おしゃれな注文住宅を建てるポイントを建築家が教えます
注文住宅を建てる時、人それぞれにこだわりがあると思います。
せっかく建てるなら、おしゃれな家にしたいなぁ。
こんな気持ちは、誰もが思っているかと思います。
注文住宅を建てる際、どの様なポイントに注意をすれば、おしゃれな注文住宅が建てられるのか。
湘南や横浜で注文住宅を建てている中尾建築工房から、おしゃれな家の見せ方をご紹介したいと思います。
1.おしゃれにするなら壁やディテールを重視
おしゃれな注文住宅を建てる場合は、家の外観や内観を気にしたい部分だと思います。
「おしゃれな家には住みたいけど、あんまりおしゃれ度合いには自信が無い。。」
この様な意見を持つ方がほとんどです。
ですからおしゃれな注文住宅を建てるなら、最初に覚えておいて頂きたいポイントがあります。
ディテールや壁面を重視してください。
ディテールとは、全体像から見た細部の事を言います。
この様な細部を造り込む事で、見た目にもはっきりと見て取れる様におしゃれな家になります。
壁面に関しては室内などの場合で、一つの部屋に4面の壁があるかと思います。
その壁面に関しては、一つのパネルと考えて見せる事を表しています。
でも言葉だけでは、どんな感じの事を言っているのか分かりませんよね。
ですから画像で、ご紹介をしてみたいと思います。
■ディテール例
例えばおしゃれな注文住宅を建てるなら、壁の中に飾り棚を設ける事が出来るかと思います。
ごく一般的な家であれば、ニッチと呼ばれたりしますよね。
パインの集成材カウンターに、珪藻土の様なクロスで仕上げたよくあるニッチの例です。
これが決してダメでは無いのですが、私の個人的な意見で述べるとするならば。
出っ張りが多かったり、野暮ったい感じが否めません。
カウンターが出っ張っていたり、カウンター下には腰壁の笠木でしょうか。
巾木の様なモノが、出っ張ってしまっています。
これらが野暮ったく見えてしまう要素になります。
これをおしゃれに見せるとするならば。
この家は葉山の家です。
この様に無数のSquare blocksを、壁面に並べる場合もあります。
ディテールとしては前者のニッチに比べて、Square blocksの方が造り込みが為されています。
ドイツ漆喰で全ての面を統一して仕上げてありますので、見た目にもすっきりするのが分かるかと思います。
これが簡単な普通な感じと、造りこまれたディテールの例です。
■壁面の例
よくありがちな例で言えば、一つの部屋に対して4面の壁があるかと思います。
普通にリビングを作れば、こんな感じになるのではないでしょうか。
パッと見るだけで、普通な印象を受けるリビングの例です。
床と壁面の取り合いには巾木があり、窓枠なども目立つ形で現れています。
天井と壁の取り合いに関しては、廻り縁と呼ばれる縁があるのも分かるかと思います。
これがある事で、部屋の印象を普通に見えてしまっています。
こちらは横須賀市に建つ家です。
キッチン背面部分に、コントラストのある色合いに変えた壁で仕上げています。
巾木はありますが、ホワイトで着色する事で床一面を強調する事が可能です。
廻り縁や窓枠もありませんので、全体的にスッキリとした見た目を出す事が出来ます。
この様に面があるなら、その面を全て同色にしてしまう。
中途ハンパな巾木や窓枠、廻り縁などで色を変える事はしない。
おしゃれな注文住宅を建てるなら、この部分は最低限気をつけておきたいポイントだと思います。
ちょっとした手間を掛けてあげるだけで、家の中のディテールはクオリティが高くなります。
さらにカラーウォールもメリハリのあるカラーリングを選択する場合、とても見栄えが良くなります。
プロの建築家が採用する例ですから、おしゃれな注文住宅を建てるのであれば。
依頼先にしっかりと伝えたい部分ですね。
2.ハイサッシやハイドアを選択する
壁面やディテールで、スッキリとした見せ方が出来る事が分かりましたね。
次によりスッキリ見せる為には、ハイサッシやハイドアの選択などもあります。
ハイサッシとハイドアって、一体何の事を言ってるの?!
