移住で人気の鎌倉市や逗子葉山の土地取引|売主も買主も思ってしまう大手不動産会社だから安心は本当か?
2024年が始まって、そろそろ土地の価格が落ち着くかなーなんて思っていても、その人気はなかなか冷める傾向が出て来ないですね。
中には土地の取引において買主も売主も不思議に思う、あるルールがあるのをご存知でしょうか?
そこで移住のサポートをさせて頂きつつ自然素材の注文住宅を建てる専門家の中尾建築工房から、大手不動産会社ならではの、あるルールについてご説明をして行きたいと思います。
今回は特に売主になっている方を対象に、もろもろ説明をして行きますからね。
1.大手だから安心は本当か?
大手の不動産会社と言えば、すぐに出てくるビックネームがあると思います。
例えば鎌倉市や逗子葉山エリアを限定してみると、住○不動産販売であったり、三○のりハウスなどと言う名前がすぐに浮かんでくると思います。
大手ですからあちこちの媒体で見かける様、広告宣伝費をたくさん使ってありとあらゆる媒体に名前を連ねています。
そのため大手だから安心と言う発想になるのは、至極当たり前の事なのかもしれません。
では何故、大手不動産会社はそれほどの資本力であったり、たくさんの宣伝広告費を使える体力があるのでしょうか?
もっと言えば、必ず駅前の好立地に店舗を構えていると思います。
それだけの経費を、どうやって捻出しているのでしょうか?
これらの疑問を持った上で読み進めて行きますと、あなたが「なるほどなぁ。。」と思うロジックが理解出来ると思います。
2.両手取引が基本
大手の不動産会社に仲介を依頼して、専任媒介契約、または専属専任媒介契約を締結した上で土地を売ろうと思っている方が居たとしましょうか。
ちょっと分かりやすくする為に、大手の不動産会社をA社としましょう。
そして地域専門で営業している不動産会社をB社としましょう。
あなたからの依頼を受けた大手の不動産会社は、土地を最速高値で売ってもらえる事をあなたは期待しているかもしれませんね。
ですからスーモやアットホームなどの情報サイトに自分の物件が掲載されると、なんだか売り出しが始まったんだなぁと感じるかもしれません。
その割に問い合わせがあったと言う報告が無く、一向に売れなかったとしましょう。
実は大手の不動産会社はあるルールがありまして、両手取引を狙っています。
両手と言うのは、売り手と買い手の事の事を指します。
- 売り手=売主
- 買い手=買主
今回のケースでA社はあなたからの依頼があるので、どうやったとしても必ず仲介手数料が発生します。
では買い手の方はどうなるでしょうか?
ここで勘の良い方は、お分かりかもしれませんね。
両手取引と言うのは売主も買主も、いずれもA社が独占で決めるケースの事を表しています。
一つの物件の売り買いで、手数料が片手になるのか。
それとも両手になってしまうのか。
これは大手不動産会社にとっては大きな収入源になりますから、それは両手取引の方を優先したくなる訳です。
ここでの売主のメリットは、大手に任せておけば全て上手く行くだろうと言う安心感です。
デメリットは最初から両手取引を狙っていますので、そんなにすぐには売れないと言う事が言えます。
買主にとっては大手不動産会社に直接行けば、物件自体は案内してもらえるかと思います。
デメリットはB社の様な不動産会社に土地探しをお願いしている場合、B社を介してしまう場合は両手の取引とはなりません。
そのため言われる事と言えば。
その物件は一番手のお客様が居らっしゃいますので、ご案内する事が出来かねます。
と言う相手にされないと言うケースが起こります。
3.囲い込み
囲い込みと言う手法もあります。
ある意味で言えば両手取引を成立させる為に、売主、買主の双方から手数料を頂く事を囲い込みと言われています。
専任媒介契約、または専属専任媒介契約を締結した上で、レインズと言う不動産会社専用の情報ネットワークに掲載します。
その情報を見たB社も新しい物件と言う事で、A社に買主が居る事を伝え様とします。
同じ不動産会社同士なので、お互いに協力して販売をするかと思いきや。
こちらの物件は商談がすでに入っており、成約するので物件のご案内は出来かねます。
と言う手法を使って、B社を近づける事をさせません。
これが囲い込みと言う手法になりまして、自社の顧客以外には物件は紹介出来ないと言うやり方となります。
この囲い込みをされた場合、売主にとってのデメリットはなんでしょうか?
