注文住宅を建てる地元工務店の選び方【2019年版】〜おすすめな工務店選びの基礎知識〜
よし、家を建てよう!
そう思って、あなたは地元の工務店を探すかと思います。
ですが、ちょっと待ってください。
あなたが建てたい家は、どの様な家になりますか?
ここを分かっていないと、あなたの家づくりは空回りをするかもしれません。
そこで新築の注文住宅を専門にしている中尾建築工房から、おすすめ出来る2019年版の工務店選びの基礎知識をご教授させて頂きます。
1.建売ベースの家を得意とする工務店
ここでは、2019年版の裏事情を含めて書き上げたいと思います。
「中尾さん、僕は建売の話なんて聞きたくないですよ!」
はい、分かってます。
でも注文住宅を建てるからと言って、建売の話が関係の無い様に思うのですが。
土地をこれから購入して注文住宅を建てる方にとって、とっても関連性の高いお話になってしまいます。
ですからここはお茶でも飲みながら、読んで頂ければなぁと思います。
では真面目に解説をして行きますね。
建売住宅を施工する工務店は、ほぼ建売専門と言っても過言ではない工務店があります。
注文住宅を建てられると謳ってはいるものの、その内容と言うのは建売住宅がベースにある注文住宅です。
建売住宅を専門にしている工務店が、なぜ注文住宅も建てる様にシフトしているのか。
実は建売業界の中での、裏事情があります。
■2019年版の建売住宅業者の裏事情
建売住宅を専門にしている工務店が、注文住宅をやり始めるのには理由があります。
近年では超ローコストビルダーと言われる、全国規模のグループ会社があります。
もともとはそれぞれが単独で活動してましたが、業界のトップを狙う事で一つのグループ会社になりました。
それらの建売住宅業者はとにかく資金力がありますので、土地の仕入れにも高額な仕入れをする事が可能です。
それら建売業者の製造原価はグループ会社に統一する事で、一棟(延床25〜27坪)に対して500万円を切る価格帯まで下がっています。
用地の仕入れが高額でも、建物を販売する利益充分な採算を取る事が可能となります。
販売しても売れなければ、100万円単位で売値を下げて行きます。
ですから地元の建売業者では、用地の仕入れで太刀打ちが出来ない状態です。
結果的には建売住宅の販売を諦め、用地の仕入れを必要としない注文住宅も建てる結果となります。
この様に建売業者の世界では、大手の圧倒的な資金力と情報力の前では、地元の建売業者が刃が立たないと言う裏事情があります。
ですから注文住宅を、建売業者がアピールする様になります。
ここで注文住宅を建てたいと希望される多くの方の本音を考えてみましょう。
建売は何件か見てみたけど、ピンとくる家が無い。
だったら建売ではなく、注文住宅を建ててみたい。
と言う事で、注文住宅のドアを叩く事になります。
ですが建売住宅を専門にしている工務店に、注文住宅の依頼をしたとしましょう。
結局は建売のノウハウで設計施工するだけなので、注文住宅の提案をしたとしても、決まり切ったモノしか提案する事がありません。
多少の設備を変えたりする程度なら出来るのでしょうが、注文住宅を検討される方に響く様な家にはならないと思った方が良いでしょう。
これらの工務店の中には、不動産業者からの紹介を受けて建てる工務店も含まれます。
中には設計は建築設計事務所に依頼をし、施工をこれらの工務店で行う場合もあるでしょう。
ただし設計事務所の図面を読み解くノウハウがある訳でも無く、ただ職人の手配をするだけです。
決まり切った家を造るなら、何とかなるかもしれません。
ですが難しい内容の図面を読み解くレベルには、無い事だけははっきりと分かります。
ここであなたに、しっかりと覚えておいて頂きたい事があります。
あなたは建売住宅を買わないとしても、あなたが関わる裏事情がここにあります。
それは一体どの様な裏事情なのでしょうか。
■2019年独特の裏事情
建て売り住宅会社が用地を仕入れらないほど、超ローコストビルダーの用地購入は活性を上げています。
大型の用地も購入しますが、小さい区画割の土地でも建売用地として仕入れます。
あなたが土地探しでまごまごしていると、超ローコストビルダーに先を越されてしまう事もあります。
ひどい場合は土地の情報すら出る前に、土地が無くなってしまう可能性があると言う事も覚えておいて下さい。
特に人気のある地域の場合は、超ローコストビルダーにとっても売りやすい物件となります。
ですから人気のある地域で、土地を探されている場合は注意が必要です。
これが建売住宅業界の中で、繰り広げられている問題です。
土地があれば簡単に用地を仕入れてしまいますので、注文住宅を建てたいあなたの土地すら仕入れの対象になっているのです。
ですから2019年は注文住宅で家を建てる方にとって、土地探しでじっくり検討をする余地が非常に少ない時期だと言えるでしょう。
2.注文住宅専門の工務店
注文住宅を専門にしている場合、設計にも施工にも一工夫をしている工務店が多いと思います。
地元の地域で注文住宅のみで活動する場合、下手な家を建ててしまうと後々大変な噂になってしまいます。
ですから自社で考えた工法だったり、家を長持ちさせる為に必要な事を考えて活動をしています。
注文住宅を建てる場合、工務店側が行わなければならないのが原価計算です。
どれだけ複雑な建物でも、しっかりとした構造で引き渡しが出来る様にするのが当たり前。
現場で働く職人さんにも、良い仕事をしてもらうべく賃金を削り過ぎたりはしません。
資材の仕入れも、メーカーとしっかり取り決めを行い、極力可能な割引を促します。
