古い家や部屋の匂いが気になる方必見〜匂いのある家とさよならする方法とは?!
お部屋や家の匂いが気になる・・・
古い家や湿気の多い家に住まわている方から、この様な相談を受ける事があります。
新しく建てる家で、この様な事にならないか心配。
リフォームして、この様な状態から抜け出せるのかも心配。
それでも、この様な状況から抜け出せるなら・・
誰もがそう思われる事でしょう。
そこで今回、家の新築やリフォームを日頃から行っている中尾建築工房から。
匂いの元になる原因と対策をご紹介差し上げます。
1.家や部屋の匂いの原因とは
そもそも匂いの原因って、どこから来てるのでしょうか?
大きく分けて、2種類の匂いの元があります。
■食事系の匂いの元
毎日の食事
まな板
三角コーナー
排水口
ゴミ箱
■布系の匂いの元
カーテン
壁紙
絨毯
寝具
汗が染み込んだ靴や衣類
洗濯機
クローゼット
下駄箱
食事系の匂いの元は、料理をした後に掃除をしっかりする事で対応出来るかと思います。
夏場の生ゴミなどは一旦冷凍庫にしまって、ゴミの日に出すだけでも効果はありますよね。
布系の匂いの中でも生乾きは、とっても気になる匂いを発生させています。
この原因は一体なんでしょうか?
モラクセラ菌の存在です
※モラクセラ菌とは
モラクセラ菌自体に悪臭の匂いがあるのではなく、モラクセラ菌が排出する糞の様なモノが悪臭の原因と言われています。
対策としては糞を清掃するだけではなく、モラクセラ菌を絶滅させる事が対策となります。
モラクセラ菌は天日干しをしても、絶滅する事はありません。
完全に絶滅させるなら、どの様な方法があるのでしょうか。
■60℃の熱湯処理
60℃の熱湯に20分ほど漬け込む方法があります。
衣類が熱湯で痛みそうな場合は、弱アルカリ性洗剤と酵素系漂白剤を同量の割合で漬け込むやり方もあります。
■アイロンによる熱処理
アイロンも素材によって注意は必要ですが、かなりの熱量になります。
モラクセラ菌を絶滅させるには効果的です。
■洗濯槽の清掃処理
洗濯槽が耐えられるお湯の温度にもよりますが、重曹か酵素系漂白剤を入れます。
30分から1時間ほど運転させ、しばらく漬け置きにしましょう。
一回で汚れが浮いて来れば良いのですが、何度か繰り返す事で臭わなくなります。
これらの対策をする事で、洗濯機で洗える布系のモノには対応出来ると思います。
これ以外にも匂いの原因はあります。
雑菌や細菌、カビです
「カビ臭い」と言われる方が居ますが、実はカビ自体は臭わないと言われています。
ただしカビや雑菌、細菌などが存在する事によって、カビ臭い匂いを発生させているのだと言えます。
カビ臭はシックハウス症候群と同じ様に、健康被害の原因となる事が分かっています。
家の中で特に多いのが、下駄箱やクローゼットの中ではないでしょうか?
これらは換気量不足や湿気の多い事で、カビや雑菌、細菌などがカビ臭い匂いを発生させています。
まずはエタノールなどでカビ臭い床や壁を拭き上げたり、風通しを良くする様に心がけてください。
2.風通しを良くして換気すれば匂いは無くなるか
シックハウス症候群対策と同様、家や部屋の匂いが気になる場合は換気をする事が基本的な対策になると言われています。
「新鮮な空気を毎日、入れ替えしましょう!」
この様に言われている情報は、とても多いと思います。
私は全く有効では無いとは言いませんが、それだけで家や部屋の匂いが無くなる解決にはならないと思います。
換気をすると言う事は外気を室内に入れて、新鮮な空気に入れ替えましょうと言う事です。
新鮮な空気を取り込むと同時に、家や部屋の中に匂いの原因を取り入れる事になります。
それは一体なんでしょうか?
