逗子に建つ湘南モデルハウス|プレカット図チェックの巻
中尾建築工房で建てている、多くの建築物は木造住宅。
木造住宅には、数種類の工法があって。
木造軸組在来工法だったり。
2×4工法、2×6工法なるモノもあり。
木質パネル系工法。
ログハウス工法などなど。
いろんな工法があったりします。
その中でも中尾建築工房では、木造軸組在来工法で建てる住宅になります。
私は元々、地元で働く大工さんだったから。
ほとんどの工法の家を建てて来たけど。
大工の目から見ても、間違い無いなー
と思うのが、木造軸組在来工法なのです。
この木造軸組在来工法、私が大工修行をしていた頃はね。
墨付け、刻み
これを大工が行っておりました。
設計屋さんが作った平面図、立面図を建てる大工が頭に読み込んで。
フレームを3D化する事で、骨組み用の図面を作るのです。
その図面と言うのが、手板と呼ばれる大工専用の図面。
懐かしいですねー
いろはにほへと・・と右側から横番付が始まって。
縦番付が一二三と降りて行きます。
いの一番って言葉があるけど、右上になるのがいの一番。
実はここから来てるんですねー(笑)
この手板を各階層分作って、墨付けや刻みを行っておりました。
けれども、最近では。
あまり墨付け、刻みをする大工も少なくなりました。
こんな理由ね。
●人件費削減
大工が木材に墨付けをして、鑿(のみ)や鋸(のこぎり)で刻みをする加工費用は、一般的な造りであれば坪あたり1万2千円程度。
これがプレカットと呼ばれる工場加工にする事で、半分以下の5千円になる。
●工業化
工場の機械をオートメーションで動かす事により、生産から産業廃棄物の廃棄に至るまで一貫して工場で出来る。
一つの工場に集中して資材を仕入れる事が出来る為、木材の価格も比較的落ちやすくなる。
ちなみに中尾建築工房は、日本一規模の大きいプレカット会社と直接取引きをしている数少ない会社になります。
普通は商社が入ったりするんですけどね。
●分業化
私が大工の頃、墨付け刻みを行ってた頃。
30坪位の家でシンプルな家なら、実働18日ほどで墨付け刻みを完了する。
けれども。
プレカッット工場での加工であれば、機械に材料さえセットしてしまえば。
なんと1時間ほどで、すべての木材の加工が終わってしまうのです。
実際には木材を運んだり、図面チェックなども工場が行うから。
それでもトータル2日もあれば、木材の加工は完了。
大工は現場。
加工は工場。
これをすることにより、工期も圧倒的に短縮出来る事になる。
こうして業界全体がコストダウンを測ったのです。
けれども。
やはり機械だからと言って、プレカットのキャドオペレーターが間違ったりすると・・
当然、ミスが出たりする可能性もあります。
それを避ける為に、中尾建築工房では設計者、施工管理、現場担当棟梁での三重チェック行います。
そ・し・て・
なぜか逗子市桜山の湘南モデルハウスは、私自身の住まいとなりますので。
プレカットチェックが自分に廻って来ております(笑)
では早速チェックを始めるとしましょうか・・・
これは平面図を見て、上に置いたプレカット図をチェックしてるところ。
しょっちゅう言われるから先に言っておきますけど、私の方がレッドシダーの板張りより茶色なのは・・
自分でも良く理解はしております(笑)
これでも日焼け止めをちゃんと塗っててこれですから、しょーがない・・・
ちなみに2Fだけ湘南モデルハウスの平面図を公開させて頂きます。
こんな感じですね。
この階層のプレカット図は、どうなってるかと言えば。
多分、慣れない方が見たら見るだけでも嫌になってしまうでしょうね(笑)
この家は特に細かいから、私でも見るのが嫌になってしまいます。
右側の箇条書きは、それぞれ質問が記載されてますので。
私がOKとか。。
ここをこうして〜とかを。
それぞれプレカット図に書き込んで。
そして修正をしてもらう感じ。
ここまで細かいと、ちょっと平面図とプレカット図を見合わせるのは大変。
なので、元大工ならではの図面の確認方法は、これ。
ここでも先に言っておきます。
黒だの茶色だのって言うのは、分かってますから!(笑)
平面図とプレカット図を照らし合わせて見ています(笑)
これを各階層を確認しますので。。
何時間もこの姿勢でフリーズしています。
でないとチェックになりませんからね。
なので、中尾建築工房にお越し頂く皆様。
私がこの状態で固まってる場合は。。
真剣に図面のチェックをしているのだな・・・と。
御理解頂けると、幸いです(笑)
と言う事で逗子に建つ湘南モデルハウスのプレカット図チェック。
墨付け刻みは行わなくなったけど、頭の方は。
まだまだしっかりと使う仕事と言う事ですね。