横須賀市に建てる注文住宅|古材建具や無垢板の再生いろいろ
注文住宅で家を建てる場合、図面で間取りが決まっていれば。
工事を行うための、確認申請を行います。
確認申請は、特定行政庁から工事の許可を頂く為のモノ。
確認申請書にはある程度、家の中身が分かる資料となっているのだけど。
さらに詳しい内容を盛り込んだのが、工事の仕様書になります。
分譲住宅の様な仕様であれば、とっても簡単。
フローリングの色を決めて、壁紙を選ぶ程度でおしまい。
けれども注文住宅の場合は、随所に細かい部材を決めて行きますので。
そのバランスも、一つ一つ確認しながら進めて行きます。
また、古材に関して言えば。
その付加価値なども確認した上で、それなりに使ってあげたい所。
であれば、全体的な雰囲気を再確認して。
現場で職人さん達の手が止まらない様、ありとあらゆる仕様の確定させる打ち合わせを行ってみました!
今回、再生をさせる建具はこちら。
パッと見ですが、結構手間暇を掛けて作られた建具になります。
建具の組み方も、とっても丁寧なんですよね。
画像はちょっとボケてしまいましたが。。
縦桟と中桟を組むのに、ほぞを二連にしています。
普通なら、こんな事はやらない。
こんな仕事をしている部分を見るだけで、造った職人さんがどんな方なのかが分かります。
ただし、かなりの年代物ですから。
下桟などは、すでにクタクタ・・・
下桟の見た目は変えずに、広葉樹で埋め木をしてあげれば良いかと思います。
建具の再利用に関しては、まぁ大体の構成が私の脳内イメージが出来てるので。
この建具は、小上がり入り口に再利用して。
内障子などは、建具に入れずに欄間に使う事にして。
古材建具を抑える鴨居は、変わったケヤキで対応をしようかと。
そもそも古材を新築の家に入れるなんて、普通であればやらないと思います。
でもこの家は、普通な家では無いので。
それであれば、変わった材料で仕上げた方が面白味も広がると言うモノ。
身振り手振りや、材料を見せたり。
私の脳内イメージをお伝えして。
こんな感じで行きましょう!
と決まったのですが。
なにやら一際オーラを放つ材料が。。
小口には割れもあり、表面もかなり無数の傷がある。
日焼けも半端無い材料ですが。
ここまでは、素人目の意見になりまして。
ここからは、無類の木材フェチであるこの私の私見。
よくよく見ると、かなり木目の詰まった素性をしてるし。
小口の匂いを嗅いで見ると、明らかにこれは・・・
と思ったんですね。
「ちょっと下で、削ってきますね!」
工房直結の事務所は、これが出来るから良いんですよね!
そして一皮剥いた、木材の姿がこちら。
下の工房にあるプレーナーで削って。
ベルトサンダーで表面を舐めただけのモノ。
材料は檜(ヒノキ)なのですが、これがただの檜では無い。
なんの檜かと言えば。
木曾檜(キソヒノキ)になるのだけど。
その中でも、尾州(ビシュウ)と呼ばれる檜です。
尾州檜は日本の三大美林の一つでありまして。
- 青森ヒバ
- 秋田杉
- 尾州檜
この三つの中の一つであります。
さらに。
尾州は大昔が徳川家の御用木。
そして現在は、皇室管理の木。
どんだけ〜〜〜!!(IKKO風で)
と言っても過言では無い、希少価値の高い木材なのです。
尾州の特徴としては、素性が良く木目が緻密です。
ほら、とっても木目が緻密ですよね?!
ゆっくり時間を経過させて、大きく育ちますから。
木目が緻密になるんでしょうね。
尾州は癖の無い木ですから、高級な建具材などに使われたりします。
しかも。
木材と言うのは、長さや幅によってお値段に差が出ます。
この木材は、長さが1m程度でありますが。
幅に関しては、尺三寸(394mm)もあります。
幅が広い材は一尺以下の幅と。
一尺以上の幅とでは。
そのお値段も、随分と違ってきます。
尺下(しゃくしも)とか、尺上(しゃっかみ)なんて言い方をしています。
幅が広い方が価値がありますので、尺上の方がよりお高いんですよね。
私もここまで幅の広い、尾州檜の無垢板はかれこれ。
兄弟子の新築祝いにプレゼントした、長さ六尺×幅尺五寸の板を削った時以来ですから。
20年ぶりに、尾州檜を見てしまいました。。
どんだけレアなお宝なのかが、お分かりになる事でしょう。
おそらく、私たちがこの板を荒木で新木場あたりで購入したとすると。
7〜8万円の出費は、覚悟する材になりますね(笑)
商社を経由すると、もっともっとお高いですよー
と言う事で、選択肢としては。
この材の価値を下げてしまう、幅を狭くするとか。
まず、ありえません。
このままのサイズ感で使うとして。
小上がりのスライド収納の、踏み板兼蓋にする事としました!
なんとも、贅沢な踏み板兼蓋だろうか・・・
ただし、この板は厚みが結構あるので。
厚みは半分に割いてしまい、二つの踏み板兼蓋に木取る(きどる)事にしたのだけど・・・
尾州はその素性の良さから、対荷重が加わる場合。
いまある割れが、進む恐れがあります。
現状の割れは、こんな感じ。
それを端金(はたがね)で、押さえてみますと。。
わずかですが、割れが狭くなります。
うん、これなら割れ止めとして。
半分に割ってから、千切りを入れておこうと思いました。
これは以前にお引き渡しを終えた、横須賀市公郷町の小上がりに使った神代タモの無垢板テーブルです。
エアコンなどの暖房熱により、これ以上が割れが進まない様。
私が千切りを入れている所です。
千切りについて、詳しくは下記のリンクをご覧下さい。
と言う事で、普通なら捨てられてしまうであろう無垢板材が。
なんとまぁ大工もびっくりな、高級木材だった事が判明してしまいました。
利用用途がまとまったので、奥様にも安心して頂けたのですが。
「前の工務店だったら、この板捨てられちゃってたかもしれないんですよね。。
中尾さんの所に頼んで良かった!」
と有難いお言葉を頂けましたが。。
多分ね。
前の工務店さんはね。
それが普通なんだと思います。
うちはね。
無垢材や自然素材に関しては、めちゃめちゃオタクレベルにありますので。
ちょっと私が、ぶっ飛んでるから・・・
うちがおかしいんだと思います(笑)
そこに集まるクライアントの皆様も。
まー普通な方って、絶対に集まりません!
よね?!(笑)
古材建具の使う場所も決まったし。
尾州の無垢板を再利用する場所も決まったし。
キッチンのモザイクタイルや、照明もほぼほぼ決まったし。
ざっと6時間近く、打ち合わせを行った週末でございました!
と言うことで、横須賀市に建てる注文住宅 古材建具や無垢板の再生いろいろ
無垢材オタクの私も驚いた、高級材が眠っておりました!
これから相談される皆様、古家があって価値を知りたい。
そんな方は私に一声掛けてから、解体する事にして下さいねー☆
希少価値の高い無垢材を扱う店には、希少価値の高い古材も集まるんですね。。
Comment
古材建具を再利用して頂いた事により、半分思いつきの小上がりがすごい事になりましたね!思入れのあるステキな空間になったと思います!
本当にありがとうございました!
また週末に、建具の戸の色を落としに行きたいのです!
大津2児の父さん☆
本当に小上がりが、濃いゾーンになってますね(笑)
色落としなら、やって頂いて構いません。
私は打ち合わせ中かもしれませんが、そんなに難しいモノでは無いので・・・
チャレンジされる事をお勧めします!