注文住宅の家を建てる費用はいくら?気になる予算の基礎知識
建売住宅の様な家ではなくて、自分好みの注文住宅の家を建てたい。
人生で大きな買い物となる注文住宅の家は、一戸建ての家を手にする上で最も理想を叶える事の出来る家です。
建築家の建てる家、ハウスメーカーのブランド力を感じる家、地元を知り尽くした工務店が建てる家、それぞれ様々な注文住宅の家があります。
でもやっぱり気になるのは、その予算ではないでしょうか?
夢の実現と言われている、注文住宅で建てるマイホーム。
今回は新築の注文住宅に特化している中尾建築工房から、注文住宅を建てる前に知っておきたい予算の基礎知識をご紹介いたします。
1.注文住宅の全国的な費用は?
こちらのデータは2018年7月13日に住宅金融支援機構 国際・調査部が発表した、2017年度の所要資金(注文住宅及び土地付注文住宅)になります。
注文住宅(全国)の所要資金は、2014年度以降、4年連続で上昇しており、 土地付注文住宅(全国)の所要資金は、2013年度以降、5年連続で上昇しています。
注文住宅でも、土地付き注文住宅でも、いずれも費用が上昇傾向になっている事が分かります。
このデータで分かる事は全国的な注文住宅を建てる際の費用は、平均的な数字を見ると3359万円と言う事になります。
もちろんこの金額には、土地代は含まれておりません。
純然たる建築資金のみの数字です。
それでは次に、都道府県別の平均建設費も見ていきましょう。
このデータを見る限りでは、注文住宅の戸当たり建設費(全国平均)は、3,356万円(前年度3,312万円)と上昇。
最高は東京都の3,936 万円(同前年度3,934万円)、最低は鹿児島県の2,824万円(島根県前年度2,514万円)である事が分かります。
私たちが暮らしている、東京圏と言われる千葉県+埼玉県+東京都+神奈川県の1都3県は都道府県別の注文住宅の平均建設費は3359万円に対して、さらに上回っている事が分かります。
関東地方の平均建築費はどの様になっているでしょうか。
都県 = 2017年平均建築費 (前年度建築費) 上昇額
- 東京都 = 3936万円 (3934万円) 2万円UP
- 神奈川県 = 3699万円 (3664万円) 35万円UP
- 埼玉県 = 3462万円 (3434万円) 28万円UP
- 千葉県 = 3377万円 (3254万円) 123万円UP
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- 茨城県 = 3209万円 (3185万円) 24万円UP
- 栃木県 = 3143万円 (3112万円) 31万円UP
- 群馬県 = 2986万円 (2982万円) 24万円UP
ご覧の様に関東地方の平均建築費は、いずれの都県も上昇しており2万〜123万円も上昇している事が分かります。
東京都にアクセスの良い神奈川、埼玉、千葉は全国平均よりも上昇。
東京都に隣接していない茨城、栃木、群馬は全国平均よりも下回っている事が分かります。
ただしこれらの統計は、あくまでも土地取得の為に借り入れをしていない方が対象となっております。
土地は自己資金で賄っているか。
親御さんや親族で所有している土地に家を建ててますので、土地取得に借り入れの必要がありません。
ご覧の様に高額な建築費用が掛けられるのは、あくまでも土地がある前提の話となります。
土地も新たに購入し、注文住宅を建てる方では、ここまでの建築費用が掛けられないとも言えるでしょう。
土地があるって、とっても素敵な条件だと思ってしまいます。
2.土地と注文住宅のバランスを取ろう
こちらの画像の注文住宅は葉山に建つ緑と風の家です。
葉山町独特の緑や、潮風を感じる事の出来る2Fリビング。
お気に入りの無垢の床材に、オーダーメイドで制作をしたステンレスキッチン。
調湿機能の高い珪藻土で仕上げられた内装は、葉山の湿気をしっかりと調湿コントロールが出来る機能的な自然素材の家です。
