中尾建築工房|ちょいと変わってる建築工房 創業の理由
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なんだか1月に入ってから、怒涛の勢いでご相談の方が中尾建築工房に訪れてらっしゃいます。
先週末も来られてますし、平日は月、木にも土地購入前の相談。
そして今週末にも。
また、ご相談の方がいらっしゃる予定です。
住宅業界は、決して好景気と言える状態では無いこの時期にして、大変ありがたい事なのですが。
中尾建築工房は、一般的な建築設計事務所、一般的な工務店ではありません。
業界特有な一般的の枠の中には囚われずに。
私が思いつくままのやり方で。
ここまでの道を歩んで来た建築の工房です。
だから。
『なんだか他の会社とは、雰囲気が全然違うんですね。。』
と言われた事が、今年に入って何度かありました。
そこで中尾建築工房が出来た理由を、本日はお話をしてみようかと。
実は私には設計に関して、施工に関して。
師匠と呼べる方が居ないのです。
通常、この業界で独立をする場合。
どこかの建設会社や建築設計事務所を何社か経験して、独立する方は独立をするのだと思います。
私の場合は、これが無いんですね。
だから一般的な枠には、入りようにも入らないって訳。
そもそも、そういった場所に行ってないから常識すら知らないし。
では、どうして独立をしたのかって言うと。
元々私は、実際の現場で作業をする大工の棟梁でした。
大工ですから、木拾い(きびろい)と言って、材料を数える事も出来ますし。
使って良い材料、使ってはいけない材料もはっきりと分かります。
さらに。
実際に現場で作業をしていたので、仕事量に応じて段取りをする事も出来ました。
私は大工工事専門の工務店(建設業許可無しなので、元請けもやらない工務店)にて大工修行をしていたので。
仕事は建設会社から大工工事だけを親方が受注して、その現場を担当するのが私と言う形だったんです。
当時の建設会社の現場監督は、仕事を知らない方がとっても多くて。
私の現場は、いつも私が段取りをしていたのです。
ぶっちゃけ話をすると、当時の監督はサボって寝てるか、飲み屋の話か、ギャンブルの話をしに現場に来る程度。。
その後、当時の監督も独立して会社を興しましたが、5年も経たないうちに消えて居なくなってしまいました・・
そんな状態でも、現場で作業をこなす職人同士は仲が良いですから、いかに無駄なく工程を回して。
そして自分の木工事も、円滑に進める様にしていたのです。
そんな事を続けて来たせいもあってか。
自然と、無理なく建設的に。
仕事を進める癖が付いていたんですね。
ここまでは、正直言って独立する気なんてありませんでした。
木造軸組の在来工法専門の大工として、一人前の棟梁になりたかっただけでした。
ところがある日、私が作業をしている現場の近くで。
一人の主婦っぽい方が、電柱の陰に隠れてこちらを見ている事があったんです。
結構離れた所から、電柱の陰に隠れて見てる感じでした。
最初は私も知らないフリをしていたのですが、だいたい同じ時間に現れていたんです。
「もしかしたら、この家の施主さんなのかな・・・」
そう思った私は、こちらからお声掛けする事にしました。
やはり、施主さんだった様でして。
ご自身の家なのですかから、どうぞゆっくりと中に入って見て下さいと告げたら。
どうやら元請けの建設会社とトラブっているらしかったんですね。
それこそ、契約当初は。
「1500万円で、お客様に限定モデル住宅商品○○○○が当たりました!おめでとうございます!!」
そして電話口の後ろでは、拍手のオンパレード(笑)
有頂天になってしまった施主さんが、これはお得だと契約してみたら。
詳細な打ち合わせに入って、あれも追加、これも追加、すべてオプションになります。
つまり、施主様は騙されてしまった感触があったらしく。
建設会社に不信感を持たれている様だったのです。
※数十年前は、この手の住宅販売ノウハウがありまして、たくさんの建設会社がこの手の商法を使っていたんです。
安く契約して、後からしっかりと吊り上げていくセコい商法ですね。
戦略は変われど、結局吊り上げていくのは変わらないので、未だに業界自体はセコいやり方なのは変わりませんねぇ。。
そんな話を聞いた事がありまして。
私には元請け会社に文句を言う立場にありませんでしたが。
その施主さんには、私が現場に居る間はしっかりとやりますから、いつでも見に来て下さいと告げました。
なんでこんなに理不尽な事が、建設業界では当たり前の様になっているんだろう・・
そう思った私は。
その頃から、少しずつ元請けになる事を意識する様になったんですよね。
俺だったら、そんな事は絶対にしない!
