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無垢材はフローリングだけではない〜無垢材のおすすめな使い方は大工に聞け〜

 
  2019/03/08
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無垢材はフローリングだけではない〜無垢材のおすすめな使い方は大工に聞け〜
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無垢材の家を建てる時、なぜかフローリングばかりに目を向けてしまう方が居らっしゃるかと思います。

 

自然素材の家=無垢材=フローリングと言う図式があるかの様です。

 

無垢材はフローリングだけではなく、家のあらゆるところに適材適所に採用をする事が可能です。

 

ただしそこには無垢材の専門家である、大工の知識が加わる事により、正しい使い方を覚える事が出来ます。

 

元大工棟梁である中尾建築工房から、家の中に選ぶ無垢材についてのお話をしていきたいと思います。

 

1.構造に無垢材を採用する

構造に無垢材を採用する

 

無垢材の代表的な使い方は、フローリングにあると思う方が多いと思います。

 

確かにフローリングは木の温かみをダイレクトに感じられる、柔らかみのある素材が人気ですよね。

 

もっとも肌に近い場所ですから、素足で歩けばその心地良さが分かると思います。

 

ですが大工の観点から考えた場合、最初に無垢材を採用する場合は、構造に無垢材を選ぶと言う事です。

 

構造に無垢材を選ぶと、どの様なメリットがあるのでしょうか。

 

■構造に無垢材を選ぶメリット

 

無垢材は工場で生産された集成材ではありません。

 

一本の丸太から吟味をして、割った角材や丸太の事を指します。

 

無垢材を選んだメリットとしては、無垢材は乾燥する事によって硬くなって行きます。

 

築50〜60年になってくると、かなりの乾燥状態になります。

 

リフォームやリノベーションでこれらの無垢材を加工すると、硬くてノコギリの刃が立たないほどです。

 

水に濡れずに乾燥を続けた無垢材は、経年変化によって強度を増して行くのです。

 

 

これは住宅のみに適用されている訳ではなく、国宝と呼ばれる重要文化財にも適用されています。

 

私たちの身近な存在で無垢材の国宝や重要文化財と言えば、鎌倉市の建長寺が有名ではないでしょうか。

 

仏殿、昭堂、山門、法堂、唐門、大覚禅師塔(石造無縫塔)などは、鎌倉市の中でも代表的な国宝や重要文化財です。

 

これらの木造建築物は、今もなお時代を超えて建ち続けています。

 

もちろん素材はクオリティの高い素材ばかりで建てられていますが、それだけが長持ちをする理由ではありません。

 

しっかりとした宮大工の知恵であり、宮大工の技がある事から支え続けられているのです。

 

国宝と言えば木造建築のみではなく、人間国宝と呼ばれる方も居ます。

 

■人間国宝 西岡棟梁の有名話

 

生涯の最後まで飛鳥の工人であり、人間国宝と呼ばれた伝説の宮大工である西岡常一棟梁が居ます。

 

西岡常一棟梁は、法隆寺の最後の宮大工とまで呼ばれた方でした。

 

西岡棟梁には有名話がたくさんのあるのですが、中でも薬師寺の西塔のお話はとてつも無いお話です。

 

薬師寺の西塔は、西岡棟梁が再建した塔になります。

 

建築士や建築識者が鉄骨やコンクリートを採用する方法を提案する中、西岡棟梁は頑として無垢材のヒノキで建てる事を譲りませんでした。

 

「コンクリートや鉄が持つのはせいぜい100年、無垢のヒノキは1000年持つ」

 

そして西塔は木造での再建となりました。

 

薬師寺の西塔

 

画像の右側に建つのが薬師寺の西塔で、西岡棟梁が腕を振るった三重塔になります。

 

さらにすごいのは設計された図面と、西岡棟梁が建てた塔には一尺(約30センチ)ほど高さが高かったのです。

 

それに気づいた建築士や建築識者は、西岡棟梁に詰め寄りました。

 

「1000年かけて育てたヒノキは、1000年は必ず持つ。

そして木の重さによって塔の高さは変わるから、1000年後にちょうど同じ高さになります。」

 

誰も西岡棟梁に言い返す事が出来ずに、塔の建築は竣工を迎える事になりました。

 

 

※薬師寺西塔再建の豆知識

薬師寺の西塔を造るためには、国内の大径材が不足しておりました。

西岡棟梁のお眼鏡に叶うヒノキの大径材は国内には無く、大径材を求めて台湾に渡ったのです。

台湾では台湾ヒノキと呼ばれる、ヒノキチオールを含んだ大径材がありました。

樹齢1000年を超える台湾ヒノキを採用して、西塔を1000年以上持たせる為です。

西岡棟梁は台湾の山々の東西南北をしっかりと頭に入れて、西塔再建の際には方角に併せて刻んだ事も有名な話です。

 

この話は私が大工の見習いに入った頃に、西岡棟梁の書籍で知った事です。

 

この話を聞いた時、なぜだか分からない身震えをした事を今でも覚えています。

 

