やすらかに
つい先日、こんな事を書かせて頂きました。
実は私の恩師とも言える方がお亡くなりになったのです。
恩師と言うと、一般的には学校関係の方だったりするかと思います。
でも私の場合は違いました。
私の恩師は、パブの経営をされている方だったのです。
当時の私はまだ17歳と若く、夜な夜なバイクで走り回る事を止めた頃でした。
バイクを卒業してからというもの、夜の時間がぽっかりと空いてしまいます。
その穴を埋めたいとか、大人の世界に興味のあった年頃でしたので、私は横須賀にあるパブの面接を受けたのです。
そのお店を経営されていたのが、私の恩師となる方でした。
どう考えても、未成年にしか見えませんし、18歳と偽って面接に行っているのです。
間違いなく、それに気づいているはずの恩師は、私が『18歳です』と言った事を信用して、雇用してくれる事になりました。
当時の恩師はお店を経営されている傍らで、不動産会社にも就職をし、不動産のプロになるべく宅建の勉強もされていました。
そしてお店は私以外に3名ほどのスタッフで切り盛りをしたのです。
以降、恩師の事はマスターと言わさせて頂きます。
マスターは、とにかく人の話を聞くのが上手くて、いつも色んな方がお店に訪れていました。
そして理由はさておき、お店を閉める時が来まして、不動産業一本に絞ったのです。
私は他店に移籍をし、マスターは横須賀の不動産会社へ。
その後、マスターとは色んなシーンでちょこちょこ会う事がありました。
私が大工修行の時とか、独立したての頃とか。。
なんと言うか、忘れる前には必ずお会いすると言うか、タイミングが良かったんですよね。
人としても良い感じのオーラを出している方ですし、不動産業としてもクライアントに対して
誠実な仕事をする方でした。
私も土地探しを依頼されると、信用の出来るマスターにお願いをしていたのです。
でも3年程前から体調を崩したと聞き、2年前にはガンだと聞きました。
そしてマスター本人の口から『ちょっとこの先は中尾の仕事を手伝えないかもな。。』と言われたのです。
あんまり泣きを入れるタイプの方ではありませんでしたので、私はマスターの意思を受け入れて、それからしばし時が経ちました。
そして数ヶ月前に、偶然街でお会いした時には『医者に見放されちゃったからさ、でも俺も病院の中で寝たきりにされるのも嫌だし、治らないのに延命なんてして欲しくないし、なにより俺はやりたい事全てをやって来たから、もう人生に悔いは無いんだよ、だから仕事も辞めちゃったんだ。』と言われました。
本当は定年まで後少しだったのに、会社に迷惑かけたく無かったのでしょうが。。
店の主だった方ですから、自身のプライドもあったかと思います。
私も実の父親をガンで亡くしてますから、当の本人や家族の辛さは良く分かります。
ただ、なんにも知らせが無いのは、困りますのでマスターにはこう言いました。
『あ〜、そういう事ね。でもホントに最後の時にはどんな形でも良いから、必ず知らせてくれよな。必ず行くからさ。』
そう言ってその場を別れました。
そして11月の2日の朝、最後まで家族に冗談を言いながら、亡くなったそうです。
私がマスターの死を知ったのは、マスターがお世話になっていた不動産会社の会長ブログでした。
たまたま偶然にも会長のブログを見ていたら、そこにマスターの名前と亡くなったとの知らせがあったのです。
最後に会長に一働きしてもらって、私に教えてくれたんですね。
そのおかげで、今日の通夜に出て、お別れを言う事も出来ました。
最後の約束守ってくれて、ありがとう。
10代の頃から色々とお世話になり、様々な事を教えて頂きました。
これからは痛みも辛さも感じず、天国から見守っていてください。
マスター、安らかに。
Comment
恩師との別れ
まだ私自身味わっておりませんが
言葉にできないものがあると思います。
今の自分の細胞を形成しているもの
それは 脈々と受け継がれる諸先輩からの
ご助言が血となり身となった結果。
継承
それが 残されたものの使命
私も 私の恩師に報いれるよう
精進したいと改めて思いました。
有難うございます
横助さん☆
こう言った別れだけは、いつ来るか分からない事です。
周囲の元気で居て欲しいと願う気持ちがあっても、本人にとっては苦痛となる事もありますので・・
恩師と呼べる方に対して、私たちが出来る事と言えば『師匠超え』でしょうか?
マスターも一緒に仕事が出来た様になった時、とても嬉しそうでしたね。。
あのお前がこんなになったんだなぁ!って。
やはり恩師に報いる為には、いかに一生懸命に精進して、恩師と呼べる方を超えて行く事が出来るか?
業界が違えど、恩師に教わった事をコピーするのではなく、自分の形に変換して、いかに社会貢献が出来るかって事だと思います。
私もまだまだ向かわなければならない志がありますので、日々精進したいと思います。
横助さんも共に頑張って行きましょう!