薪ストーブユーザーは気をつけて!|煙突内でも火災発生
今日は暖かいので、薪ストーブは付けていないのですが。
お昼休みに日経アーキテクチュアからの。
日経ホームビルダーを見てたら、こんな記事がありました。
このニュース、2018年2月17日の5時までは無料で見れるそうなので。
見たい方の為に、一応リンク張っておきまーす。
薪ストーブで”伝導火災”が続発
これを見ると、火災の事例は写真で5つの事例がありまして。
写真の事例の1〜4までは、まぁ正直言って。
問題外だと思うのですが。。
事例の1〜4に関して言えば、気合ブッチでやってしまったであろう・・・
ストーブの設置位置。
煙突の施工方法。
貫通部の処理の問題。
それらが挙げられるかと思います。
薪ストーブや暖炉の様なモノを、住宅に設置する場合。
建築基準法では施工例115条により、それらの決まりがあったり。
国交省の告示で取り決めがあったり。
日本暖炉ストーブ協会(JFSA)での、こうすればだいじょう的なルールがあったりするのですが。。
事例の1〜4に関して言えば。
おそらくだけど、あまり知識の無い地元の大工さんに。
オーナーさんが。。
「煙突つけたいから頼むよ!」
大工さんは。
「おぉ〜、分かった。不燃材料で張っとくよ!」
とか。
設計事務所さんには伝えず、施工する工務店にだけ。
ストーブの設置を伝えるとか。
おそらく、そんなノリでやってしまったのだと思います。
事例の1に関して言えば、建物はログハウスですから。
まー、燃えてください!
と言わんばかりの仕上がりです。
薪ストーブと壁面までの距離が少なかったり。
薪ストーブ本体と煙突も。
ホームセンターで販売されている様なモノなら。
こんな風になっても、おかしくは無いんですよね。
記事中には4、5mmの石膏ボードと書いてあるけど。
4、5mmの石膏ボードなんて売ってないから。
これはおそらく4、5mmのケイカル板だと思います。
4、5mmのケイカル板は、簡単に折れちゃう建材ですから。
熱を加え続ければ、簡単にポロっと割れちゃう素材。
そんなん、最初から使っちゃダメでしょ!
と言わんばかりの仕様となっているんですよね。
なので。
写真の事例の1〜4までは、中尾建築工房で建てている方は。
薪ストーブも、しっかりとしたモノですし。
施主施工でやる人も居るけど。
ストーブ設置の際には、図面に落とし込んであるので。
この辺りは大丈夫。
な・の・だ・け・ど・
私が気になったのは、事例の5です。
煙突内でも火災発生
私が口頭で、よく説明をさせて頂いてるのだけど。
割と無頓着で。
とにかく、お金を掛けないで。
乾燥した薪を使わない方に、声を大にして言いたい。
未乾燥の薪を使うと危ないよ。
と言う事。
煙突から出る煙を見てれば分かるのだけど。
着火してから延々と煙を出すって事は。
乾燥した薪を使ってない。
そんな場合が多々あります。
未乾燥の薪を燃やすと、すすやタールが煙道につきやすいんです。
熱の上昇も悪いですし、薪ストーブ本体も痛みます。
煙も延々と出ますし。
当然ながら、ご近所さんにも迷惑が掛かります。
はっきり言って、良い事は無いんですね。
それでもお金を使いたく無いなら。
前もって、しっかりと薪を割り続ける。
これが一番大事な事だと思います。
これから設計を開始する方などは、一年先には入居になるだろうし。
となれば、最低でも1年は乾燥させたいだろうから。
場所さえあれば、薪を割るのは。。
今でしょ?!
最初の一年は薪を買う方は、例外ですよー
となる。
着工する段階で、あったりするならば。
今は2月で、木も水を吸い上げてないから。
割るんだったら、今でも遅い位でしょ?!
となる。
こちらも最初の一年は薪を買う方は、例外ですよー
お金を極力掛けないで、薪を調達するのであれば。
常にストックを用意しておく事。
これが一番大事ですし。
安心安全に薪ストーブを使える。
と言う事につながります。
あとね。
建築現場に建築端材を、もらいに来られる方も居らっしゃるけど。
着火用の焚付けに使うなら、まだ良いのですが。
それを薪代わりには、使わない方が良いかと思います。
建築材はほぼ針葉樹で、薪ストーブの薪は広葉樹。
針葉樹はすぐに燃え尽きちゃうし、比較的温度も上がりません。
さらに針葉樹をたくさん燃やせば、煙道には。
すすやタールだけでなく。
ヤニも油も付着しますから、さらに煙道の清掃がよりシビアになり。
煙道火災も招きやすい。
と言えるのです。
ちなみに針葉樹は乾燥していようが、ヤニや油が材の中にありますので。
煙も割と黒煙になりやすいですから、ご近所にも迷惑になるからね。
自分は燃やすだけだから、分からないかもしれませんが。
まー、なんつーか。
大工だった頃は、下小屋で墨付けとか刻みとかやってた訳ですよ。
材料を刻めばたくさんの梁や柱、土台のゴミが出る訳ですよ。
それを大工はドラム缶に給気と灰出し穴の加工をして、端材を燃やしてた訳なんです。
これ、とってもしびれてたのが・・・
黒煙バリバリで、超〜目が痛いっ(笑)
今となっては、消防の方でも規制が厳しくなったし。
墨付け刻みも、工場でのプレカットになりました。
なので、その様なゴミが出ないからまだ良いんですけどね。
当時は作業着を洗うだけでも、ススがいっぱい付くので大変だったのです。
あとね。
拾って来た、針葉樹ばかり燃やしていると。
その材に油分やヤニが多めにある、松系とか桧系だったとするでしょ。
とにかく毎日毎日、そう言った木材を燃やし続けて。
ある朝、火を入れて燃やしたとすると。。
ドラム缶で燃やしても、そうゆう現象が起きるのだけど。
溜まったタールに、引火しちゃうと。
いきなり、ボォーーーーーンッ!!
って、火柱立つ事もあります。
この現象、薪ストーブであったとしたら。
室内の煙突なんて、おそらく吹っ飛ぶかと思います。
マジで危ないので、真似はされない方が良いです。
なので。
針葉樹の木材ばかり燃やしてると、煙突吹っ飛ぶかもしれないよ?!
まとめてみるとこんな感じ。
乾燥した広葉樹の薪は煙も出ない。
未乾燥の広葉樹の薪は、煙が出やすく温度も上がらない。
針葉樹はヤニと油で黒煙出すから、近所迷惑となるし危ない。
どれが火災に繋がらないかは。
お分かるになるかと思います。
と言うことで、薪ストーブユーザーは気をつけて!
煙突内でも、火災が発生するリスクがありますよっ!
安心安全に薪ストーブライフを過ごす為にも、肝に命じて下さいませ。