横須賀市に自然素材の注文住宅を建てる!ビルトインガレージか?それとも水拭き出来る無垢フローリングか?
横須賀市と言えば、この記事を書いているライターの私の地元になります。
また中尾建築工房自体も横須賀市に所在をしています。
つまり中尾建築工房は横須賀市の地元工務店になるのですが、常に自然素材の注文住宅を建てていると思う事があります。
それは自然素材の注文住宅を設計していく上で、御夫婦の間で意見が全て合うかは別問題だと言う事。
どちらかがどちらかの要望を優先したり、どちらも優先したり、納得の上で自然素材の注文住宅を建てるのが間違いのない家造りとなります。
今回は横須賀市の中でも私が通っていた小学校の前に建てた、自然素材の注文住宅をご紹介させて頂きます。
Contents
1.ハウスメーカーと一時は契約したけれど
中尾建築工房にお越し頂く前には、某大手ハウスメーカー様と契約までなさっていたと言うこちらの御夫婦。
せっかく注文住宅を建てるのに、これだけ払ってもたいした家にはならない事に気がついたのだそうです。
そこで検索にかかった横須賀市が地元の中尾建築工房が、自然素材の注文住宅を竣工まで導きさせて頂きました。
某大手ハウスメーカー様ではたんたんと機械的に話が進むことに対して、地元の工務店である中尾建築工房の場合はヒアリングを徹底的に重視しています。
その理由はこの家に住まうのは御夫婦な訳でして、もしもどちらかが不満を持ってしまったまま竣工してしまった場合。
なにかの際には、不満が爆発してしまうかもしれません。
それを事前に抑えるために中尾建築工房では徹底的に、ヒアリングを重視しています。
時には建たないであろう図面もクライアント様目線で作成し、見積金額を出した上で優先順位を設けていくのです。
さてご夫婦の要望とは如何に。
2.ビルトインガレージか、水拭き出来る無垢フローリングか?
御夫婦それぞれ話しを聞いてみると、同じ要望もあればそれぞれ違う要望もありました。
ご主人様は車が大好きな方なので、ビルトインガレージが欲しい。
奥様は無垢フローリングが希望ではあるものの、無垢のフローリングサンプルをご覧になられて、ある印を見た瞬間に虜になられてしまいました。
それがこちら。
実はこの家を設計している際、こんな話をしていました。
私が自邸を建てるのであれば、オスモの無垢フローリングを選びたいですよねー
オスモは自然塗料が有名なんですけど、実はもともとがフローリングのメーカーでして。
オスロ空港の床などはタイルや石貼りだったところを、改修してオスモのフローリングに変えているんです。
メンテナンスが空港の職員さんだけで可能なので、重宝しているみたいですよ。
職員さんはモップで水拭きして、掃除をしているみたいですー。
つまり私の余計な一言がありまして、その話を聞いてしまった奥様の頭の中には。
水拭き出来る、無垢のフローリングが世の中にあるなんて!♡̌̈♡̌̈♡̌̈
そうなんです。
広葉樹の無垢のフローリングは基本的に、水拭きは不可という素材になります。
針葉樹のフローリングであれば、床として貼れてしまえばさほど動くことはありません。
ですが広葉樹の無垢フローリングと言うのは、水分に反応して反りが起きてしまう場合が多々あります。
たまに2液性の接着剤を用いてフローリングを貼る場合もあるのですが、これもやはり接着剤の水分が当たることでフローリングが反ってしまいます。
その反りの部分は歩くと違和感を感じますので、それらをサンディングして仕上げることは出来るのですが、サンディングを行うと無垢フローリングの面取り部分が無くなってしまうほど削る必要があります。
これはもともと私が大工の棟梁時代に、たくさんのフローリングを触って来たからこそ分かる事です。
ですが選んで頂いたオスモの無垢フローリングは、本当に一枚板にも関わらず、水拭きしても反らない・・
無垢材に詳しい方なら、無垢フローリングの小口を見て頂ければ一枚板の無垢フローリングと言う事がご理解いただけるかと思います。
木目なりに、小口も揃っていますよね。
それだけに水拭きが出来る、広葉樹の無垢フローリングの説明をしたあとの奥様の目には。
オスモの無垢フローリングを眺めながら、目からスペシウム光線ならぬ、♡̴♡̴♡̴マークが放たれておりました。
その瞬間私としては。
ちょっと詳しく説明し過ぎたかも・・
ご主人様ビルトインガレージ、無くなってしまったらごめんなさい・・(心の声)
そして御主人様の要望のビルトインガレージですが、ビルトインガレージを作るためには普通の作りと何が違うのでしょうか?
