初めての家造りで未公開物件|その土地の選択は果たして本当に正しいか?
おそらく中尾建築工房のブログをご覧になってらっしゃる方の中では、何回も家を建てたという方は非常に少ないかと思います。
つまり、初めて土地を購入し、そしてお気に入りの家を建てる。
ほとんどの方が、こんな感じだと思います。
初めて土地を購入するから、不動産屋さんにも脚を運ぶし、ネットで色々と検索をされて、土地購入の知識を得られる方も多いかと思います。
でもね〜、これらの情報の全てが正しいかって言うと、そうでもなかったりするんです。
その中でも、何年か探されている方の中で、未公開土地をひたすら探し続ける方が居らっしゃいます。
出るはずも無い未公開物件を追い求めてしまっているので、私はそういった方達を『土地探しジプシー』と心の中で思ったりするんですよね。
いつまでも無いはずの土地を求めて彷徨ってしまうと言う意味です。
そういった方たちが何故未公開物件を追い求めているかって言うと、こんな感じらしい。。
今、出ている物件情報では、自分達の予算で気に入った土地が無いから未公開物件を探したい。
未公開だったら誰よりも価格交渉をしつつも、早く申し込みをして購入出来るんではないか?
これね、私の立場からはっきりと申し上げさせて頂きますけど、こういった方達はいつまで経っても土地は買えないと思う。
何故かと言えば、その様な条件の土地が無いからなんです。
自分たちの予算と、自分たちの理想とは、必ずしも一致する事は無いんです。
おそらく多くの家造りをされている方たちが、ある程度は『やっぱりそうだよね・・』って思ったり『そんな土地あるはず無いよね。。』と思っているんですよね。
つまりある程度、妥協の出来る方は土地が買えるので、家造りも本格的に設計作業が開始されます。
でも『いやいや、まだまだ!』って頑張れてしまう方に限って、なかなか物件を買えないんです。
それに未公開物件と言っても、何に対しての未公開かって事。
例えば、この辺りで言えば東日本レインズに公開されていないモノだったり。
あっ!
レインズは一般個人の方では見れませんからね。
あくまでも業者さん用になってますので。
それ以外であれば、アットホーム、SUUMO、ホームズと言った不動産情報のポータルサイトだったりとか。。
はたまた購入したい地域の老舗不動産会社さんの窓口だったりとか。。
こんな感じで色んな未公開のケースがあると思うんです。
後は例えばこの土地
この土地は私の住んでいる近所の土地になります。
今ではポータルサイトにも出ているし、レインズにもおそらく情報は出ているんじゃないかな。。
でも、看板が付いてからというもの、半年間くらいは情報が出回っておりませんでした。
現地で看板がブル下がっているだけでしたね。
でもね、ちょっとここで考えてみましょう。
なぜ、売るつもりがある土地の情報を、敢えて公開しないんでしょうか?
おかしいと思いません?
売る意志、売るつもりがあるのにも関わらず、なぜか情報が出回らない。。
これには様々な都合があります。
売主さんの都合であったり、販売を任された不動産会社の方の都合であったりね。
売主さんの都合の場合だと、人知れず売って、さら〜っと引っ越しをしたいとか。。
これなら良く分かるんです。
でも、販売を任された不動産会社担当者の都合の場合は、もうちっと質(たち)が悪いケースがあるね。
いわゆる業界で言えば『ダブル』って言葉があるのだけど、その土地を販売する上で売主さんから売って欲しいと頼まれる。
そこで『では、私だけに任せて下さい!しっかりと売り切ります!』なんて言葉巧みに言い放ちますから、売主さんも信用して『あなたにだけお願いします!』となります。
この形態をいわゆる専任と言いまして、その土地を買う為には、どうやってもその不動産会社担当者を通す必要があるんです。
つまり成約になれば、その担当者には売主さんから仲介手数料を頂けます。
そして購入される買主さんからも仲介手数料も貰う事にある。
つまりは一つの土地で、2回も美味しい手数料を貰える形になる訳なるのだけど。
もしもポータルサイトやレインズに出していて、他社不動産会社の営業マンが『弊社のお客様が御社の取り扱いのある土地の購入を希望されています』なんて言われてしまうと、さてどうなるか?