同じ様な家を望まれる方も居らっしゃるでしょうし、全く違う雰囲気の注文住宅を建てたい方も居ます。
それこそ注文住宅ですから、10人のクライアントが居れば10通りの家があって良い訳です。
ですがやっぱり気になるのは、注文住宅の費用ではないでしょうか。
土地代は明確に販売図面に記載されてますから、パッと見るだけでも費用が分かります。
ですが注文住宅は要望によって、費用の変動が起きる家です。
注文住宅の内容を重視したいのか。
もしくは家を建てる立地を重視したいのか。
この内容によってあなたの注文住宅を建てる計画は、しっかりとレールに沿って走れるかが決まっていきます。
あなたは土地と注文住宅の要望、どちらを優先されるのでしょうか。
ここで気になるのは、土地と家のどちらが優先なのかと言う事がポイントの一つになります。
住みたい人気のエリアが優先なのか。
それとも理想の家を建てる為に、エリアはどこでも良いのか。
はたまた予算が潤沢にあるため、どちらの要望も叶えてしまうか。
これらを検討する必要がありますよね。
ここは是非、ご夫婦ともに意見の交換を積極的に行いたい部分です。
家を建てた後に後悔する様では、注文住宅を建てる意味がありません。
まずは土地を優先するのか。
それとも家を優先するのか。
はたまたどちらも優先するのか。
これらの事を考える必要があるよと言う事が、注文住宅を建てる上で必要である事が分かりました。
人気のあるエリアであれば、土地取得の為に大きな費用が掛かるでしょう。
この場合は注文住宅の予算を減額してでも、住みたいエリアを選んだ方が良いでしょう。
注文住宅とは言え、実際には年々資産としては目減りします。
ですが不動産と呼ばれる土地については、人気のあるエリアは売値がなかなか下がりません。
また良い時期に購入すれば、不動産の価値が上がる事も想定出来ます。
土地代に費用を回すのは、将来的に資産を目減りさせない為には大変有効です。
どうしても家の要望を諦めたくない。
そうでなければ注文住宅を建てる意味が無い。
そう思って相談にお越しになられて、注文住宅を建てて住まわれている方も実際には居らっしゃいます。
住みたいエリアの要望もあまり無い。
将来的に資産についての不安が無い方は、納得の行く注文住宅を建てる方が良いでしょう。
建てた後に後悔もしませんし、好きなモノに囲まれて過ごす事はストレスフリーの生活をする為に大切な部分です。
おそらくごく稀のお話だと思いますが、土地の要望も全く諦めない。
家の予算だって理想が叶うのであれば、注文をしまくって叶えたい。
この様な方は資金的にも余裕があるのでしょうから、やり切ってしまった方が良いでしょう。
余裕がある方ほど変な部分でコストを下げると、後々になって後悔する事にもつながります。
ただし私の過去を振り返っても、その様な方は今まででたったお一人の方しか居ませんでした。
まずは自分たちの住みたい家がどの様な家なのか。
住みたい場所が優先なのか。
それとも満足度が優先なのか。
優先順位を決める事が大切だと言う事が分かりました。
では土地代と注文住宅を建てる費用だけで、あとは必要が無いのでしょうか。
3.諸経費の存在も忘れずに
注文住宅を建てる際、土地も必要ですし建築費用も必要です。
それだけでなく、土地と家を取得する為には諸々の経費が必要です。
これらの経費をまとめて諸経費と言われるのですが、諸経費の内訳はどの様なモノがあるのでしょうか。
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士報酬
- 固定資産税
- 不動産取得税
土地の契約や引き渡しの際には、銀行で司法書士立会いの元で行われる事が多いです。
この際に発生するのが、これらの諸経費です。
- 融資手数料
- 保証料
- 火災保険料
- 地震保険料
- 団体信用生命保険料