まずビルトインガレージを造る為には、とにかくコストが上がります。
でもビルトインガレージは車やバイクに興味のある方にとって、最高峰の居場所になるんですよねぇ。。(ライターの心の声)
こちらは過去に建てさせて頂いた、ビルトインガレージのある家になるのですが。
この家の場合はGTRの為に、家を新築されました(笑)
力の入れ方が凄いですから当然電動のオーバードアですし、わざわざ車から降りてオーバードアを閉める必要もありません。
また帰宅した際にも電動でオーバードアを開けて、GTRをビルトインガレージに収容することが出来ます。
もちろんオーバードアに付いている照明のみではなく、オーバードアのレール付近に人感センサーを。
そしてGTRがそこを通過したと同時に、ガレージ内の照明が一斉点灯する様になっています。
まさに男のロマンと言えるでしょう。
つまりビルトインガレージを選択すると、コスト高になると言う事になるのですが。
2024年現在はコスト高になっておりますので、一概にどの程度上がるかとは言えないところではありますが。
ざっくりと言って、これだけの手間暇や部材が必要になります。
- 構造計算費用
- ガレージの施工面積7.5坪~
- 深基礎代金
- 地中梁費用
- 基礎防水費用
- 残土処分費
- 土間コンクリート
- ガレージドア
- 室内入り口用ドア
- 外気に接する床の断熱補強
- 有圧換気扇をつける
- 床塗装代
ガレージのドアをこだわれば、最低でもオーバードアでこの程度の費用発生します。
オーバードアには専用の室内照明が付いてますが、あまり明るくもないです。
そのためセンサーライトを設ける必要もありますし、明るくしたければその分の照明器具台も掛かってきます。
つまりビルトインガレージを作ろうとするだけで、それらの費用をざっと計算するだけでも。
420万から430万程度が、最低限のスタートラインでかかる費用と言えます。
ここで奥様のご希望のフローリングと、ビルトインガレージの対決になる訳なのですが・・
家と言うのは奥様が笑って過ごせる環境が一番良いので、ビルトインにしなくても良いのではないでしょうか?
そして打ち合わせを重ねる中で、ようやく落とし所が見つかりまして着工に至る事になりました。
3.地鎮祭を執り行いまして着工となる
地鎮祭を終えると基礎工事に入ります。
目の前はまさに、私が通っていた小学校が目の前に。
子供の頃から育った地域で、地元の工務店として働けるのはなんとも有り難いことですね。
地元のことなら道から何から把握しておりますので、仕事をしている上でも段取りが楽になります。
さて横須賀市に建てる自然素材の注文住宅では、部分的に鈍矩(なまがね)と言って直角ではなく開いた角度になる部分があります。
基礎コンクリートの鉄筋は通常直角に組み合わさる事になるのですが、鈍矩(なまがね)部分がありますので補強も兼ねて鉄筋も斜めに組み上げる必要があります。
そして基礎工事が完了し、大工の棟梁達が一気に上棟させます。
パッと見るだけでは屋根の形をしておりませんが、実は既に建物の形を表しています。
構造駆体は全て無垢材で建てられた構造材になりまして、上棟作業が始まると同時に周囲には無垢材の香りが立ち込めます。
そして外壁はモルタル下地の上に塗り壁の仕上げとなるのですが、通気胴縁を打った後に細かく隙間を開けながらザラ板を貼っていきます。
この時点で分かってしまうのは、なぜかビルトインガレージが見当たらない事が分かってしまいます。
しっかりと車1台分のカースペースが、そこにあるだけになってしまいました・・
その反面で室内の方はどうなっているのかと言うと。
なにやら高級感を醸し出す無垢フローリングが見受けられます。
板と板の間に挟まれているのは、広葉樹の無垢フローリング独特の張り方になります。
広葉樹は膨張する性質も持っていますので、全てぴったりに張り合わせてしまうと反りが出てしまいます。
それを防ぐために薄い板を間に挟んで、一枚一枚張り進めていく根気のいる作業となります。
外部も左官工事が進んでおり、フォルムが形に有りに現れてきました。
この頃になると学校から帰宅中の小学生たちが、現場の前で立ち止まる様になりました。
その会話をなにげに聞いてみてみると。
なんかこの家、家なのかなぁ。
なんか格好良いな、この家。。
そこで私は、通りすがりのおじさんを演じまして。
この建物は家になるらしいよ。
なんでも君たちと同じ小学校に通っていた人が、この家を造っている会社の社長さんなんだって。
へー、そうなんだー
俺達と同じ学校の人が社長かー
なかなかやるね!
