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2021年住宅用木材価格の高騰した理由|ウッドショックの解説をしたいと思います

 
  2021/04/17
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現在設計中のクライアントの皆様へ。

 

実は先日、中尾建築工房に大変な連絡が入って来ました。

 

プレカット会社からの連絡だったのですが、木材の値上げが半端では無いと言う連絡です。

 

 

※プレカットとは、木造住宅建築の際の木部工事において、現場での施工前に工場などで原材料を切断したり接合部の加工を施しておくことをいいます。

ひと昔前に大工さんが墨付け、刻みをしていた代わりを工場で行っています。

 

 

さらに100%だった木材の、40%を減産して欲しいと言う内容でした。

 

もしかしたらさらに減産になってしまう可能性もあります。

 

今までここ15年ほどは値上げの話がありつつ、実際に値上がった事はありませんでした。

 

それがここに来て、とてつもない事になっている様です。

 

なぜこの様な事になったのか。

 

クライアントの皆様にもご理解出来る様、解説したいと思います。

 

1.日刊木材新聞からの情報を抜粋

 

 

木材・建材の市況は海外産地の状況、国内の住宅需要、そして円安の要因が重なり、久しぶりの高騰局面を迎えている。

 

 

産地価格・メーカーの値上げが需要家である住宅メーカーや工務店に受け入れられていくのか。

 

 

値上げが進むことで代替資材への移行はあるのかなど、今後の動きが注目される。

 

 

値上げを受け入れないと、資材の安定供給を受けるのは難しくなるため、ある程度の値上げを受け入れたうえで、コスト上昇分をどのように転嫁、吸収していくのかが連休明けの大きな焦点になる。

 

 

この様に連休明けが大きな焦点になるとの事ですが、実際にプレカット会社に聞いてみるとそんなに簡単な問題では無い様です。事実、私のところに来たメールを貼り付けておきましょう。

 

社長、もうヤバイです!!

 

木材の価格上昇が半端なくて、もう資材を調達出来ないかもしれないっす。。

 

○×▲⭐︎→×▲○⭐︎・・・

 

そんな○×▲⭐︎→×▲○⭐︎・・・なんて言われてみても、なにを言われているのか分からないよ。。

 

まず価格が上がる理由はどんな理由なの?

 

欧州材が供給率100%のところ、40%を減らして欲しいと言われています。

 

社長に好んで使ってもらっている梁材の米松も、現地の価格が上がりすぎていて日本に入って来るか。

 

入って来てもこっちで調達できる様な金額なのかが分からないんです。。。

 

欧州材の供給に制限が掛かるのか。

 

うちでは使ってない材料だけど、建て売り屋さんたちは困るだろうね。

 

うちもドライビームが使えないと痛いよなぁ。。

 

と言うか○○の○○邸の分、材料は間に合うのか?

 

いやーもうとにかく発注してみない事には、にっちもさっちも行かない状態なんです。

 

施主様にもその様な大暴騰になっている事を、社長の方から伝えて欲しいんです。

 

下手すれば基礎が出来ても、上棟する事が出来ないって事にもなりますので・・・

 

このプレカット業者さんとは過去15年ほどの付き合いがあります。

 

今までも価格が上がるかもしれないと言う時はありました。

 

ですが。。

 

中尾さんとこはうちオンリーでやってくれているから、なにがなんでも材料を調達してみせます!

 

 

この様な男気を出してくれる男でして、今回の様な連絡をして来るのは初めての事でした。

 

では何故この様な事に陥ったのか、世界的な情勢を見てみたいと思います。

 

2.アメリカの木材事情はどうなってる?

 

アメリカは国土に広大な森林を持つ国です。

 

 

アメリカではコロナ渦ではあるものの、空前の住宅需要が高まっているそうです。

 

 

国の政策により低金利での住宅取得が出来る事から、一時は下がった住宅購入が飛躍的にV字回復になったのが理由との事。

 

 

この影響から家を買い換える方、家を修繕する方、家をカスタムされる方。新築する方が多く居る様です。

 

 

 

コロナによって仕事が自宅で出来ると言う事になり、通勤の時間が節約出来る様になったせいもあってか、アメリカ国内ではSPF材と呼ばれる木材の価格が2倍になると言う空前の木材バブルになっている様です。

 

 

中尾建築工房ではSPF材の利用はないものの、米松と呼ばれる梁材を採用しています。

 

