乾燥材だったはずの杉無垢板がまさかの未乾燥・・
昨今の建物の木材。
多くは、乾燥材が使われています。
乾燥材はKD(ケーディー)
乾燥してない材はGR(グリーン)
こんな感じで業界では呼ばれております。
さて、乾燥材と未乾燥材。
木材として、どの様な部分に問題があるかと言えば、こんな感じ。
水分を多く含んだ木材の場合、変形するおそれがあるんですね。
昔は当たり前の様に未乾燥材が構造に使われておりました。
その素性や木目の特性によって捻れたり、反ったりするんです。
強烈に含水率の高い材料を使った場合、木材の伸縮なども起こりえます。
つまり仕上げたとしても、後から変形するって事になります。
これが未乾燥材なのですが、私達の様な大工から言わせると生木(なまっき)と呼んだりします。
乾燥材の場合は、人工的に乾燥させた材。
そしてじっくりゆっくり、風通しの良い日陰で乾燥させる天然乾燥の材。
この二種類があります。
構造材などの場合は人工的に乾燥させる形を取ります。
そしてテーブルに使われる無垢板の木材は、倉庫で天然乾燥させるケースがほとんど。
天然乾燥が良いと言う風潮は、木材の色味が良いと言う事。
人工的に乾燥させると、やや木材の色味が黒味を帯びてしまいます。
そんな理由から、魅せる木材として使われる用途の場合、天然乾燥が主として使われているんですね。
そして今回、某現場に搬入する為の杉無垢板を大工さんに削ってもらいました。
綱雄棟梁と木材の割れ部分を確認しながら、少しずつ無垢板を削っていきます。
そして板の捻れを取りながら、厚みを電気鉋で落としていくと。。
乾いている部分と水が吹き出している部分がまだらの様になっているのが分かります。
これを更に更に削っていきますと・・
これほど水分を多く含んでいる場合、抜け方にもよりますけど1〜2年は風通しの良い場所で乾燥させないと、使いモノになりません。
乾燥材と言う事で新木場から購入してきたのですが、さすがに芯がここまでズブ生だと・・
もう、どうにもなりません。
問屋さんにはこの内容を連絡して、新しい木材に変えてもらう事になりました。
私も長年大工をやっておりますが、テーブル用の無垢板で、ここまで含水率の高い板は初めて見ました。
杉の割には随分と重たいなとは思ってたけど、単純に生木だったんじゃん・・
乾燥材として購入した杉無垢板がまさかの未乾燥・・
あり得ないけど、あり得てしまった無垢板でした。。