吹き抜けや勾配天井に付けるシーリングファン|気をつけておきたい熱源のポイント
湘南や三浦半島では、山の緑。
そして海の碧。
自然な環境が今もある為、豊かな眺望が得られる事が多い地域。
となれば、リビングを2Fや3Fに設置して。
天井なども、なるべく高く造ったり。
勾配(斜め)の天井などを造る事が多くなります。
もちろん1Fリビングで、吹き抜けを造って。
開放感を得る造りにする事も多々あります。
ここで多いリクエストと言うのは。
シーリングファンと言う存在です。
このシーリングファン、実は見た目で皆さん選ばれている気もしますが。
私たちの場合、機能面での取り付けをお勧めしてるんですね。
例えば。
これは中尾建築工房の打ち合わせスペースの天井です。
ここには1年中、廻しっぱのシーリングファンが取り付けられています。
中尾建築工房のお越しになられて。
ファンに興味のある方には、いつもご説明を差し上げているのですが。
熱と言うのは、その室の中でも。
一番高いところに滞留しやすいんですね。
よくあるのは。
勾配天井です。
冬場に暖房をつけました。
暖気は全て、画像の文字に書かれた一番高い所に滞留します。
すると、そこには熱が集まりますから。
そこだけが異常に暖かくなり、結果床周辺は暖まらない。
そんな事になりやすいのが、勾配天井や吹き抜けなんです。
そこで。
ファンを取り付けて、上昇した暖気を攪拌する。
そうする事により、熱源を下に下げる役割を持つのです。
つまりファンは、室温を快適にする事に貢献してると言う訳なんですね。
そして。
私はなるべく、ファンは止めずに。
廻しっぱにしておいた方が良いですよ!
とも、常々言っております。
電気代の節約とかもあるのだろうけど。
それよりもリスクがあったりするんです。
廻しっぱの場合、羽の上には埃がたまりにくい。
止めると。
逆に埃は乗っかりやすい。
そして。
これは自然素材の家特有の問題になるのですが。
壁も天井も珪藻土にした場合。
珪藻土は、室内の湿気を吸い込んで。
乾燥した綺麗な空気に変えてくれます。
けれども、その反面。
勾配天井部分も珪藻土。
延長された壁面も珪藻土。
普通の家に比べて、より乾燥しやすいと言う事になります。
想像して頂くとするならば。
1週間ほど家を閉め切って。
ファンを止めていたとしましょう。
そして天井も壁も珪藻土だったとしましょう。
熱は一番高い部分に滞留しますから。
そこにある設備機器は、過乾燥になってしまったり。
はたまた、天井と壁の隅にクラックが入る恐れがあります。
勾配天井は、ただでさえ高いですから。
メンテするのも大変大掛りになります。
また1Fリビングで、吹き抜けを作ったりすれば。
それらのメンテをする為に、足場の設置なども関わってきます。
こういった事がありますので、私の場合は常々。
シーリングファンは止めない方が良いですよっ!!
と。
常々、言い続けているのです。
今回、おそらくその影響で。
ファンを長らく止めてたり。
締め切りの中、過乾燥で。
ファンの動きに異音が出たお宅がありました。
こうなると、ファン自体に潤滑油を差してあげないと。
異音は間違いなく治りません。
これらの工事費を考えたら。。。
ファンを止めて節約した電気代より。
間違いなく高くつく!
だから。
ファンは止めない方が良いよっ!!
と言う事なんですね。
ファンを自分でなんとかやりくり出来る方は。
この限りではございませんですよー(笑)