、これらのチームワークがはっきり出てしまうと言えるでしょう。
少なくもなく、多くもなく、一棟一棟の家をしっかりと建てている依頼先なら問題もありません。
ですがなんでも丸投げをする依頼先であれば、管理をする人も居ないでしょうからクオリティを維持する事は出来ないかもしれません。
在来工法は和風でも洋風でも、造り込めば造り込むほど大工や協力業者のコストが上がってしまいます。
壁の量も柱が100本で完成する家もあれば、同じ床面積でも200本を使う家では大工や壁の仕上げにコストが掛かってしまいます。
工期の部分と連動しますが、仕事量が多ければコストも上がり、仕事量が少なければコストも下がる工法とも言えます。
- 住宅ローンを背負うのでしっかりとした家を手に入れたい
- 老後にも柔軟に対応出来る家に住みたい
- メンテナンスも極力無い様に作りたい
- こだわりを家に詰め込みたい
- 楽しみながら家を建てたい
木造軸組在来工法で建てる際の素材は無垢材と集成材に分かれます。
私は無垢材で建てる在来工法の専門家ですから、集成材はあまり興味がありません。
どうしても無垢材では構造計算上成立しない時のみ、集成材を使う程度です。
無垢の構造材については下記の材料があります。
- 杉(柱・梁)
- 桧(土台・柱)
- 松(柱・梁)
- ヒバ(土台)
- 栗(土台)
こうやってみると、他の木の家に比べて様々な樹種が部位別に選ばれている事が分かります。
木造軸組在来工法は、適材適所に部材を選ぶ事でコストコントールも出来ますし、材によっては使ってはいけない部位もあります。
それを知ってる大工や工務店が、それぞれ仕様を決めて行きます。
昔からある大工の知恵を、しっかりと後世に残している家ですから日本の風土にあった木材だけで建てられています。
木造軸組在来工法で建てる場合、この様なメリットデメリットがわかりました。
私は元大工の観点から、日本の風土にあった木造軸組在来工法をお勧めしています。
適材適所に部材を選定して、しっかりとした軸組を建てる。
雨漏りや結露も無い通気の工夫をして建てる事で、お寺の様に夏暑くて冬は寒いと言う様にはなりません。
しっかりとした木造軸組在来工法を選ぶ事が、あなたにとって最も重要だと思います。
6.まとめ
いかがでしたか。
日本は木の家に住む事で、木の本来の持ち味である調湿を利用して多くの家に採用されて来ました。
良い部分はそのまま残し、悪い部分をしっかりと今の時代に対応出来るのも可変対応可能な木造軸組在来工法の良い部分です。
ぜひあなたの建てたい地域の工務店で、木造軸組在来工法を建てる専門家を頼ってみてください。
木造軸組在来工法は、元大工の私が太鼓判を押せるマイホームを建てる工法です。
もしもあなたが神奈川県内で、家づくりの依頼先がない場合は中尾建築工房にご連絡ください。
私は大工から独立して創業しましたので、住宅メーカーの様に営業を教えて貰った事がありません。
そのかわりにご相談を受ければ中尾建築工房で建てなくても、しっかりとあなたの家づくりの道筋を立てて差し上げる自信はあります。