はい、ちゃんと説明をして行きましょう。
こちらの画像は逗子の家です。
■ハイサッシ
ハイサッシとは、床から天井部分までの高さのあるサッシの事です。
商品名と言うより、窓の呼称になります。
ハイサッシを入れた場合に室内側から見る分には、下がり壁の無い状態を作り出す事が可能です。
メーカーで規制のタイプを揃えているメーカーもあれば、オーダーで製作するメーカーもあります。
これらの窓は、概ねリビングなどに採用をする形の窓になります。
リビングにその他の小窓を付ける場合は、天井に揃えた窓の高さを設定するのが美観的にも良いと思います。
天井面に窓が揃う事で、室内の壁を綺麗に切り取るが可能となります。
こちらの画像は葉山の家です。
■ハイドア
ハイドアはハイサッシと同じ様に、下がり壁の付かないドアになります。
床から天井面までドア面が伸びる事によって、下がり壁の存在を無くす事が可能です。
この様なドアを選択するのも、面を強調するのには有効となります。
この画像から少しだけ見て取れるのは、ドアに枠が付いてないと言う事です。
あまりにも意味なく主張する枠関係は、取り去ってしまう事も可能です。
一つの部屋の中から見た時、ハイサッシとハイドアが並ぶ事で、スッキリしたイメージを造る事が可能となります。
3.必要以上の枠は無くしてしまう
おしゃれな家に見せる場合、建物の造作は造るならしっかり造る。
スッキリ見せるなら、不必要なモノは見せない。
この様なメリハリを造る事が大切です。
普通に注文住宅を建ててしまえば、何でもかんでもが主張し過ぎて、収拾が付いてない家を目にする事があります。
家を引き渡しをした段階だと、まだ家具なども揃っている状態ではありません。
ですから家具が入った事を想定して、これらのディテールをイメージする事が大切です。
そのためには、余計な物は削ぎ落としてしまう。
ですから不必要と思える枠などは、見えない様に造ってしまう事をお勧めします。
この家は葉山に建つ家です。
■窓枠を無くす
パントリーのハイドアを開いた状態の画像です。
ハイドアには、枠と言う枠が存在しません。
そして隣にひっそりとある窓にも、木枠と言うモノが存在してはいません。
本来であれば窓枠の上下左右に、それぞれ4面の枠が入ります。
その様な収まりが似合う家であれば入れても良いのですが、この家の場合は枠を無くしてしまっています。
上と左右に関しては、イタリア漆喰を巻き込み仕上げにしています。
そして下の部分に関しては、無垢の木をホワイトで着色して仕上げています。
イタリア漆喰の壁面と、無垢の木の天板のギリギリの部分でセパレートしています。
こうすると天板がどこで切れているのか、分からない様な仕上げになるのです。
これならしっかりと拭き掃除も出来ますし、美観的にも良いかと思います。
これは私がオリジナルで、造作しているタイプの窓収まりです。
※この納め方の注意点 1
漆喰や珪藻土の様に壁厚のある場合のみとお考えください。
壁紙などの場合、窓台と壁紙の縁を切る部分が上手に施工出来ないはずです。
壁紙屋さんは壁紙をカットする際に、上手に出来ないと言われるかと思います。
ですからこの納め方を行う場合、壁厚のある漆喰や珪藻土がオススメです。
※この納め方の注意点 2
窓の種類は少なからず、室内側は樹脂のサッシを選ぶ事にしましょう。
アルミサッシの場合は、結露水がアングル周辺に出てしまうと思います。
漆喰や珪藻土に大量の水分が付着する事になりますので、グレードの低い窓の選択は止めましょう。
この様に造るだけでなく、気をつけておかなければならないポイントもあります。
施工を行う工務店さんに、相談をしながら進める事をお勧めします。
4.家の中全体をスッキリさせる
この家は葉山に建つ家の、製作させて頂いたキッチンです。
ここまでで覚えて頂いた事が下記の項目となります。
- 壁面やディテールを考える
- ハイサッシやハイドアなどを採用する
- 無駄なモノを無くす
これらの内容を覚えて来ました。
そして今度は家の中全体にも、おしゃれな家にする為に気を配ってみましょう。
このキッチンの場合、余計なモノを極力無くしてしまう形で造作をしました。
シンクは既製品のシンクを採用して、天板のステンレスと溶接をして仕上げてあります。
そしてクックトップのIHには、ミーレ社のIHを採用しています。
特に魚焼きグリルは使われない方なので、この様にスッキリとしたIHを選択されました。
この実例画像の様に、クックトップがあるだけです。
国産のクックトップの様に、魚焼きグリルがある訳でもありません。
収納面に於いては、より収納が出来る形になりますね。
そしてキッチンの中央部分には、同じくミーレ社の食洗機を採用しています。
ヨーロッパブランドの設備機器と、造り手の造作を組み合わせたキッチンになります。
この様なキッチンを採用する事で、奥様の料理にも力が入りますし。
何よりお掃除が、とても楽になるかと思います。
さっと一拭きで汚れが落ちますので、料理に自信のある奥様にとっては最高のキッチンだと思います。
この様に家の中全体をスッキリ造る事で、家具などを置いた際におしゃれな家にする事が可能となります。
この家は横須賀市に建つ家です。
床は落ち着いた色合いのタイルを敷き、壁にはホワイトの壁に仕上げています。
床と壁の取り合いには巾木が付いておりますが、二つの特徴があります。
- ホワイトに着色して壁と合わせる
- 壁と巾木をフラットに仕上げる
これも私がオリジナルで製作をしている収め方です。
前述に窓枠なども無くしてしまう形をご紹介しました。
これらの収め方を、私たちはステルスと呼んでいます。
利点としてはスッキリ見せると同時に、掃除面でもサポートをする造作です。
壁面から巾木が出っ張りませんので、巾木の上に埃が溜まる事が無いのです。
ルンバを動かせておけば、綺麗に掃除が完了すると言う訳ですね。
この様な造作を行う事で、家の中はごちゃごちゃする感じを無くす事が可能です。
そこにこだわりのダイニングテーブルやソファーが来るだけで、見た目的にはおしゃれな家を演出出来ると言う事になります。
もちろん高価な素材ばかりで揃える必要はありません。
お気に入りの観葉植物でも良いでしょう。
せっかくの注文住宅を建てるのですから、いかに良く見せれるか。
いかにおしゃれな家に計画するか。
これが常に考え続ける建築家の、腕の見せ所と言えるでしょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
おしゃれな注文住宅を建てるなら、どの様にポイントを押さえれば良いのかご理解頂けかと思います。
ぜひあなたの依頼する建築家や工務店に、これらのポイントを話してみてください。
コストが増減する部分もありますが、その分の得られるおしゃれ満足度は必ず向上するかと思います。
もちろんあなたの建築地が神奈川県内であれば、中尾建築工房にもご相談ください。
あなたにとって最高の、おしゃれな注文住宅をご提案させて頂きますからね。