不動産会社が2つになる事で、買主さんからの仲介手数料は半減してしまう訳なんです。
わかりますかね?
つまり売主さんから信用されて『あなたにだけお願いします!』と言われた不動産会社担当者は、売主さんからは仲介手数料をきちんと貰えても、買主さんからは半分の手数料になってしまう・・
これを良しと思わない営業マンの場合、レインズにもポータルサイトにも、一切情報をアップ致しません。
少しでも多くの手数料を手にしたい人は、物件の所に看板のみをぶら下げて、土地を売っていると言う形にしてしまいます。
そうすると、売り物件と記載のある看板の連絡先に『連絡頂戴ね〜』って書いてあるから、そこにしか連絡が出来ないって事になるんです。
つまりこの物件は不動産ポータルサイトに対しては、未公開物件という事になる。
でも仲介する担当者の思惑は、手数料が安くなる事を毛嫌いしている訳で。。
そんな方が、買うか買わないか分からない方から、土地の価格交渉をされて、どう対応されると思います?
価格交渉に応じてしまったら、自分の手数料も下がってしまいますから、当然そんな話に乗る訳が無いんですよね。
だから結局未公開物件は買えないって事になる。
ヘタすると、その看板をつけている会社のホームページを見ても、物件情報が掲載されてなかったりもしますから。
この他にも大きな物件自体を買い入れて再販する不動産会社もあります。
自社で土地を買い取りしつつ、分筆する前にブログや電話で『まだポータルサイトには載せてないけど、こんな土地あります!』
これもいわゆる未公開物件になりますよね。
では、こういったケースで価格交渉に応じてくれるのだろうか?
ま〜、まずよっぽど奇特な不動産会社で無い限り、価格の交渉には応じないでしょうねぇ。
だってできるだけ高く売りたいですもんね、当たり前の話ですけど。
良く考えてみてください。
不動産会社さんだって、その大きな土地を購入するにあたり、自社の自己資金を捻出して土地を購入しているなんて会社はおそらく一握りです。
たいていの不動産会社は銀行から借り入れを行った上で、土地の購入費に充てる訳です。
そうすると借り入れをした代金分の利息なども支払いますし、元々の売主さんから買う時に支払っている仲介手数料やら登記代、測量代金に解体費用などなど、もろもろのお金が掛かっている訳なんです。
そんな背景がある訳ですので、価格の交渉に早々応じる訳が無いんですよね。
むしろ最初は高めに設定しておいて、数ヶ月してから価格を下げる。
その位でしか考えてはいません。
言ってみれば、まだ未公開の物件で、なおかつ価格交渉出来る土地。
これはまず、絶対に無いんだよって事。
むしろ価格交渉をする、もしくは出来るという物件は、公開されてから、ず〜〜〜〜〜っと売れてない土地。
もしくは、さほど高くはないけど、とにかく早く売主さんが現金化したい土地などと言った土地が価格の交渉出来る対象物件になります。
中には価格が高くて売れない土地でも、売主さんが強気の場合は売り辞めなんて事も起きる位ですからね。
ま〜、未公開の物件は、土地の売買に手慣れた業者の方だったり、資産家の方じゃないと購入は厳しいかと思います。
だいだい未公開物件で価格交渉出来るって言う発想がまず間違っていると思います。
どうでしょう?
こんな感じの話を聞いても、まだ未公開物件にこだわり続けますか?
それとも、もう一度。
今まで見てきた物件を見なおして、違う目線で物件を見てみませんか?
そうするとおそらく、土地に対しての違った評価が出来るかもしれません。
くれぐれも土地探しジプシーにはならない様、お気をつけ下さいませ。