こうして工事は順調に進んで行きまして、竣工を迎えることになります。
4.横須賀市に建てた自然素材の注文住宅竣工
もうすでにお解りのとおりですが、どこがビルトインガレージなんだと言われてしまいそうです。
ですが奥様への愛情を考えますとビルトインならぬ、屋外ガレージでも良いのではないか?
とても良い決断だったと思います!
さてこの外観を見た小学生たちも、屋根がどうなっているんだろうと思っていた様です。
家造りを考えておられる方でも、パッと見るだけでは分からないかもしれませんね。
実はこんな感じの屋根になっております。
この様に屋根の軒が伸びて行く従来の屋根ではなく、壁の立ち上がりが伸びて行くパラペットという方法で意匠案を考えました。
またこのパラペットの天端は水平ではなく、若干の水勾配を笠木天端で屋根側に落としています。
これを平らにしてしまうと外壁側にも雨水などが落ちる要因になりますので、美観的にはよろしいものではありません。
ですから屋根側に落とすことによって、外壁面が汚れにくく美観が保たていると言う事になります。
そして屋根材としては、水捌けの良いガルバリウム鋼板を選んでいます。
屋根の勾配もゆったりとした勾配になりますので、何かが飛んで来て屋根の修繕が必要になったとしても。
特に足場を組まずとも、メンテナンスが出来てしまうと言うスグレモノになります。
軒の天井にはレッドシダーの板貼りを施し、玄関扉には無垢材の玄関ドアを選ばれました。
雨が降った翌日に気温が上がると、水分が蒸発するとともにレッドシダーから癒やしの香りが放たれます。
この玄関ドアを開けた先のドアを開けると、リビングにつながっていきます。
こちらは引渡時のリビングですが、リビングいっぱいに敷き詰めた奥様待望の水拭き出来る無垢フローリングです!
もちろん超湿性能を考慮して、天井や壁面にも高い超湿性能を誇る漆喰を塗って仕上げています。
リビングの入口には天井いっぱいまでのハイドア。
そして隣接しているクローゼットの扉もハイドアです。
ホワイトのハイドアを採用している理由としては、漆喰と同化させることで無垢のフローリングが目立つことを狙っています。
そしてキッチンの対面カウンターには、分厚い天板が設置されています。
これはオーダーキッチンなどでよくやる手法になるのですが、天板の中身は下地材になっておりまして。
在庫であった無垢の複合フローリングを加工して、この様に仕上げて取り付けています。
表面は厚張りのウォールナットになりますので、とても重厚感のある仕上がりとなりました。
こちらはご入居後にお茶飲みに伺った際の画像になりますが、ハイドアの連動引き戸が目に入ります。
高さがある分可動に問題があるかと言えば、そんな事はありません。
奥様でも片手で開けられる連動引き戸が、奥の畳スペースとの間仕切りとして重宝しています。
これだけ水拭きの出来る無垢フローリングが敷き詰められていますから、奥様としてはそれはそれは嬉しいことでしょう。
ただし凄いのは水拭き出来る無垢フローリングだけではありません。
こちらは階段室になるのですが、この階段室は通常の階段室よりも多く面積を取っています。
たまに居らっしゃるのですが、過去に急勾配の階段で怖い思いをした経験のある方は、この様にゆったりとした勾配で階段を造りたいとリクエストされる事があります。
段数も増やして、とにかくゆったりと登れる階段に奥様は大満足だったことを記憶しています。
こちらの階段もウォールナットの単板を張り合わせた、中身は集成材の階段になります。
オーダーで制作させて頂いた、唯一無二の階段ですね。
そしてトイレにはGROHE社のタンクレストイレ。
中尾建築工房のお客様用トイレと同じモデルになります。
ウォシュレットの機能部分にも消臭機能が備わっておりますが、これに漆喰が加わりますので清潔感が保たれるトイレになりました。
横須賀市に建てた自然素材の注文住宅は、こうして竣工を迎える事の出来ました。
5.N様らしいライフスタイルを
実はN様の奥様と私は、同じ地元と言う事になります。
ですから打ち合わせの際の方言と言いますか。
横須賀には方言が無いと思われている方も多いかと思いますが、実はそれなりにあります(笑)
多くは書けませんけれども会話の途中途中で、それが出ますので。
私もついうっかり、地が出てしまうということが何度かありました。
N様の家造りは当初ハウスメーカー様との家造りでしたが、その後の地元工務店との家造りはいかがだったでしょうか?
きっとご満足頂けたかと自負をしております!!
この度は中尾建築工房に自然素材の注文住宅を託して頂き、ありがとうございました!
N様らしいライフスタイルを、この家とともに過ごして頂ければ幸いです。
2019年9月にお引渡しをさせて頂きました、水拭き出来る無垢フローリングが勝った自然素材の注文住宅をご紹介させて頂きました。