店舗のリノベーション|開業するお店によって客席作りを検討しましょう。
中尾建築工房は、店舗の設計や工事も出来るの?
そんな声があるから、いちおーここらで言っておきたい事がありまして(笑)
私はもともと、大工の棟梁上がりな訳でして。
それもリフォームや新築の住宅を専門とする大工です。
いわゆる在来大工とかって言われるのですが。
店舗には店舗の大工さんがおりまして。
どっちがどっちだと言えば。
在来大工の方が、仕事のレベルは高いです。
なので、店舗が出来ますか?!
と言われてしまうと。。
出来ない訳が・ ・ ・ ・ ・ 無い。
と言う答えになってしまうのです。
ちょっと前にはご覧の様に、葉山の一色海岸に海の家も新築で建てましたが。
これも、店舗と言うジャンルですもんね。
私の大工時代を振り返りますと。
独立した当初って、結構店舗の依頼を友人から請けたりしてました。
すでに独立をしていて、店舗を増やす友人もいましたし。
お店を辞めて、これからお店を始めたい。
そんな同期が結構居ました。
あの頃は、それこそ図面無し(笑)
たまたま、店舗が借りれる事になった。
約1年分の家賃を、先に支払う事になった。
資金的にも、時間的にも節約したい!
だから、来月オープンさせたい!
・ ・ ・ ・ ・
おいおい、時間がねーじゃんかよー!!!
と、言いたくなる仕事が多かったのですが(笑)
ありとあらゆる事を、現場で説明しながら叩いたものです。
現場で私の頭の中で設計し。
現場で私の頭の中で見積もりをし。
予算を超えない様、材料を無駄にしないで使ってみたり。
材木が買えない時などは、竹を割って裏返しにし。
それを並べて、外装に使ったりしてました(笑)
つまり設計や施工管理、大工を同時にやっていたと言う訳です。
そして、私が大工から設計や施工管理に回る為。
現場に出る大工。
から。
現場に出ない管理側。
その切り替えをする際、それぞれの店舗にご挨拶回りをして。
今後は同じ様に出来ない有無を伝えて、他の大工さんを紹介したり。
そんな経緯があるので、特に施工例としてはアップはしておりません。
それに。
中尾建築工房の建物も。
大工の作業場(下小屋)→設計事務所+工務店。
と言う、いわゆる店舗。
変な所にありますけどねー(笑)
ま、でも。
今でも茅ヶ崎の人気のカフェや、横須賀市内の豚肉屋さんなど、繁盛されている様で良かったです!
さて、そんな店舗工事のノウハウなのですが。
どのオーナーさんも、おんなじ悩みがあると思うのです。
それは。
床面積の割合に対して、客席数を増やしたい。
これ、設計する方としては微妙です。
あんまり詰め込み過ぎてしまうとですね。
店側としては良くても。
客側としては、狭い感が否めない。
その反面。
私としては、安くて美味い!
そんな店であれば、詰め込んでも良いかと思うのです。
人はとっさに目で見えるモノで判断をしますから。
見た目狭いし。。
価格はリーズナブルだし。。
お客さんの回転も早いし。。
んじゃ、ちょっと入ってみる?!
なんて感じなるかと思います。
分かりやすい例で言えば。
大衆の立ち飲み屋なら、とにかく安いんだから文句も言わないでしょう。
それがある意味、雰囲気となりますからね。
そして高級な素材でも。
びっくり価格なロープライスで、提供しているお寿司屋さんも。
こちらのジャンルにハマると思います。
カウンター内もパッツン。
ショーケースの向こうのお客さんも。
すぐ後ろは、店舗のフロントです。
これはさすがに、冬場は寒そうですね・・・
立ち食い蕎麦屋さんなどもそうですが。
カウンターのみの店舗があったとして。
カウンター全てが満席になると、通路で人がすれ違えないお店もあったりします。
でも、安くて美味ければ。
食事を終えて帰るのに。
カニ歩きでも、文句も出ませんよね。
ですが。
う、美味いけど・・・高いっ!
