注文住宅を建てる不動産物件を購入〜下見するなら悪天候時がおすすめな理由〜
注文住宅を建てる時に土地が無い状態であれば、最初に土地という名の不動産物件を購入する様になります。
この不動産物件を購入するなら、実は天候の良い時に見るのではありません。
可能であるなら、悪天候の時に下見をするのが望ましいのです。
それは一体なぜでしょうか。
地元に精通している中尾建築工房から、なぜ不動産物件を購入する際に悪天候時の下見が良いのか。
そんな事を解説したいと思います。
1.天候で不動産物件の表情は変わる
お気に入りの土地に注文住宅を建てるなら、まずは土地と言う名の不動産物件を見て回る事になりますよね。
その土地を見て回る場合、天気が良ければ物件を見ながら。
おしゃれなカフェで、ランチを楽しんだりする事も出来るかと思います。
そして物件を見て回ったら、買い物をして自宅に帰る。
そんな週末を過ごすのが、一般的な不動産の買い方だと思います。
私は湘南や三浦半島の家々を建てて来た訳ですが、地元に居ながら大変な悪天候の時も経験してます。
私は不動産を売る立場の人間ではありません。
ただし家を建てる専門家ですから、不動産物件の見極めについては詳しいです。
ですから初めての不動産購入をするなら、悪天候時に見に行くをお勧めしています。
なぜなら天候の良い時と、悪天候時と言うのは。
不動産と呼ばれる土地は、その表情を変える事があるのです。
では、どの様に表情が変わると言うのでしょうか。
2.山林が近くにある場合のリスク
山林などがそばにある不動産購入を検討していた場合、山林の緑から心地よい空気が運ばれてくるかと思います。
気持ちが良いなぁと思いつつ、あなたは不動産の購入で判を押してしまったとしましょう。
そして一般的な工務店で家を建てて、大型の台風が来たとしましょう。
山林からはたくさんの小枝や葉が飛来し、庭や駐車場には様々なモノが飛んで来る事になります。
大木は大きな音を立て、風に煽られる事になります。
自分の購入する土地と距離がある場合はまだしも、あまりにも近い場所なら恐怖を感じる事になるでしょう。
この様な山林が近くにある場合、場合によっては集中豪雨がある事によって、地滑りを起こすリスクもあります。
実際に私たちの周辺には、どの様な災害があるのでしょうか。
この様に私たちが活動している鎌倉や逗子に葉山、横須賀市では、山々が非常に多いです。
それだけに土砂崩れや崖崩れも、影響が出ているのが現状だと言う事がお判りになるかと思います。
悪天候時に土地を見るだけで、周辺の環境が分かると言う事を覚えておいてください。
時間にゆとりがある方で、この様な土砂崩れや崖崩れが心配な場合。
横須賀土木事務所などで、土砂崩れや崖崩れなどの情報提供があります。
3.河川が近くにある場合のリスク
河川が近くにある場合、悪天候時には河川が氾濫をする場合があります。
中尾建築工房の近くにある海岸線には、景色を楽しめる海岸線が県道にあります。
波の勢いにもよりますが、過去には県道の橋が崩落した過去もあります。
もしも万が一にも、河川が氾濫した場合はどうなるでしょうか。
河川が氾濫した場合、床下浸水するまでにはならないと思いますが、土留めに影響が出るかもしれません。
河川の土留め自体が古い場合は、氾濫した潮流に耐えられるかは誰にも分かりません。
この場合のデメリットとしては、建物の下にも多くの水が回る事によって、不同沈下を引き起こすデメリットがあります。
新築の家を建てれば、地盤の保険が付帯される事になります。
ですが最初から分かっているのであれば、その様な場所は選ばない方が賢明だと思います。
土地を探されている方には、この様なデメリットがあるんだよとお伝えをしています。
4.突風が吹く場所のリスク
海の見える景色の良い場所や、谷戸になっている地域に多いのですが、不動産物件には突風が強く吹く場所もあります。
2018年は、たくさんの台風が来ましたよね。
私の趣味は葉山での沖釣りなのですが、とにかく台風の影響で海に出る事は少ない年でした。
海に出てみると良く分かるのですが、海から見える陸地の場所と言うのは。
台風などが来た場合、とにかく突風が吹くと思って良いでしょう。
仮に大型の台風が来たとしましょう。
■海が見える立地の場合
陸地から海を見渡す場所と言うのは、非常に景色が良いと思います。
その反面で海を見渡すと言う事は、海からも丸見えと言い換える事が出来ます。
この様な立地の場合は、台風や強風時にとてつもない風が吹きます。
風向きにもよりますが、古い家などは屋根を持って行かれてしまうほど強い風が吹きます。