 

米松は丸太で日本国内に入荷され、広島の工場で梁材として製品化されていました。

 

 

今までは安定した供給と、注文住宅で必要となるオーダーサイズが可能なため、重宝しています。

 

 

日本国内では山で4m規格でカットされてしまうので、あまりこの様な長モノを使うケースはありません。

 

 

あるとしたら樹木が水を吸い上げない時期にきこりに山に入ってもらい、カットして麓に下ろします。

 

 

そして大きな乾燥窯のある工場にて、木材を乾燥させる工程を踏まなければなりません。

 

 

国産材では時間も費用もたくさんかかりますが、米松であれば広島の工場で6mや7mの長い梁もカット出来て、乾燥窯にも入れられます。

 

 

つまりお手軽に長さを選べて、強度も強い梁材を使えるのが良いポイントでもありました。

 

 

それが日本国内に入って来るのかと言うと?

 

 

アメリカ側の商社の意見

 

アメリカの商社としても、日本には出来る限りの材料を送る様にする。

 

ただし昨年には大規模な山火事があり、焼けたリンクの中から使える丸太を優先して伐採している状態。

 

手間もかかる作業のため、なかなか日本に出荷する事が出来ていない。

 

ただし価格は上がってしまうので、今までの様な価格では無理。

 

 

 

この様に考えており、日本にまったく資材を入れない訳では無いと言う考えの様です。

 

 

ではその材を一括して管理している、広島の木材会社の意見はどうでしょうか?

 

 

広島の輸入会社の事情

 

 

 

工場としては仕入れが上がる以上、価格を上げるしか無い。

 

 

丸太だけの問題ではなく、輸送費用の問題もある。

 

 

船運賃の値上げが著しく、昨年に比べて1日の用船料金が3倍になっている。

 

 

船運賃は用船料だけでなく、丸太の2倍のスピードで値上がりし、このまま船不足が進むとさらに高騰するかもしれない。

 

 

 

この様に船の運賃も丸太の価格も上がる事から、価格を一定に出来る状況には無い様です。

 

 

2.中国の爆買い

 

中国は国土が広いけれども、ほぼ木材に関しては輸入に頼っている。

 

 

以前は自国の天然林を、なぎ倒す勢いで伐採しつくした。

 

 

その結果、長江大洪水が引き起こされ、今では天然林の伐採は一切禁止。

 

 

それからは輸入に頼る状態が続いてます。

 

 

さらに中国の景気は好調な為、なんでも買いまくっています。

 

 

価格の交渉も無いので、そのままの価格で購入しています。

 

 

日本もコロナ前には中国客のインバウンドで、商いをされている方も居ました。

 

 

少ない量ではあるものの、日本からも杉丸太が輸出されています。

 

 

景気の良い中国の爆買いがある事から、ロシア材や米材、欧州材などの木材価格が上昇している。

 

 

中国の木材消費量の40%はアメリカからの輸入であるため、それもアメリカの木材価格の上昇を押し上げている事になってます。

 

4.欧州材の輸入事情

 

ヨーロッパは、ホワイトやレッドと呼ばれる欧州松の産地。

 

 

主に輸出されるモノとしてはラミナと呼ばれる挽き板で、それらの材料は集成材の素材として梁や柱として利用されてます。

 

 

価格が高いモノでは無いため、主に建売住宅の材料として利用されていました。

 

 

では何故40%減になったり、さらに輸入出来なくなるのでしょうか?

 

 

コロナが原因

 

コロナが原因で、コンテナなどを下ろす作業員が圧倒的に不足している。

 

 

そのため海の上で船が浮かび、コンテナを積み上げるまでに一週間や10日間かかってしまっているので、日本国内に入ってくる事が出来ない。

 

 

もちろんロックダウンしているエリアの工場もある事から、木材が日本に入ってこないと言う理由がありました。

 

 

 

この様にコロナが関係しているかの様に見えますが、実際にはそんな事ではなく。

 

 

もっと違う理由がある様です。

 

 

日本に売る理由が無い。

 

ヨーロッパ市場としては安く買い叩く取引相手より、高く買い取ってくれる取引相手の方が都合が良い訳です。

 

 

  • 日本は品質にはうるさい。
  • 神経質な民族性。
  • 価格については買い叩く。

 

 

であれば景気の良いアメリカや中国に高く売ってしまった方が良い訳です。

 