そんな店の場合、お客としてはお店の雰囲気も味わいたいですから。
そんなに詰め込み過ぎたら、居心地も悪くなりますし。
そもそも、通いたく無くなってしまいます。
蕎麦懐石の様なお店で、価格もお高く設定する店であった場合。
お店の雰囲気と、懐石料理やお酒を楽しむ訳ですから。
やはり、ゆったりとしたお店の方が望ましい訳です。
高級なお寿司屋さんなども、ゆったり過ぎるお店もありますが。
あれは設計上、客席もホールも厨房も。
全ての方にストレスが無い様、平面計画上でパーソナルスペースにゆとりを持たせているのです。
まぁ、言ってみれば。
安かろうが、高かろうが。
コストパフォーマンスのバランスが取れてるお店。
これが繁盛店に共通している点だと思うのです。
逆にバランスが取れていないお店の場合。
お店は狭い。
座席数があっても、椅子が引けないほど詰め込んでる。
料理は美味い。
単価は高い。
駐車場が無い。
こんな感じだと、あんまり繁盛店とは言えない。。
実際に、この様なお店はあったりします。
ま、こうなるのは。
物件が出たからっ!
で。
慌てて、申し込みを入れてしまうケースに多々あります。
なので、物件を決める前に。
おおよその面積を計算するなら。
厨房やトイレ、客席などなど全てを考慮すると。
高級系のお店を検討するなら、1坪辺り1〜1.3席
激安系のお店を検討するなら、1坪辺り1.5〜2席
ランチタイムは2回転。
客席稼働率70〜80%
これで、そもそも収益計画が成り立つのか?
こんな計算をされてから、成り立つ上での。
物件を申し込まれた方が良いかと思います。
ちなみに物件の面積が10坪以下の狭小面積だった場合。
1坪辺りの客席数は、さらに減らした方が良いかと思います。
これ、くれぐれも1坪辺り3〜4席とか。。
絶対、やらない様に。
ほとんど、人が歩けなくなる計画ですんで。
お客側も離着席が困難になりますし。
働く従業員側も、配膳や片付けが大変になりますし。
ここ結構大事だったりします。
オープンさせる店舗にもよるのですが。
飲食店で、多彩なメニューを提供するレストランや。
高級な天ぷら、お寿司、料亭などの場合だと。
全体床面積の厨房比率は、40〜50%が望ましいでしょう。
中華料理屋さんや、豚骨系でないラーメン屋さんなどの場合であれば。
厨房比率は30%程度もあれば、廻るでしょう。
一番少なくても良いのは、カフェになるんですけど。
カフェはカフェでも、昔の喫茶店が基準になりますので。
なんでも冷凍食品をレンチンして、提供する喫茶店が該当します。
その場合なら20%程度。
でも、メニュー多めなカフェレストランとかになると。
厨房比率は35〜40%はあった方が、作業がしやすいでしょうね。
今回は、飲食店の場合でも。
カウンターやテーブルを設置するお店で例えてみました。
これらの面積を減らす対策とするならば。
厨房に複数人をそれぞれ固定して、流れ作業で提供するなら。
多少なりとも、厨房比率は下げられます。
でも、ご主人お一人とか。
もしくはご夫婦のみで切り盛りされるなら。
当たり前の厨房面積があった方が良いでしょう。
この他、いきなりステーキとか。
俺のフレンチとかの様に、立食Styleの場合はまたちょっと違います。
と言う事で、いずれはお店を持ちたい。
そんな方は、ご自身のやりたいお店が。
どのジャンルにあるのか?!
そんな事を浮かべて、床面積だったり、提供する価格だったりを。
検討される事をお勧めしたいと思いまーす☆
さてと。
だいぶまとまって来た、清澄白河の店舗リノベーション計画。
ここはカフェでは無いですけどね。。
そろそろキャドに落とし込める段階まで、到達しました!
昭和の人なので、キャドよりサンスケ(三角スケール)手書きの方が好きなのよね・・・