常にコストを意識して、プランや積算を行いますので。
収まりの管理と同様に、製造原価の管理が出来るかに掛かっています。
- 職人さんの手間賃
- 資材の仕入れ費用
これらの集合体が、注文住宅を建てる専門の工務店で家を建てる場合の費用になります。
注文住宅を建てる場合は、この製造原価の管理や計算がとても大切になります。
建売住宅がとにかくコストを削って行く一方で、注文住宅専門の場合は削ってはいけない部分を工務店は知っています。
その様なコストカットをする事で、家がダメになってしまう
これを知っている注文住宅専門の工務店は、絶対にそれらのコストカットを行いません。
地域の風土を知っている工務店は、それに削ぐあわない家を建てません。
それが後々で、大きなクレームになってしまう事を知っているからです。
それらのこだわりと言うのは、建売住宅を横に並べれば一目瞭然で分かってしまいます。
つい先日も建築現場の見学をされる方が居ましたので、現場にお連れさせて頂きました。
その際には私どもの施主様も、現場で壁塗りの作業を行っておりました。
ご主人様が見学者の方に色々と説明されている間、奥様からはこんな事を言われました。
「本当にコツコツと、丁寧に造ってくれてるのが分かりました!」
なんの事かと思いまして、話をよくよく聞いてみますと外壁下地の内容でした。
たまたま、隣に建てているのは建売住宅です。
すでに完成をして販売を行ってはいるものの、申し込みが入らない様でした。
その隣に、私どもの施主様の家があります。
工事着工時期は建売住宅の方が早い状態でしたが、建売住宅は壁などを打ち付けるだけで終了。
中尾さんの職人さんは、横に貼ったり、縦に貼ったり、またまた横に貼ったりして、何層も丁寧に作業をしてくれていた。
建売住宅と違って、骨組みとか下地とか、もう何から何まで全然違うんですね!
はい、お褒めの言葉を頂きまして、ありがとうございます(笑)
こちらの施主様は現場の近くに住まわれているので、頻繁に現場に訪れていた様です。
構造の段階から並んで建ちますと、私たちとしてはこだわりを分かって頂けるのが有難い部分です。
確かに建売住宅と比べてしまうと、注文住宅専門でやっている私としては、比べ物にはならない造りだとは自負をしています。
ありとあらゆる部分を、簡素化するのが建売住宅です。
ありとあらゆる部分をしっかりと考えて、素材を選んで建てているのが注文住宅です。
あなたは建売住宅の安さを魅力として取りますか?
それとも、地域の風土を理解して建てる工務店を選びますか?
3.ハウスメーカーの様な工務店
工務店の中には、ハウスメーカーと変わらない体勢の工務店もあります。
私の印象ですと営業マンを置いている工務店や、住宅展示場に出店している工務店が、ハウスメーカー色の強い工務店に該当します。
ハウスメーカーの様な工務店の場合、多額の宣伝広告の経費を掛ける事で知名度があります。
- 雑誌に掲載されている
- ネットのポータルサイトにも掲載されている
- 紹介カウンターにも掲載されている
- 住宅展示場にも出店している
- テレビやラジオのコマーシャルにも出ている
- 本社が高そうなビル内にある
ありとあらゆる宣伝広告費用を掛けて、あなたの目に最も止まりやすいのがこれらの工務店です。
これは私が常々言い続けている事ですが、全国規模のハウスメーカーと同じ戦略を練る工務店の場合は、膨大な宣伝広告のコストが掛かってしまいます。
■全国規模のハウスメーカー
全国規模のハウスメーカーであれば、大量の宣伝広告費をかけた分を支店単位で回収出来るメリットがあります。
本社からの情報発信になりますが、支店にも有効的に宣伝広告費用の集客効果を反映する事が可能です。
■ハウスメーカーの様な工務店
ハウスメーカーの様な工務店は、大きい会社でも二つ程度の県で活動している事になるでしょう。
この辺りでは神奈川県内、東京都が対象になりやすいかと思います。
この場合の宣伝広告費用はハウスメーカーの全国に比べて、たった2都道府県で回収せざる得ません。
集客効果はあるのでしょうが、過剰なまでの宣伝広告費用は建物の品質を落とすか、販売価格を上げるかでしか回収のしようがありません。
これらのコストは、どこから捻出しなくてはならないのでしょうか。
あなたもすでにお分かりだと思うのですが、それらの宣伝広告のコストはあなたの建てる家の見積もりから捻出される事になります。
それでもハウスメーカーの様な工務店のブランドがお好きであるなら、それはそれでも良いのです。
ハウスメーカーの様な工務店で建てた事により、住宅商品+満足度と言うモノが購入出来る訳です。
ただし実際に建てられた家の原価は、多額の宣伝広告費用を差し引かれた家になります。
あなたが多額なお金を支払っているにも関わらず、その家の原価は掛けただけの家では無いと言う事を覚えておく必要があります。
あなたはハウスメーカーの様な工務店のブランドを取りますか。
それとも、掛けた費用に見合う家を選びますか?
まとめ
この様に地元の工務店と言っても、様々な業態で活動している事がお分かりになったかと思います。
特に2019年は建売住宅業界のパワーバランスにより、プロである建売住宅会社が用地を買えない位の激戦状態にある事がお分かりになったかと思います。
ぜひあなたの望んでいる家を建てる為にも、あなたの望む専門性の高い地元の工務店にたどり着いてください。
どこに問い合わせをして良いのか分からない場合は、私に直接聞いてください。
もしも私の専門と違う家をお探しであっても、あなたがどの依頼先に行けば良いのかアドバイスは出来ますからね。