ですから地元の方々の場合、屋根をワイヤーなどで抑えている家なども見かける事があります。
■谷戸や台地の入り組む立地の場合
三浦半島の南側に多いのですが、谷戸や台地の入り組む立地は突風が吹く事が多いです。
台地は突風の影響をまともに受けますし、谷戸の場合は山々に囲まれてくぼんだ場所です。
山にぶつかって谷戸に流れた突風は、さらに勢いを増して吹く事になります。
■ビル風が吹く立地の場合
比較的高い建物が建つ場所に、ビル風の様な突風は多いです。
都内のビル群で強風時を経験した事のある方なら、きっとご存知だと思います。
体が風で押されてしまう位、とてつもない強風が吹きます。
住宅密集地であり、用途地域も第1種中高層専用地域などの場所は、ビル風の様な突風の影響を受ける事になります。
2本脚で屋根を支えるカーポートをご覧になった事がありますでしょうか。
屋外の駐車場に、屋根を設ける場合に利用される事の多いカーポートです。
割と大型の台風が来た際、このカーポートが風に煽られて吹き飛んでしまったのを目にした事があります。
そんな時に限って、お隣の高級車に屋根が落ちてしまい・・・
火災保険での対応になるのでしょうが、それはとてつもない風の力を思い知る事になりました。
シャッターを悪天候の際に、締めると言う方が居らっしゃると思います。
確かに窓ガラスだけですと、強風の際には怖い思いをするかもしれません。
ただしシャッターも、完全で万能と言う訳ではありません。
閂(かんぬき)の役割を持つシャッターガードを付けてないと、突風でシャッター自体がガイドレールから外れて暴れてしまいます。
実際にシャッターが飛び出してしまうと、風が収まるまではどうする事も出来ません。
突風が吹いてる間は、ひたすらシャッターが風に煽られて踊っている状態になります。
もしも人に当たってしまったら、生死に関わる事故になりかねません。
竜巻は海上でも見かける事がありますし、陸地でも目にする事があります。
たまたま目の前で、竜巻を見かけた事がありました。
周りには何も無い場所で、ポツンと小屋が建つ場所だったのです。
その竜巻はスルスルと小屋の方に向かって行き、竜巻が小屋に当たった瞬間。
ドーーーンッと大きな音をたて、小屋の屋根を吹き飛ばしてしまいました。
まさに一瞬の出来事でしたので、私も目を疑うほどの衝撃でした。
実は場所によって、新築中の家が倒壊するほどの強風が吹いた事がありました。
もちろん私たちで建てている、新築の家の事ではありません。
たまたま逗子に私たちの現場がありました。
その近所で新築の建売住宅3F建てが、上棟したばかりの状態でした。
2棟の3F建てが並んで建てられたのですが、1棟はくの字に歪んで立ち尽くしていました。
そしてもう1棟は、完全に倒壊して潰れてしまっていました。
骨組みの状態でしたから、風が吹いても抜ける状態なのにも関わらずです。
この様に場所によっては突風が強く吹く場所あったり、竜巻が発生したりする場所もあります。
景色が良いからと安楽的に考えていると、ご入居後に大変な目に合う事も予測されます。
■不動産のプロでも読み切れない?
私の会社で家を建てた方の中には、不動産業に精通している方も居ます。
その場所は台地の場所で、海を三方向に見渡せる場所でした。
私が最初に言ったのは「強風時のリスクは半端無いですよ」と言う事。
不動産業に精通している方なので、私の話を大袈裟と捉える印象もありました。
ですが家を建てて実際に住んだ後。
「社長の言っていた事が良く分かりました。。
言われた通りにしておいて、本当に良かったです。」
不動産のプロでも、物件については色々な知識があるでしょう。
ですが立地特有のデメリットは、そこまで読み切れるモノではありません。
ぜひ注文住宅を建てるために不動産を購入するのであれば、建築のプロにも見て頂いてリスク回避をしながらプランニングをしていただければと思います。
5.まとめ
いかがでしたか。
不動産物件を購入するなら、悪天候時に下見をする事に意義がある事がご理解出来たかと思います。
先にリスクを知る事で、ある程度の事を想定する事が出来ます。
もしくは近所の方に、話を聞く事もおすすめ出来ます。
購入してから知ってしまうと、後悔する事にもなりかねません。
ぜひ注文住宅を建てる不動産物件を購入するなら、悪天候時の下見をしてみて下さい。
その上で安心出来る事がある事も、覚えておいてくださいね。
でも万が一、震災クラスの悪天候だったとしたならば。
ぜひ逃げる事を優先して頂くのも、間違いありませんからね(笑)