勾配天井につける正しいシーリングファンの固定方法!
シーリングファンというモノをご存知の方は居らっしゃいますでしょうか?
湘南エリアの鎌倉や逗子、葉山などでは、オーナー様のご意向により、勾配天井などにしたりとか、吹き抜けを造ったりとか、抜けの良い家を作られる方も多いんです。
でも、そういった家では冬は暖気が一番高い所に上がってしまいますので、室内を撹拌したくなります。
夏なども直接、風が降りてきたりすると、涼しげなんですよね。
実はこのシーリングファンなるモノは夏と冬で回転方向が違います。
夏は回転することによって、風を下に降ろしたり、冬は逆回転にして暖気を吸い上げつつも、天井や壁伝いに暖気を降ろしてきます。
いわゆる部屋の空気を撹拌してくれる優れモノになるのですが、割りと見た目のみで付けたいって方は多いかと思います。
シーリングファンにも色々と種類があって、それぞれ機能も違うし、デザインも違います。
実は今回、あるオーナー様がお選びになったシーリングファン。
これ、私も好きなタイプのモノなタイプですから、中尾建築工房の打ち合わせスペースにも取り付けております。
ところがこのファン、どうも融通の効かない部分もあります。
例えば正回転しか出来ないとか。。
勾配天井に付けるときに、天井に付く根元側が、勾配天井に対応していないとか。。
まったく付かない訳ではないのですが、天井との隙間が中途半端になってしまうんです。
でもやっぱり、価格もリーズナブルですし、私も個人的にかっこいいと思ってます。
三枚の羽って所と、なにしろ回転した際の直径がとても大きいので、中尾建築工房で建てている家にはぴったりと似合うんですよね。
そこで回転方向は多少妥協をしたとしても、斜めの天井には対応出来ない・・
中尾建築工房の打ち合わせスペースはレッドシダー(米杉)の板を張り巡らせておりますので、あんまりシーリングファンには目が行かないでしょうから、敢えてこんな感じで取り付けています。
でもオーナー宅だと、これはちょっとねぇ。。
今回、計画をされているオーナー様宅は勾配天井の部分が珪藻土仕上げになります。
『なんかいい方法ないかな〜』と思いつつ、ひらめいた!
天井に出っ張らせる形ではなくて、天井に引っ込む造りにした方がビジュアル的にも綺麗だ!!
と言う方法です。
画で書いても良いのですが、キャドで書いても、色々と説明も必要だし、いまいち面倒だ・・
だったら自分で造って、現場の大工さんに取り付けてもらえば!
ということでさっそく下の作業場で加工をします。
まずはドリルの先端にホルソーと言う錐を取り付けまして、指定の寸法に穴を開けます。
今回は穴の開いた板を使うのではなくて、丸の部分を使います。
丸く木取った板の周りに、今度はカーブ合板と言うフニャフニャとカーブを描く合板を貼り付けていきます。
グルりとカーブ合板を貼り付け終わったら、今度は天井の斜めに従ってカットしていきます。
ここでのカットは、機械も入らないサイズになります。
そのため経験値から来るフィーリングで行くしかありません。
カットしてから、勾配のラインに合わせて確かめてみると、一発でばっちりと決まりました!
やっぱり俺、まだまだ大工で全然イケるな・・
そして今度は勾配の天井部分となる板を、さきほどカットした下地に合わせて穴を開けまして、天井材と下地材を固定します。
小さい釘を横から打って固定してあるのが分かりますでしょうか?
この形、廻りの板は天井となる部分で、真ん中に穴の開いた丸い板はファンの固定される部分になります。
そうするとさきほどの隙間が無くなり、すっきりとした形状でシーリングファンが固定されるという訳ですね!
ここまでやれば、後は現場の大工さんに天井を貼る時に、天井の下地にはめ込んでもらうだけで終わってしまいます。
もはや図面に落として何を使って、サイズは幾つで、仕様はこんな感じと説明する手間が掛かりません。
ある意味で図面を作り上げる前に、自分で作った方がやはり早かった(笑)
そして最後にこれらの部材は珪藻土で仕上る所になるのですが、下地合板に左官材を塗りますと、アクが結構出たりするんです。
そのため、先にアク取り材を塗りこみまして、アクが出てこない様にしておきます。
ここまでやっておけば、後は大工さんが簡単に取り付けてしてくれますし、左官作業の前にアク取りする事もありません。
なにしろこの部材が取り付く場所は、天井の高さもありますので、先に出来る事はやっておいた方が楽ちんですもんね。
こうして加工したシーリングファンをきちんと取り付ける下地が完成!
んー、今日はいい仕事した〜って感じです!
この作業をしている時に、ちょうどこんな画像が撮れました!
なんだかい〜感じの週末でしたー☆
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