そう言えば、見習いの意味を知ったのも西岡棟梁の本でした。

 

仕事は教わるモノでは無い。

棟梁の仕事を見て、それを習う。

それが見習いだ。

 

この様に大工や宮大工が無垢材を使うのは、建物を永く持たせる為に無垢材を選ぶのです。

 

ですから無垢材を使うと言う事は、真っ先に構造に使うのだと言う事を覚えておいてください。

 

2.造作家具に無垢材を選ぶ

造作家具に無垢材を選ぶ

 

この画像の家は、横須賀市の海前に立つ家です。

 

横須賀市の海前に建つ家リンク

 

横須賀市秋谷に建つ海辺の家 SHIP 博多丸

 

 

無垢材は造作家具にも、採用する事が可能です。

 

この家の場合は、ダイニングのローテーブルにブラックウォルナットの採用しています。

 

さらに窓側とテレビ側には、同じくブラックウォルナットの無垢のローカウンターを造作しています。

 

テレビの下部にありますデッキ収納も、ウォルナットで造作をしているケースです。

 

この様に無垢材をストックしている工務店で家を建てる場合、家具自体も造作をする事が可能となります。

 

家具を製作する場合、材料自体は大工の厳しい目で無垢材を選ぶ必要があります。

 

どの様にして選んでいるかは、当時のブログ記事がございますのでそちらをご覧ください。

 

 

この様に比較的大型の造作をする無垢材もありますし、キッチンなどを製作する無垢材などもあります。

 

主にこれらの材料は、各産地の銘木業者にストックがあるか。

 

もしくは新木場や木場に行けると、これらの材料に巡り合う事が出来ます。

 

私も新木場や木場には、直接買い付けに行く事が多いのです。

 

使いたい素材に併せて、ご要望があるのであれば見学ツアーも組んだりしています。

 

3.水廻りに使える無垢材もある

無垢材はフローリングだけではない〜無垢材のおすすめな使い方は大工に聞け〜

 

こちらの画像は先日引渡しを終えた、葉山の家のキッチンカウンターです。

 

対面カウンターの外側には、レッドシダーの板張り。

 

対面キッチンの天板には、広葉樹のクリのカウンター材を採用しています。

 

木の皮の部分を丁寧に削って残した、びんたを生かした仕上げにしています。

 

※びんたとは

びんたとは、丸太を割いた際に必ず出る木の表面になる部分を言います。

びんたと呼ばれたり、耳付きと呼ばれたりするのが一般的です。

びんたの部分を丁寧に仕上げると、時間の経過と共に飴色の色合いが鮮やかに出てきます。

絞り丸太などの表面が味わいを増すのと同じで、木の皮を剥いた部分は大変綺麗な色合いになります。

 

この様な場所に無垢材を使う場合、お皿よりも強度のある無垢材を選ぶ事が一番です。

 

凹みもしませんし、水にも強い無垢材です。

 

厚みもしっかりありますから、一生モノの対面カウンターに仕上がっております。

 

無垢材を選ぶなら、この様な材料を選びたいモノですね。

 

ですが中にはイレギュラーな無垢材の使い方をしている、既築のお宅の相談を受ける事もあります。

 

私のところに相談があるのは、水廻りで採用した腐食した木の修理です。

 

リフォーム屋さんやガス会社さんに、リフォームしてもらった後の修理になります。

 

相談内容は、こんな感じです。

 

■木の腐食で混合水栓がグラグラに

キッチンの天板は、木の集成カウンター材

水返しがある訳でもなく、フラットに壁に埋め込んだ集成カウンター

そのカウンターから混合水栓が立ち上がっているのですが、3年程度で集成カウンターが朽ちてしまって、混合水栓がグラグラになってしまった。

なんとか修理をしたいので、どうすれば良いのか相談に乗って欲しい。

 

この相談については、実際に写メを頂いて拝見をしました。

 

集成のカウンター材は、柔らかそうなパインの集成材を使われていました。

 

パインは集成材でなくとも、柔らかい木になります。

 

油気がある訳でも無いですし、水に強い訳でもありません。

 

滞留してしまった水はパインを腐らせてしまって、混合水栓の土台としての役割を果たせなくなっていました。

 

全てを交換するのは、それこそ大変な作業になってしまいます。

 

この様にイレギュラーな無垢材の使い方をすると、再度のリフォーム費用が発生してしまいます。

 

この家の場合は幸い、ご主人が日曜大工が出来る様でした。

 

やり方だけアドバイスをして、ご自身で修理をして頂く話になりました。

 

施主の方は見た目を好んで、木のカウンターを選んだのかもしれません。

 

ただし無垢材に対してしっかりと知識のある業者であれば、この様な場所にパインの集成材を採用する事はあり得ません。

 

無垢材を水廻りのカウンター材で採用するなら、以下の事をしっかりと守って頂く方が良いです。

 