「湿気」
換気の概念は給気をする事で、給気した分の排気が出来ます。
窓を開ければ窓を開けた分だけ、換気すると同時に外気の湿気を含んだ空気も取り込みます。
給気口を開ければ開けた分だけ、換気すると同時に外気の湿気も取り込みます。
湿気は室内に入りこむと、何かしらで湿気を取らない限りは外には出てくれません。
湿気がある事で、生み出されるのが。。
モラクセラ菌やカビ菌、衣類についた垢や皮脂にくっついた雑菌です。
そう、また繰り返しになります。
ある意味で言えばエンドレスと言えるでしょう。
3.実は家の性能にも問題があった
毎日一生懸命に掃除や洗濯、家事をやっているにも関わらず。
その努力が実らず、匂いが消えて無くならない。
これでは根本的解決には至りません。
消臭スプレーをどれだけ吹き付けても、匂いの原因が分からない事には対策も取りようがありません
換気でも天日干しをしても、匂いが取れない原因はなんでしょうか?
ここからは建築のプロである、私たちにしか分からない事なのですが。
実は住まわれている家の多くが、外壁側の壁体内で結露を起こしています。
一般的に結露と言えば、窓ガラスなどを想像される方も多いと思います。
結露は窓のみではなく、壁の中、家の中の至る場所で発生します。
■窓ガラスの結露
よくある窓ガラスがびっしょりになる例です。
原因は外気と室内の気温差により発生しますが、多くの場合は外気が冷たく、室内が暖かい場合に発生します。
対策には内窓を入れて空気の層を造る事で解決しますが、賃貸などではそこまでやれる事は無いと思います。
ひたすら拭き続けるしか方法が無い場合もあります。
■布団敷きの結露
布団で睡眠を取られる方で「朝起きたら、布団の下がびっしょり濡れているんです」と言われるケースも結露です。
原因は布団に入った人の体温が高く、床が異常に冷たい事から発生します。
対策には布団の下にすのこ等を敷いて、空気の層を入れる事で解決します。
ですが室内が異常に寒いのだと言う事を覚えておいてください。
■壁の中の結露
壁の中で結露が発生しているので、原因がつかみにくいのが特徴です。
原因は日中は暖かくても、夜は湿った空気が外壁に発生します。
外壁の裏側に空気の層があれば良いのですが、直接構造体につながっていると、外壁の裏側にも結露水が発生します。
結露水は壁内の断熱材を濡らして、性能を著しく低下させます。
さらに結露した水は、下へ下へと流れて行きますが必ずどこかで停滞します。
停滞した結露水はそのままだと、雑菌やカビ菌を寄せ付ける事になります。
ありとあらゆる菌が、家の壁内にあると思って頂いた方が良いのです。
対策は特に北側が多いのですが、私たちの様な専門家に壁内のチェックをしてもらう事もお勧めです。
この様に結露が原因で、雑菌やカビ菌が発生しているケースがとても多いのです。
部屋の匂いや家の匂いが気になる方で、一生懸命に消臭剤を振りまいても。
菌に包まれた生活をしているのと同じなので、あなたの努力は実らないと言えるでしょう。
私の経験値で説明しますと、結露水は下へ下へと流れて行きますから。
1Fに比べて、2Fの方が被害は少ないと言えるでしょう。
1Fの壁内は結露の温床と言えます。
結露がひどい場合は、室内の床から40センチ程度の高さにカビが出ている場所があるはずです。
最悪の場合は結露水が腐る事によってカビ菌や腐朽菌が発生し、柱や土台が腐っている場合もあります。
水分で柔らかくなった木材は、虫害も受けやすくなります。
シロアリなども寄りやすくなりますので、壁内で結露が発生するとデメリットは嫌な匂いだけでは無くなります。
最近では各地で、大きな地震が起きる様になりました。
少し出費が出てしまうかもしれませんが、まずは安心を取るためにも。
しっかりと専門家に、家の診断を受ける事をお勧めします。