 

そのため現在では100%中の40%減だったら、日本に入れてあげても良いけれど。

 

 

あまりうるさい事を言うなら、さらに減産しても良いのだけど。

 

 

 

と言う状態になってしまっているのが、実際の現状の話になります。

 

 

景気の良い国が買ってくれれば、なにもうるさい日本に売らなければならない理由が無いと言う事なのです。

 

 

この様に木材新聞でも、日に日に深刻さが伝えられている現状なのが分かります。

 

5.これらを踏まえて想像出来る事

 

この様にどこの事情にも、中国の存在がありました。

 

 

景気が良いから仕方ないのでしょうが、今までのバランスが崩れてしまった事が木材価格の上昇を押し上げています。

 

 

ではそれらの集成材を好んで使う、建売住宅はどうなるかと言うと。

 

 

建て売り会社の都合

 

建て売り住宅は用地の仕入れから、建物を建てるまで金融機関にて融資を受けます。

 

 

大抵の場合は一年の間で仕入れから販売まで計画して売り切りたいところ。

 

 

そこで材料が入ってこないとすれば、国産材に目を付けてくる事になります。

 

 

すると注文住宅専門の中尾建築工房が取り扱っている材料も、無くなってしまったり価格の上昇する可能性があるのです。

 

 

つまり国内の木材ですら、奪い合いの状況になってしまうと言う事につながって来るのです。

 

2021年4月17日追記

 

某建て売り住宅ビルダー三社が共同して脱炭素の社会構築、持続可能な社会作りを目指し、国産木材の調達に関する課題に取り組むと言う報道がありました。

 

 

そして私の持っている国産材ネットワークには、連日の様に年間棟数200〜300棟のビルダーからも新規の取引を頼みたい連絡が入っているとの事です。

 

もちろん今までのお付き合いのある所が優先になるので、新規は迎え入れる事は無いと言っておりました。

 

 

ただし怖いのは国産木材を扱う上で、共存共栄を本当に考えての事なのか。

 

こんな疑問が残ってしまいます。

 

 

最初だけは高くても買い続けるかもしれません。

 

 

でもいずれ独占にできる状態になれば、敢えて発注をせずに製材所は低迷。

 

 

その後に敵対的買収などをされてしまえば、国内の林業の未来があるとは、とうてい思えない事につながるだろうと思います。

 

 

ここまで来ると、木材の価格が上昇した原因が、分かる様になって来ます。

中国の爆買いだけではありませんが、大きな原因の一つになっている様に思います。

 

 

ですが適正価格で購入している、中国が悪いと言う訳では無いと思います。

 

 

世界的に見れば小さな島国である日本。

 

 

  • しつこい
  • 買い叩く
  • 細かい

 

 

と思われている事は否めません。

 

 

ただし長年、この仕事について来た中尾建築工房ですが、思うところもあったりします。

 

 

今までが異常だったのかもしれない。

 

 

私も過去には、北や南の木材の産地に行きました。

 

 

それらの産地では大儲けをしている様にはとても思えず、とても質素な暮らしをされています。

 

 

ですが国産の木材の価格は、直買いをしても輸入材にくらべて高額になります。

 

 

もともとの丸太の価格が高い。

 

 

良い材料を育てるためには、植林は当然ながら必要になります。

 

 

山を間伐したり、手間暇も当然ながらかかります。

 

 

日本は世界的に見ると小さな島国です。

 

 

小さいものの国土の3分の2は森林と言う、森林大国でもあります。

 

 

ですが多くの木材は輸入に頼っており、国内の木材が使われているのは30%程度だけと言う不思議な状態です。

 

 

なぜ輸入に頼り、国内の木材を使わないのか。

 

 

そこには丸太の単価が高いと言う問題がありました。

 

 

 

 

丸太を高くするなら一般の方が家を建てるために、それらのお金を払える賃金に出来る景気の回復が必要。

 

 

このバランスが取れていないから、輸入に頼り過ぎてしまっていると思いました。

 

 

そんな理由がある、今回のウッドショックと呼んでも良い状況だと思います。

 

6.まとめ

 

ここまで読んでいただいて、様々な国の都合や事情がある事がわかりました。

 

 

ここまで来てはっきりと言えるのは、日本の企業努力が裏目に出てしまったとも言えるかもしれません。

 

 

世界的には良くなる為に、値上げをしていて。

 