  • 針葉樹なら厚みを増しつつ、保護塗装をする事
  • 広葉樹ならどれを選んで頂いても、特に問題無し

 

この他にも洗面ボウルのカウンターや、製作キッチンの収納部分にも無垢材を採用する事が可能です。

 

水廻りに無垢材を選ぶ場合は、受けや台としての用途なのか。

 

または香りを楽しむ用途として、無垢材を選ぶのか。

 

ここも重要なポイントになってきます。

 

香りを選ぶ場合でしたら、針葉樹で香りの良い無垢材を選ぶ事が望ましいと思います。

 

無垢材の持つ香りを楽しむ場合の例

 

 

香りを選ぶ場合でしたら、針葉樹で香りの良い無垢材を選ぶ事

 

こちらのバスルームは横須賀市に建てた家です。

 

バスルームの天井と壁には、青森ひばを張り巡らせて仕上げをしています。

 

香り云々はさておき、この様な場所に広葉樹は使わない方が良いでしょう。

 

灰汁も出ますし、反りも起こる可能性があります。

 

あまり良い事が無いのが、広葉樹です。

 

この様な場所は香りを楽しむ前提で、針葉樹の香りのある無垢材を選びましょう。

 

バスタブの湯気から発生するヒノキチオールや、フィトンチッドの香りで癒される事は間違いありません。

 

 

この様に水廻りで採用可能な無垢材は、適材適所と言う事を前提に考える必要があります。

 

せっかく無垢材で家を建てるなら、この様な部分は大工さんに相談しながら選ぶ事をお勧めしたいと思います。

 

4.屋外に使う無垢材は使い方に注意する

屋外に使う無垢材は使い方に注意する

 

こちらは逗子市の逗子海岸近くに建てた家になります。

 

逗子市の海前に建つ家リンク

 

逗子市の海前に建つ Private Loungeのある家

 

 

耐久性の高い無垢材を採用して、ウッドデッキを製作しました。

 

皆さんは屋外に採用する無垢材と言えば、何が浮かびますでしょうか。

 

おそらく真っ先に浮かんで来るのは、ウッドデッキだと思います。

 

ウッドデッキの無垢材も、予算によって様々な無垢材を採用する事が可能です。

 

ただし覚えておきたいのは、ウッドデッキなどを造る場所と言うのは外だと言う事です。

 

水に強い無垢材もあれば、水に弱い無垢材もあります。

 

それでもメンテナンスをしっかりと行う事で、ウッドデッキの寿命は永くする事が可能です。

 

ここでは比較的リーズナブルな予算で、ウッドデッキを造った場合の延命措置の方法をお教えしたいと思います。

 

  • ポイントは水を逃す事
  • 油分を切らさない事

 

この二つに限ります。

 

ウッドデッキの水を逃す方法とは?

 

ウッドデッキの水を逃す方法とは?

 

この画像は三浦に建てた、国産の唐松材で建てたウッドデッキです。

 

雨が降っている時の画像だと言う事が、お分かりになるかと思います。

 

雨が止んだ後、ウッドデッキに水溜まりが出来ている場所がある場合。

 

そこには1センチ程度の木錐で、穴を開けてしまう事をお勧めします。

 

なぜなら水が同じ場所に滞留する事で、雑菌や腐朽菌、カビ菌を呼び寄せる事になります。

 

そこを排水する事によって、水はけを良くする事が可能となります。

 

ウッドデッキの板のみではなく、ウッドデッキを支えている構造部分も同じです。

 

水が溜まっていそうな部分があったら、木錐で穴を開けて水はけを良くしましょう。

 

小さい穴で木の真ん中に穴を開ける程度でしたら、強度に大きく影響する訳ではありません。

 

ウッドデッキは基本的に、外部に造るモノになります。

 

反りやあったりクラックがあるのは、クレームのうちには入りません。

 

ですから永く持たせたい場合は、セルフチェックが必要になります。

 

雨が降った後にウッドデッキを点検して、必要な場所に穴を開けるのは合理的な方法です。

 

むしろ腐食を抑える事に繋がりますので、しっかりと点検をしてウッドデッキの延命を測る様にしましょう。

 

5.まとめ

 

いかがでしたか。

 

無垢材の使い方には、様々な使い方があるのを覚えて頂けたかと思います。

 

無垢材はそれぞれ個性があり、適材適所に使う事が必要になります。

 

ぜひ無垢材の知識のある専門家と一緒に、理想の無垢材の家を建ててください。

 

もしもあなたが神奈川県内で家を建てるのであれば、中尾建築工房にもご相談ください。

 

大工棟梁の中でもスーパー大工と呼ばれた私が、正しい無垢材の使い方をお教えしながら建てさせて頂きます。

 

 


お客様の声に耳を傾けると、どうやら自然素材で家づくりをした方たちの多くが、最初から「自然素材で建てよう」と決めていたわけではないようです。様々な住宅展示場や見学会に足を運び、実際に見て触れて、比べた結果、「やっぱり自然素材がいい!」と感じてくださっているのです。

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