ローンの費用は大した事はありませんが、保険料については保険の内容で大きく変わります。
火災保険の内容によっては天災時に発生した家の修繕工事費を対象に、保険が支払われたりします。
団体信用生命保険料は、フラット35以外の住宅ローンでは必須の保険料です。
ローンの契約者が疾病にかかってしまったり、亡くなってしまった場合は住宅ローンの支払い義務は無くなります。
ですから絶対に入っておくべき保険だとお考えください。
- 不動産仲介手数料
- 引っ越し代
- インテリア・家具代
- 家電、諸経費
土地を紹介してもらえば不動産の仲介手数料が必要です。
引っ越し代も自分で行えばタダですが、ほとんどの方が引っ越し業者に依頼をする事になるでしょう。
時期的に繁忙期で無ければ、引っ越し代も格安になりますし、繁忙期ならとても高額な引っ越し代金が必要です。
これらの費用が土地と注文住宅以外に掛かってくる費用の項目です。
土地の購入費や家の建築費、保険の充実さにも寄りますが、概ね土地と家の総額に対して8%〜10%を見ておいた方が良いでしょう。
土地と家の費用については、住宅ローンで一括して借り入れする事が可能です。
でも実際には金利の部分を割安にする為、自己資金の用意があると良いでしょう。
理想は30%程度と言われてますが、20%でも利率を優遇してもらう事は可能です。
諸経費は現金での用意が必要ですから、日々の貯蓄も忘れない様にしましょう。
なお自己資金が無い場合でも、住宅ローンとは切り離したフリーローンを採用する事で諸経費分の融資を受ける事も可能です。
様々な諸経費がある事が分かりましたね。
あなたは今、お財布の中身が頭をよぎったのではないでしょうか。
要望を叶える為には、日々の散財は控えたいモノです。
4.注文住宅の費用を予算別で考えよう
理想を叶える為の注文住宅を建てるなら、費用を大切に仕分ける事が必要です。
予算が限られているのであれば、それこそ無駄に使っている様では理想を叶える家が建ちません。
ではどの様な形で進めて行けば、納得の注文住宅を建てる事が出来るのでしょうか。
こちらの施工例は、葉山に建つ1000万円台後半の家です。
1000万円台で注文住宅を建てる場合はプランニングで要望を叶えたら、設備や仕様の面でコストコントロールを行いましょう。
反対に設備や仕様を譲れないのであれば、プランニングの規模を縮小する事も大切です。
依頼先には注文住宅専門の工務店もあれば、建売と注文住宅を同時に手がける工務店もあります。
ここで気をつけたいのは建売住宅と注文住宅では、設計や施工管理のレベルが全く違います。
あなたの意匠的な注文を理解して、対応出来る工務店がどうか。
あなたの要望に耳を傾けられる工務店かどうかも鍵となるでしょう。
自然素材の家であれば、内装の作業をクライアント自身が行う事でコストダウンも可能です。
珪藻土の壁塗り、外構のウッドデッキ、フローリングのペイントなどなど、施主でも出来る様々な作業があります。
施主施工で作業をしなくとも、建物の間取りをシンプルにする事で、予算に落とし込む事も可能です。
1Fリビングの家なら2Fをがらんどうの造りにする事で、大工工事などの作業を減少する事が可能です。
作業が少なくなれば必然的に工期も少なくなりますので、入居前に時間の無い方にはメリットがあるとも言えるでしょう。
私の会社でも1000万円台の後半であれば、実際に過去例で建てて来た経験があります。
私は自然素材専門ですから、ほとんどの方が壁塗りに参加したり、ウッドデッキを作ったりもしています。
本来なら全てお任せで依頼をして頂けるのが、一番ありがたい事でもあるのでしょう。
ですが実際にはどの予算帯の方でも、潤沢に予算が捻出出来る訳ではありません。
その様な方を対象にお教えする事が出来るのは、私なりのコストダウンの方法です。
私がもともと大工の棟梁だったのは、施主施工のお手伝いをする上で最良の経験だったとも言えます。
こちらの施工例は、横須賀市に建つ2000万円台の家です。
