薪ストーブのある家を建てる!プランニングにより変化する諸々とは?
自然素材の家を建てる。
温かみのある家を建てる。
そこで検討される事の多い暖房設備となるのが薪ストーブ。
中尾建築工房で家を建てる方の中で。
薪ストーブ、またはペレットストーブ。
これらのストーブを導入される方は、とっても多いです。
おそらく、私の記憶にある限り。
3割以上の方は導入されて、ストーブライフを楽しまれております。
ちなみに今回、お選びになられる薪ストーブはこちら。
JØTUL F400(ヨツール F400)
この薪ストーブの種類に限った話ではございませんが。
実はストーブ本体を設置するレイアウトによって。
建物の中から煙突を、壁出しにする場合もあれば。
煙突をストレートに屋根抜きにする場合。
この二つがあったりします。
また。
平面計画上、冷気があるであろう場所に配置する事も。
暖房効率を均一にする、一つの方法。
ただですね。
設計が終わり、施工が竣工。
そして生活が始まった時の事も想定をして。
諸々の事を、設計中から検討する必要もあります。
例えば。
煙突の出し方については、後々の煙突掃除を施主でも出来る様に。
業者に依頼をせずとも、出来る様にする必要があるって事。
でないとお金ばっかり掛かってしまいますからね・・・
さらに。
薪の搬入は必須になるから、それらも楽チンに出来る様にするとか。
実は中尾建築工房の場合、屋根の掛け方なども。
薪ストーブを配置する家の場合は、薪ストーブのメンテ優先で。
屋根形状を決めております。
ここをしっかりと検討しておかないと、後で後悔をする事になりますのでね。
さて、今回の薪ストーブのある家はと言うと。
1Fリビングに設置して、その上部は吹き抜け。
つまり1Fからのアングルは、ドーッンと煙突がそびえ立つ形になる。
この場合、煙突掃除のメンテは当然。
屋根に上がってのメンテナンスになるのだが。
私の様に元大工、いや。
元スーパー大工の私であれば、屋根勾配が5寸6寸の軒先にだって行けるだろう。。
けれども。
一般的な施主自ら、屋根に上がれるかと言えば。
そこはそうとは、思わない。
では、施主でも年一回。
屋根に上がっての動線を検討出来ないか?
それも考える。
そして考えた屋根伏せはこんな感じ。
青い四角で囲んだ部分が煙突が拔き出る場所。
この煙突の清掃を行うのは、ルールバルコニーから脚立などで上がって頂きます。
水色の高は、こっちは屋根の高い方。
赤色の低は、屋根が低い方を指しております。
つまり、雨水はすべてバルコニー側に勾配をつけて流します。
これなら2Fバルコニーからハシゴなどを使って。
施主でも屋根に上がって、作業をする事は可能となる。
また、グレー色の壁は、パラペットと言って。
屋根よりも高く壁を延長させる(最低400mm)事で。
軒先と言うよりも、煙突掃除の作業はしやすいし。
転落防止の安全帯を、掛ける金具もつけられる事になる。
煙突の収まりに関しては、フラッシングと言う部材と。
パラペットギリギリに設置される、雨押えとかぶらない様にする。
すると、1Fの薪ストーブの設置場所はこんな感じに。
これはヨツールの正規代理店さんが教えてくれた、薪ストーブと壁との距離。
それを図面に反映したモノになります。
割と前に出てくる形になります。
壁の方には何かしらの遮熱板を、設ける必要があるのだけど。
ちょっと調べてみたら、以前にも同型のストーブを入れたお宅がありました。
その際、中尾建築工房で作成した資料がこちら。
内装制限告示に基づくストーブ遮熱壁寸法と離隔距離計算表
これを見る限り、もう少し壁側に寄せれる事になります。
また寄せた影響によって、屋根の収まりに支障が出ない事も確認出来ました。
薪ストーブを導入する際、新築時に決まっているのなら。
こういった部分も考慮してプランをする。
これをしないと、後から煙突の貫通部分が耐力壁だったり。
給気の穴がなく、後から開けて雨漏りしたり。
そんな事にもなりかねません。
ですので、予算的に今は導入出来なくとも。
やると決めた方は、しっかりとプランの段階で入れる前提のプランを検討される事をお勧めします。
今回はなかなか良い、ストーブ案だと思います。
懸念とするなら三浦半島や横浜では、年に1〜2回に雪が積もるほどの積雪がある。
比較的屋根面積が受ける、全体的な雪の量は分散出来るのだけど。
ドカッと雪が、ルーフバルコニーに落ちる可能性もある。
ここでしっかりと説明をしておきますが。
FRP防水を施工したバルコニーは。
水が流れる分には、特に問題はありません。
問題になるのは。
常にFRP防水の上に、水が残ってしまう事。
あまりにも多くの雪がバルコニーに残り、そのまま滞留した場合。
床下に雪解け水が、浸透する可能性もある。
これ、真面目な話で可能性はあります。
結露水みたいな感じで、実験箱の床下に水分を確認する事が出来ました。
それを防ぐ為には、やはり。
この軒先き部分には、雪止めを全周に設置させてもらった方が間違い無い。
この薪ストーブの設置&煙突の場合。
室内の煙突は、すべて2重煙突をセレクトする。
なぜなら、排気効率は素晴らしく良いモノになります。
薪ストーブとしては、まさに理想とする排気効率を実現出来ています。
普通はなかなか、こんな感じのプランにはならないから。
実現出来れば、楽しい薪ストーブライフが楽しめそうですね!
それにしても、石張りのリクエストがあったけど。。
これ、煙突の一部だけの範囲だと。。
いや、あんまりコストが上がる一方になるから。。
それは言わない事にしておきましょう(笑)
と言う事で、薪ストーブのある家を建てる!プランニングにより変化する諸々とは?
全てを検討した上での設置の方が。
意味のある動線となりますよーと言う事ですね☆