三浦市城ヶ島|フルスケルトンリノベーション依頼
古い家を購入して、その家を屋根や外壁、内壁の全てを剥がして、スケルトンにする。
そして、間取りを自由に設計するリノベーションが、この中古戸建で出来るのか?
購入前にその様な質問があったので、久しぶりに城ヶ島に行きました!
城ヶ島は、それこそ20年ぶりに来たかもしれません(笑)
私が大工修行をしていた頃、教えてもらっていた従業員の大工さんが、城ヶ島でお店をしていました。
その時、城ヶ島定食を食べさせてもらったのだけど、それ以来かもしれない。
あんまり用事は無いですからねぇ、城ヶ島に来るって言うのも。。
さて、物件自体を見てみると・・
これが該当の物件。
城ヶ島は海に囲まれた島ですから、家のくたびれ具合もハンパございません。
東西南北、もれなく塩害いらっしゃいの地ですから、当たり前と言えば当たり前なのです。
で。
この家を建てた頃の三浦市の家造りは、ある特徴があったりします。
三浦市の大工さん(三崎の大工さん)は、かなり根強く材料や施行にこだわっていました。
だからお金もたくさん掛かっていたし、高ければ高いほど良い家だ。
そんな風潮があったんです。
けれども、この家にはその様な雰囲気を全く感じませんでした。
どことなく貧相な造りにしか見えません。
もともと、この古家は店舗をしていた様なのですが、全ての部材に安普請さが見受けられるんです。
現地に付いたのは11時過ぎだったから、こっち面は北側になるのかな。。
見れば見るほど、お金を掛けなかった造りに見て取れます。
多分、お店をするのに、予算は掛けたく無かったんでしょうね。
ギリギリの計画でお店をスタートしたのかもしれないけど、なにからなにまでゆがんでしまっていました。
ここなどは、後から増築したのか。
それとも新築当初からなのか、基礎自体がありませんでした。
昔はこんな事も、適当にやっていた部分もあったのよね。。
だから安くはなるけど。。
安かろう悪かろうの典型だと思います。
そして古家の入口になっている部分に、石貼りがなされています。
こうゆう部分って言うのは、剥がしてみると構造体が傷んでいる事が多かったりする。
でも、購入の前に解体してみて、確認してから買う訳にもいきません。
こういった場合はどうするかって言うと、手で壁を叩いて音の反応を見るんです。
私が何度か叩いてみたけど、構造体はすでにご臨終状態の様でした。
軽いんですよね、音が。
柱の部分がしっかりと残っていれば、こんな軽い音にはなりません。
この音だと、土台は既に炭化し、無くなっていると思われる。
だもん、建物だって歪みますわねぇ。。
実はこの物件。
表の売り出し価格は500万円です。
そして。
買い手がつかないモノですから、内々で200万円って事になっているそうなのです。
ま、もしも私が買うか、買わないかとしたら。
お金貰っても要らない・・かなって感じがします。
基礎も古過ぎて、使えないし。
建物の構造も全然しっかりしてないし。
雑誌やネットでは、古い家を購入してリノベーションをしましょう!
安く出来ますよー!
なんてアピールがある様だけど。
実際には、そんな物件早々無いんです。
仕事が欲しいリフォーム業者さんは『はい、やりましょう!出来ますよ!!』と言うかもしれない。
でも、私は。
こんなん1000万円積もうが、1500万円積もうが。
いくらお金を払ったって、ベースが悪いのだから良くなんてなりませんよ。
としか、言いたくないな。
と、相談者の方にはご説明を差し上げまして、城ヶ島をあとにしました。
フルスケルトンのリノベーションは。
あくまでも、建築物の基礎やフレームがしっかりとしている事が大前提。
機械を使わない解体だったり、腐っている部分を補修したり。
全てを剥がして、むき出しにしてから。。
色々と問題が出て来る場合もあるから。
下手すると、新築の方が安くなりかねない。
生きたお金の使い道をするなら。
情報に惑わされずに、現実を見た方がいいんじゃないのかな。
そう思ってしまったリノベーション計画でございましたー。