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横浜市金沢区|日本家屋の庇造作Part4

 
  2018/12/24
横浜市金沢区|日本家屋の庇造作Part4
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ようやく化粧となる部分の仕上げがほぼ終わりまして、今度は実際の屋根になる下地を取り付けて行く作業になります。
ここまで来ると、もうある意味では安心出来てくる部分でもあるのですが、やはり久々に触る白木の造作になりますので、最後まで気を引き締めていきたいと思います!
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和風の軒を造作する場合は、主にこの状態で終わらせてしまう形もあったりするのですが、今回の選択肢の中では、このまま終わらす事はありえません。
と言いますのも、和風建築や社寺建築の中では、段々を多くするほど良い仕事と評価される風習があります。
さらには木小舞なども、本来であれば間隔をさらに広げたり、とにかく手間のかからない様にされたりします。
今回は、木小舞もきちんと多めに入れており、化粧板も厚手のモノを選んで貼りあげておりますので、ここまでやるなら当然良い仕事と判断されるべく、軒を重ねて仕上げる事が良い仕事と判断される訳なんです。
せっかく造るのだからと言う事で、ここは手間ひまを掛けて行くべく、ここから屋根が段々と重なって行く形になりますね。
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先ほどの画像から、屋根を段々と積み上げてきました。
広小舞と言われる木材の上に淀と言う材と、さらにその上にもう一度広小舞を乗せていきました。
横から見ると、はっきりと分かるかな。。
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こんな感じに造り上げて来ています。
こうやって屋根の厚みを持たせるだけで、高級感が演出されるのが特徴ですね。
そして軒も丸太の部分から長く跳ね出しているので、凛とした軒先を演出する事が出来るんです。
手間ひまはかかるけど、和風造作の醍醐味になる部分でもありますよね。
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最後の広小舞を廻した後に、化粧板の上には野垂木と言う、横に流してある木材を取り付けてあります。
その野垂木の上に、野地板と呼ばれる本来の屋根材を貼る為に必要な下地を張り込んで行きます。
この段階になると、もう仕事的にはとても簡単な部分になってきます。
ただし、この段階でも万万が一にもいきなり雨が降って来たら•••
と言う想定をしておりますので、野地板を止めるのも、やはりステンレスのビスで一カ所ずつ固定をしています。
これを釘で打ち込んでしまうと、雨の降った時に雨だれと共に釘から出る錆だれを呼んでしまい、とても残念な状態となってしまいます。
特に若い大工さんが始めてこういった仕事をする際にはスピードを求めるのではなくて、確実性を求めて仕事に専念した方が良いかと思います。
確実性のある仕事の進め方をしている分には、必ず自分自身の中に『これなら間違いない!』と思える意識が生まれます。
その意識が出来る様になったら、しめたもので、スピードは後から必ずついてくる。
なので若い大工さん達は、常に頭の中で作業のシュミレーションをする
シュミレーションをして、途中どこかで分からない事があれば、そこをぶっつけ本番でやらない事
かならず、分からない所を練習するなりしてから本番に望んだ方が、きっと単純なミスも防げるかと思うし、確実に自分の自信につながりますからね。
でも、こんな事を言う様な立場になったと言う事は、私も歳を重ねたって事なんでしょうねぇ•••
今時の40代前半はまだまだ若いと思うんですけど•••

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こうして屋根を造り上げたら、雨養生の為にルーフィングを敷くのは当たり前なのですが、ぴったりと敷くのではなくて、軒に垂らす敷き方の方が望ましいです。
現場には風も吹くし、雨も降ります。
特に私たちの活動している湘南や三浦半島エリアの雨は、上から降ってくるだけではなくて、横からも下からも、風の向きによっては強い風が拭いてくるのが通説。
もしもの際に、せっかく綺麗に仕上げた材が汚れない為にも、銅工屋さんが屋根を敷いてくれるまでは、必ずルーフィングを多めに垂らしておきましょう。
その代わりに下葺きのルーフィングを押さえる桟も必須です。
この位のサイズでも、端、端、真ん中くらいは打っておいた方が望ましいですね。
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こうして雨養生も終わり、立派な純和風な屋根の造作工事が終わりました。
やはり手間ひまを掛けただけありますので、全体が凛としている感じです。
ちょっと私の汗と熱気でスマホの画像が白ぼけしているのは、ごめんなさい•••
実際の屋根は、相当いい感じで仕上がっているかと思います。

と言う事でここまでで、大工さんとしての木工事の造作は終わりです。
これからの大工さんへ、こういう造作工事のアドバイスをさせて頂くと。。
○正確な割り付けをする為にもバカ棒(バカでも間違いないと言われる実寸大の定規)や屋根断面の原寸図を起こしてから作業をする事
○丸太は基準となる墨を出すのが、角材に比べて出しにくかったりします。
でも丸太と言う部材にのまれず、考え方を変えてみる。
丸太も角材も、柱の芯は存在します。
横に使う場合、縦に使う場合、それぞれによって丸太の場合は芯を自分で移動させる事も出来ます。
横使いの場合は、左右の芯を
縦使いの場合は上下の芯を
丸太の取り付く周辺の納まりを確認したら、後は納まり上で一番きれいに収まる様、芯を出す事が可能です。
芯出しさえ出来れば、後は丸太の外に四角い筒があると思えば、角材と同様に作業が出来るんじゃないかなと思います。
とにかく、こういった仕事を覚えたいと思う大工さんは、つねに頭の中でシュミレーションをしてください。
シュミレーションして、どの段階でも引っかかる所が無ければ、作業自体も巧く出来ると思います。
と言う事で大工さんへの講義はおしまい(笑)
この後、銅工屋さんには屋根を葺いてもらいまして、塗装屋さんにミラクルな塗装をして頂きます。
その後、再度銅工屋さんに垂木飾りや桁の丸太飾り、そして雨樋を吊って頂くのですが、これら全てを銅板で仕上げて行きます。
と言う事で次回は、外部足場が撤去される頃の更新となりますので、しばし次回をお楽しみに!
私も頑張ったから、塗装屋さんにも銅工屋さんにも、頑張って作業をして頂きましょう!
それにしても久々大工仕事に復帰してみたは良いけど、しょっぱなから重圧と緊張感のある仕事をさせて頂きました。
でも、この重圧と緊張感が、仕事においては大事なんだと思います!

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