坪単価はお幾らですか?依頼先選ぶあるあるーPartI
連休中ではございますが、ご相談や設計打ち合わせがぽちぽち入っております。
新規のご相談などの場合、よく聞かれる事。
中尾建築工房さんの、坪単価はお幾らでしょうか?
と言う事。
設計施工の依頼先選びで、あるあるー♪的な質問で(笑)
こんな事を聞かれますと、答えるのに困ってしまうのです。
確かに基本的な坪単価と言うのはございます。
でも。
ハウスメーカーさんが、テレビコマーシャルで放送してる坪単価。
住宅展示場で看板に掲げている坪単価。
これ、全部入り口価格なのね。
ついで言うと、ノンオプションでもあるのね・・
もちろん、付帯工事費も入っておりません。
ハウスメーカーさんがその様に提示しますので、中尾建築工房にもベースの坪単価はありますが。
まー、皆さんの要望を聞いてる上では。
その単価で建った家などありません(笑)
なので、中尾建築工房の場合は総額表示。
これで説明をさせて頂いたおります。
だってね。
どの土地も全て同じ条件ではございませんで。
建てる敷地の形状や立地条件よっても、予算なんて全然違う訳ですよ。
特に。
「坪単価はお幾らですか?」
と聞かれる方の多くはですね。
工事をするにあたって、敷地条件が厳しい方が多い。
なので。
全部込み込みで、この金額です。
と言う様に説明を差し上げております。
割と聞かれる事が多かったので。
土地探し中だったり、依頼先選び中の方へ。
こんなんあると、それどころじゃ無いんですよ・・・
的なブログをアップしたいと思います。
今回はその最たる例で、普通の家よりも予算が大幅にかかってしまう現場があります。
現在着工中の横須賀市長瀬の家。
基礎工事中なのですが、通常の基礎工事よりも。
ありえないほど、大掛かりな基礎工事になっています。
この規模の住宅の中では、おそらくチャンピョンクラスではないでしょうか?
その理由たるや。
敷地内や前面道路、隣地の敷地に高低差がある。
画像で見た方がおそらく早いと思うので。
ざっと、進行状況の画像を並べて行きましょう。
画像では分かりにくいのですが、敷地内には結構な高低差があります。
また前面道路との高低差を支える土留めも、耐久性のあるモノとは言えません。
この場合は土留めに頼る事が出来ませんから、地盤改良工事で支持層まで鋼管杭を打ち込みます。
でもその前に、まずは土を掘削して型枠を建てられる様にする必要があります。
ついで言うとこの敷地には土のみではなく、多すぎる数の産業廃棄物が埋められておりました。
この場合は純粋な土の受け入れと、産業廃棄物の受け入れ先は全く異なります。
土の量は残土を計算しますから、予定よりも上がる事は無いのだけど。
普通は産業廃棄物は埋めるモノではありませんから・・
その分がプラスになってしまうんですね。
違法となる土留めに建ててあった、二段擁壁ブロックも撤去。
地盤改良工事と、基礎工事を行う事前の掘削だけで一週間以上も土いじりです・・・
そして、これで全部では無いのですが。
たくさんの鋼管杭を地盤下に打ち込みます。
これでようやく一般基礎の下に建てる、深い基礎の工事に取りかかれます。
まずは深い基礎工事を行う前に、土が崩れない様に矢板で土留めをします。
ベースコンクリートに、鉄筋を組んだ様子です。
内部の基礎と深基礎の配筋、そして外周の型枠をセットして行きます。
そしてコンクリートを打設前には、しっかりと型枠を補強します。
一部オーバーハングになる部分も、垂れない様にサポートを入れていますね。
そして深い基礎のコンクリートを打設しました。
コンクリートの養生期間を経て、型枠が取れる様になったら。
その後、埋めもどしを行います。
こうして内部の型枠を撤去し終えた状態。
ここから埋めもどしの作業を行います。
この状態になると、普通の土地と同じ条件でですね。
地盤改良工事が終わって、普通の基礎工事の始まりになります。
こちらの現場は、まだこの先が普通の基礎ではなく。
今度は逆側に、高い基礎を造る作業も加わります。
この基礎工事の画像は、過去に施工させて頂いた横浜市戸塚区の家になります。
なぜにこんだけ高い基礎を入れ混ぜるかって言うと。
お隣の土留めに耐久性が無いから。
自己防衛として、仮にお隣の土留めが崩壊して。
土が流れて来た時困るから、自己防衛はしっかりやってね!
と言う事で、この様な高基礎を作らなくてはならないのです。
この様に、敷地の高低差や土留めの強度。
これらによって、大きく左右するのが建築工事の価格です。
僕らは嘘ついてまで、仕事が欲しいと思ってないので。
総額表示を提示する事にこだわっております。
ですんで。
こういった説明させて頂いた上でも、坪単価にこだわる方はですね。
ご自分で勝手に計算して、出来る出来ないをご自身で判断される傾向がお強い様です。
そして、これで出来るはずなのに。
となりがちな傾向も、お強い様です。
私たちもしっかりと説明をさせて頂きますが、あまりにも意味不明な場合。
申し訳ございませんが、トラブルの元になりますので。
設計依頼は、お断りをさせていただく場合がございます。
家は建てて終わりではございません事、ご了承頂ければ幸いでーす。
出来れば土地を購入される前に、相談を頂くと。
この土地はお金いっぱい掛かりますよー
とか。
説明も出来ますので、一声頂くのがマストかと!
と言う事で。
坪単価はお幾らですか?依頼先選ぶあるあるーPart1でございましたー☆