2000万円台で注文住宅の家を建てる場合、割とプランニング自体を大きくされる傾向があります。
建物にゆとりを出すなら、設備系はシステムキッチンなどを採用する事で予算を守る事が出来ます。
好みのルールバルコニーを造ったり、自然素材にこだわったり、快適なバスルームを選ぶ事も可能になってくる予算です。
おそらくこの価格帯が、土地から購入する神奈川県内の家には最も多いと思います。
どの会社も坪数を下げれば坪単価が下がると思われがちですが、実際の注文住宅ではその様な形ではありません。
- キッチン
- バスルーム
- 手洗いボウル
- トイレ
これらは各ご家庭に、1つあれば機能します。
2つや3つにするのは、トイレぐらいだと思います。
つまりこれらはどの家でも固定されているモノですから、坪数が変わったところで減額する訳ではありません。
ですからむやみやたらに坪数を減らすよりも、本当に必要なモノと必要でないモノを見極める事が大切です。
あなたの建てる注文住宅を賢く手に入れる為にも、ぜひ要望をしっかりとまとめて家づくりを進めて頂ければと思います。
こちらの施工例は、三浦市に建つ3000万円台の家です。
3000万円台で注文住宅の家を建てる場合は、建物の大きさを大きくする事も出来ますし、逆に小さく造って内容を充実させる事も可能です。
オーダーメイドのキッチンを選択する事も出来るでしょうし、無垢材に大きなこだわりを持つ事も可能です。
バスルームも在来形式のバスルームを造作する事だって可能です。
大開口の木製の窓や、無垢の玄関ドア、最高クラスの断熱性能を持つ家が建てられると思います。
割とゆとりがあるはずなので、どれを選ぶかの自由度も高いです。
予算のある場合は柔軟に選べるモノが広がってしまうので、設計期間は比較的長く掛かるのが特徴かもしれません。
高額な予算だけに、慌てず焦らずのプランニングを計画する事が大切だと思います。
しっかりと慌てさせない計画を進める工務店と、じっくりとした打ち合わせをする事で満足度も上がる事でしょう。
予算があればあるほど、夢が現実的に叶う事が分かりました。
ですが実際に多くのクライアント様の家を建てて来た経験では、誰しも家に掛けれる費用が潤沢にある訳ではありません。
3000万円台の予算のある方は、1000万円台の予算の方から見れば、潤沢に予算がある様に見えるでしょう。
ですが3000万円台の予算の方には、それ以上の要望があったりするのが現実です。
ですからじっくりと打ち合わせを重ねて、必要なモノとそうで無いモノ。
これらを見極める引き算のコストコントロールをしながら、じっくりと進める家づくりがオススメになります。
実は中尾建築工房では、請負契約を一番最後にしています。
最終的な落とし所まで来た段階にならないと、クライアント側としても安心して契約をする事が出来ないと考えているからです。
その経験上でのお話になりますが、引き算の家づくりを進める事で安心して計画を進める事が出来るのだそうです。
何より私たちが目指しているのは、高額な家を建てるのが目的ではありません。
私たちを経由して家を建てた方の満足度を、どれほど高いモノにする事が可能なのか?
注文住宅の家を建てて、どれだけ満足してもらえるのか?
これが私たちの目指している家づくりであり、私たちのプライドでもあります。
5.まとめ
いかがでしょうか。
注文住宅を建てると決めた時、ありとあらゆるバランスを取る必要がある事がお分かりになられたかと思います。
もしもこれらの問題が分からない場合は、良心的な施工業者を頼りましょう。
あなたの注文住宅を建てる計画を寄り添ってくれるはずです。
もしもあなたが神奈川県内で注文住宅を検討されているなら、中尾建築工房でもお手伝いをする事が可能です。
特に自然素材を採用した家づくりであれば、神奈川県内では特化している工務店です。
必ず人生で最高の家づくりをあなたに、提供させて頂く事をお約束いたします。