 

 

日本と言う島国だけが変わらないと言う、イメージと言っても良いかもしれない現象です。

 

 

このまま日本が交渉を続ければ、隣国の事をどうこう言える立場では無い様な気もします。

 

 

それだけに、今回のウッドショックと呼んでも良い状況だと思います。

 

 

そこで私も考えました。

 

 

設計中の方

 

現在設計中の方で、現在お住まいの住居に余分な費用が発生しない方の場合。

 

 

見通しがつくまで設計案を作るまでは良しとして、見積もり打ち合わせは見合わせる事にしましょう。

 

 

一番要望の詰まった高い見積書を提示して、そこから下げていくのが中尾建築工房の打ち合わせです。せっかく吟味して落とし込んだのに、そこからさらに吊り上ってしまうのは本意ではありません。

 

 

ある程度の上昇が予測可能になり次第、見積もり打ち合わせを行い工程を引いていきたいと思います。

 

 

着工前の方

 

現在のお住まいに賃貸費用が発生する方の場合。

 

 

賃貸の費用も発生してしまうので、そのまま着工するのが良いかと思います。

 

 

ただし今回のウッドショックは、工務店が吸収出来る単位ではありません。

 

 

どこかで仕様変更をするなどして、出来るだけ柔軟にして行った方が良いと思います。

 

 

場合によっては梁や柱材などは、サイズ変更するなど工夫したいと思います。

 

 

コストがなんとかなったとしても、物流が動かない事も想定されるので、基礎工事が完了しても上棟するまで日程に開きが出てしまう可能性もあります。

 

 

また今後、新たな情報が入り次第、それぞれのクライアント様にご連絡させて頂きたいと思います。

 

 

 

職人さん向けの報告

 

職人さんは先々の予定を入れているかと思いますが、今回のウッドショックは世界的なモノになるので、地域のビルダーさんの力でどうにかなるモノではありません。

 

 

予定をしていても、スケジュール通りに工事が出来る状況ではなく、ずれ込む事が懸念されます。

 

 

町場は確実に影響しますので、しばし落ち着くまで野丁場に避難をするか。

 

 

もしくは町場でも再三の確認をした上で、上棟可能かどうかの再確認をしてください。

 

 

 

以上、中尾建築工房からのお知らせでした。

 

 

正直どうにもこうにも、受け入れるしか無い状況だと思います。

 

また先行きが見えましたら、それぞれのクライアント様にご報告差し上げたいと思います。


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Comment

  1. 伏井 信之(大阪府) より:

    自伐林業をしていますが、市場に出材すると50年かかって育てた末口直径15cm長さ3mの丸太1本は500円程度です。自伐して、運搬するので人件費はかかりませんが、市場の経費や伐出経費、育林経費を引くと200円程度です。もし人件費を払えば赤字です。製材業者は、製品を柱1本2500円程度で販売しています。安い丸太を買って製品を高く売るので儲かるそうです。林家は広い面積を伐採して大量に出材しないとわずかな生活費も稼げません。(確定申告で林業収入は分離課税ですが、電子申告しようとしてもシステムが対応していません。)そして、再造林もできません。九州や東北で伐採跡地が放置され洪水が起こるのも当然です。丸太が高いと言われてもピンときません。スギは世界一安い木材です。林家は今、丸太を大量に供給しようとは考えていません。また、能力もありません。価値の高い木材の生産を目指したり、国や自治体の補助金がある場合伐採しようと考えています。木材業界の側からは国産材は安定供給が期待できないということになるのでしょうか。日本の林業・木材・住宅業界は極めて厳しい状況に追い込まれていると思います。

    • 中尾 博志 より:

      伏井さま

      コメントありがとうございます、中尾建築工房です。
      そうでしたか、ずいぶんと買い叩かれている様ですね。
      私の知る限りでは、そこまで単価を安くされている林家さんは存じませんでした。
      私は岩手や和歌山、宮崎の製材所とお付き合いがあります。
      岩手などは県が管理してますので、林家さんたちが造林出来る様にされています。
      誰かだけが良くなるのではなく、みんな良くなる世の中になると良いですね。
      日本は諸外国に比べて小さな島国ですから、なんでも輸入に頼るのではなく、育てていく事に今後は注力して行く流れになると思います。
      林家さんたちにとっても、良い流れとなりますように。
      コメントいただきましてありがとうございます。

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