匂いがある事と言う事は、この様な事まで想定出来てしまうんですね。
消臭剤を使っても、匂いの原因が分からない事には付け焼き刃に水と言えます。
では匂いの対策を取るためには、どの様な家が良いのかをご紹介したいと思います。
4.自然にある素材のパワーで家の匂いは解決出来る
壁紙やカーテン、絨毯などは、湿気を保有しやすい内装材です。
それらが湿気を取り込む前に、自然な素材の力を頼りましょう。
フローリングを調湿効果のある無垢材に変える。
一般的なフローリングは表面のコーティングがしっかりしてれば、湿気を吸収する事はありません。
湿度が高い時に、調湿をしてくれる効果もありません。
それが可能な無垢材のフローリングに変える。
これだけでも、かなりの効果があります。
壁紙から調湿効果の高い珪藻土に変える。
湿度が高い部屋の壁紙は、角から剥離が始まってどんどん剥がれていきます。
壁紙は特に調湿すると言う事も無いので、見た目がどんどん悪くなっていきます。
それを珪藻土の天井や壁に変える事で、珪藻土が室内の湿気を吸収して綺麗な空気に変えてくれます。
もちろん気になる匂いの元も、珪藻土なら天然の消臭効果があります。
特にクローゼットの様に、多くの衣類を収納する場所に、珪藻土は最適の素材と言えるでしょう。
匂いの出やすい焼き肉などの食事をしても、翌日の朝にはすっきりとした空気に変えてくれます。
この様にするだけで、家や部屋の匂いの原因は特に何をするでもなく。
あっさりと解決する事が出来る事を覚えておいてください。
このページをご覧頂いてる方は、それぞれ住まいの環境が違うでしょう。
環境別に対応策を見ておきましょう。
少しでも嫌な匂い解決の参考になればと思います。
■賃貸の家、賃貸アパートにお住いの場合
賃貸の家で、これらの原因を全てなくすのは困難です。
大家さんは収益の為に賃貸人を募集します。
余計なリフォーム工事は、まずやってくれないと思ってください。
湿気を吸収する為に室内に炭を入れた箱を置いたり、珪藻土マットなどを敷き詰める方法があります。
エアコンのドライ機能や除湿機を併用する事で、湿気の対策を行いましょう。
そしていつか家を建てる時には、これらの素材を使った方が良い事を思い出して頂ければと思います。
■持ち家で、リフォームやリノベーションを計画されている
ぜひ自然な素材で、湿気の対策を行う様計画をしてください。
消臭スプレーや湿気取りを頻繁に使っても、根本的な原因は無くなりません。
壁体内結露を解決し、室内を自然な素材で対策する様計画されると良いでしょう。
■建て替えを計画している
リフォームやリノベーション同様、ぜひ自然な素材で湿気の対策を行う様計画をしてください。
結露しない樹脂窓や、壁体内が結露しない空気層式の外壁を採用する事で壁体内結露とは無縁になります。
自然な素材で建てる家は、悪臭などとは無縁になります。
カビや雑菌とはサヨナラ出来ますので、健康な暮らしを取り戻してください。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
家や部屋の匂いには、市販の消臭材では太刀打ち出来ない匂いの根元があります。
いくらホームセンターやウェブショップから、強力な消臭材を購入したとしても。
そもそも論で消臭剤には、外壁の結露を抑える効果は全くありません。
この事からも雑菌や細菌、カビ菌などと暮らすのは健康的とは到底言えません。
アレルギーを持っている方や、お肌の弱い方にとってカビは最悪の環境です。
ぜひ体のためにも、自然な素材でキレイな空気の空間で暮らす事をお勧めします。
もしもあなたが古い家の匂いで困っているのであれば、その時は中尾建築工房にご相談ください。
リフォームや建て替え工事をする事で、あなたを最良の空間へお連れする事をお約束します。