広く情報を掲載してくれていると思いきや、あくまでも両手取引を成立させる為に顧客を払いのけているのと同じ事です。
つまりあなたの売りたい物件は複数人の購入検討者が居るにも関わらず、実際には居ない事になっていると言う状態です。
囲い込み自体は不正な行為であるのですが、実際に大手不動産会社では当たり前の様に行われてしまっています。
つまり囲い込みの行為は、売主にとって最大のチャンスを無くす行為と言えます。
4.値こなし
値こなしとは最初から売れるとは到底思えない金額を提示して、媒介契約を結ぶ手法となります。
売れない価格を提示しておりますので、当然すぐさま売れる訳でもなく問い合わせも起こりません。
両手取引が狙われており、囲い込みもされている状態ですから、売主としては問い合わせが無い状態が続きます。
売主の気持ち的には、まだかまだかと悶々とした日々を過ごす事になるでしょう。
その悶々とした日々が続いて、提示された値段では売れないであろうと思った頃、値こなしを実行される事になります。
このままでは売れそうにも無いので、一気に売値を下げて販売しましょう。
売主のあなたの気持ちを考えれば、最初から売れないと分かっていた金額で提示されていたのか。
たしかに高く売れる分には高いほど良いけど、想定以下の売値に下げる必要があるなんて。
こんな気持ちになってしまうかもしれません。
ですが実際に大手不動産会社では、この様な手法が実際に使われており、私もその手法を目の前でよく見かけています。
5.分譲会社やビルダーを斡旋
大手不動産会社の手法として、こちらもよく見かけるケースです。
あなたの土地が比較的大きい場合、分譲会社や建売住宅などをしているビルダーに販売させようと勧めてくるケースがあります。
ここでは分譲会社や、建売住宅などをしているビルダーをC社としましょう。
この場合の売値と言うのは、相場の70%位になります。
仮に相場で1億円の土地があったとすれば、7000万円で販売すると言う手法です。
個人と違って相手も不動産会社ですし、住宅ローンが通らないと言う事もありません。
すぐに銀行で振り込み手続きを行なってくれますので、現金化するにはとても早いです。
当然のお話ですが。
- 両手取引
- 囲い込み
- 値こなし
- 専門業社斡旋
これらのお決まりパターンをされた訳ですから、少しでも早い現金化を望んでいる場合は70%でも仕方ないとなってしまうかもしれません。
残った30%はどうなるかと言うと、土地を分割するために造成工事の費用や測量の費用最終的に残りが利益に廻されます。
そしてこの契約が成立したとしましょう。
あなたの土地を運良く安く購入出来たC社は、ルンルン気分で造成工事を行うでしょう。
そしてそれらの土地と言うのは、区画割りされて新たに販売される事になるでしょう。
新たにC社から専任返しと呼ばれる媒介契約を、A社はもらえる事になります。
専任返しと言うのは、その物件を再度販売する際に手伝ってくれた仲介会社を再度販売する時にも手伝ってもらう手法です。
売り返しと呼ばれたりする地域もあります。
そしてここでも同じ事が繰り返し行われる事になりますので、一つの土地で何度も大きな手数料を頂く事が出来てしまうと言う事になります。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
現在は移住で人気の鎌倉市や逗子葉山ですが、これらの手法は最近始まった事ではなく、かなり前から行われてきた手法となります。
大手だから安心・・・
その気持ちは良く分かります。
私も過去には賃貸の古家に住んでおり、奥様にブチ切れられた過去があります。
業界人ですから不動産会社の知人友人が居るにも関わらず、ついうっかり三井のりハウスに電話をしてしまうと言う。
まさに刷り込みとは恐ろしいモノなんだなと思った過去があります。
ですが可能であれば売れる価格で、早めに売れれば一番良いのも確かなはずです。
もしもあなたがこれらのケースに当てはまっている場合は、専任媒介契約の期日を確認してみてください。
契約の期間は長くても3ヶ月までですから、その期間が切れたら一般媒介契約に切り替える事が可能です。
もしくはA社を介さずB社の様に、地域で力のある不動産会社に任せるのも一つの手法です。
ですが心のどこかに、まだ大手だから安心。
そんな気持ちが残ってしまっているのであれば、A社とB社のいずれも一般媒介契約にする事をお勧めさせて頂きます。
ここまでお話を進めてきたら、何故大手不動産会社は駅前の好立地に構えているのか。
何故たくさんの広告宣伝費を使ってでも、成立しているのかと言う理由がご理解頂けたかと思います。
もしもあなたがこの様な状況に陥っているのであれば、中尾建築工房にもご相談ください。
そして買主様にとっても、最良のアドバイスをさせて頂く事をお約束致します。
私は不動産業を生業としませんが、現状を把握した適切なアドバイスを行うのは可能ですからね。