そして大工の親方として独立したのは、今から17年前の29歳の頃です。
工務店をやめる最後の現場で、3Fから転落をして首の骨を折りましたが(笑)
それでも4ヶ月後には、独立をして現場復帰出来ましたよっ!
それからはありがたい事に、友人伝いや職人さん繋がりの紹介があって。
仕事に困った事はありませんでした。
ところが、元請けになると言う事は。
私が現場で作業をしていたら、施主と打ち合わせをする人が居ませんでした。
私一人で中尾建築工房は始まりましたから、私が現場に行くと打ち合わせする時間が取れないのです。
なので、無理してでも日中も、夜も。
ハードワークでしたが、なんとかやりくりしてました。
そして独立をしてから数年後に、現場で作業する事を完全に止めたのです。
この時ははっきり言って、すっごいビビったのを覚えています。
大工の棟梁ならいざ知らず、自分の腕を発揮させる道具の全てを置いて。
紙とペン、パソコンでの仕事になりましたので(笑)
もう完全に土俵が違うんですね。
そして建設会社に勤めた経験は無い訳ですから。
ノウハウやら、どこから始めて良いのか分かりませんでした。
当然ですけど、親方に聞いても。
大工専門の工務店ですから、親方だって元請けの建設会社のノウハウは無い訳です。
だから、私は私なりに。
あーじゃない、こーじゃない、こうなんじゃない・・・か?
と。
ずっと、手探りでここまでやって来たんですよね。
そんな経緯がありまして。
私は私なりのオリジナルなやり方を通して来ました。
だから、一般的な工務店のやり方は知らなかった訳なんです。
後から、ある程度は知りましたけどね(笑)
そう、だから一般的な工務店とは全く。
真逆のやり方を通して来た訳なんです。
現場の大工棟梁としてのノウハウと。
やる事はやる。
言うべき事はしっかりと言う。
絶対に人をだまさない。
これ位かな、今までずっと守って来たのは。
大工として独立して、あれから17年。
現場仕事から、事務所仕事に変わった事はあるのですが。
一つだけ変わらずに続いている事があります。
それは、人から人に縁を頂くご紹介。
職人の頃も職人さん繋がりでのご紹介だけで。
やり切れない程の仕事があったし。
今では年間の新築依頼軒数のうち。
半分の方は、OBオーナー様からのご紹介の方になりました。
ここまで続けて来たのは。
やる事はやる。
言うべき事はしっかりと言う。
絶対に人をだまさない。
これだけなんです。
でも。
これが一番大事な事なんじゃないか。
とも。
思っています。
なので。
一般的な工務店さんの社長さんの様に、スーツなんて着ません(笑)
スーツは水商売を経験していた若かりし頃に、充分過ぎるほど着ました(笑)
一般的な工務店さんの社長さんの様に、営業トークなんて出来ません(笑)
すべて直球で伝えるから、ダメなもんはダメっ!
だってそんな事したら、後々大変になるのは自分ですよっ!
そんな否定的な事だってへっちゃらで言う。
一般的な工務店さんの社長さんの様に、セミナーに参加してノウハウを勉強するなんて出来ません(笑)
セミナーに行くなら、沖に出て魚を釣りたいっ!
一般的な工務店さんの社長さんの様に、不動産会社さんに営業廻りをするなんてやりません(笑)
そもそも、不動産屋さんからのお仕事はこちらからお断りをしています。
一般的な工務店さんの社長さんの様に、フランチャイズに入って、それを自社のオリジナル商品化するなんて真似は出来ません(笑)
フランチャイジーはどこでもやってるから、俺にとってはそんなのつまらん(笑)
他にも一般的な工務店さんと違うのは多々あるのだけど。
そんなやり方でも。
有り難い事に、依頼件数は十二分にある訳で。
それが中尾建築工房なのです。
と言う事で、ちょいと変わってる建築工房 創業の理由。
住宅業界の中では、異色の異端児に見えるかもしれませんが。
実はオーナー側にとっては、遠山の金さんなのかも。
しれませんですねぇ(笑)