マンションのリフォームやリノベーションの施工事例|逗子や葉山が施工エリアの工務店が東京へ
マンションのリフォームやリノベーションを計画されている方にとってのストレスは、もろもろの縛りがある事によって使える建材と使えない建材がある事だったりしますよね。
管理組合がしっかりしている所ほど、資材の搬入や毎日の清掃なども厳格化している様な気がします。
さて日頃は逗子や葉山を施工エリアに注文住宅の設計施工をしている中尾建築工房が、なぜか東京都目黒区のマンションリノベーションを請け負う事になりました。
その施工事例として、ご紹介を差し上げたいと思います。
1.リノベーション計画の経緯
このリノベーションは、ある一棟の住宅を建てたオーナー様からのご依頼でした。
実は過去に弊社で三浦市のとある土地に、海前生活を楽しむための別荘を建てられました。
平日は東京のマンションに暮らし、都内で働くご夫婦。
そして金曜の夜になると、三浦の自然を満喫出来る別荘へ。
三浦での生活は景色も良いですし、空気も都内とは全く別物。
美味しい地元の食材もお手頃な価格で手に入りますし、なにより自然感が楽しみで仕方がなかった様です。
そして肝心の別荘ですが。
調湿性能の高い漆喰で仕上げており、湿気とは全くの無縁生活です。
海の前に建つ家なのに、湿気を感じない家ってなに?
さらにはレッドシダーの香りがする2Fリビングや、お気に入りのチークのフローリングなどなど。
自分の好きを詰め込んだ別荘に居る間は、それこそHAPPYな生活を楽しめていた様です。
ところが三浦の別荘での暮らしは、そんなに永くは継続して居る事が出来ません。
日曜日の夜には必ず東京に戻らなければなりませんし、三浦に行くのはまた1週間後になってしまいます。
そして目黒のマンションの玄関を開けると、その空気感と言いますか。
また意匠のあまりの違いに、どうしても奥様のテンションが下がってしまって居た様でした。
まだ現役で働いて居る間は、どうしても仕事の都合上都内に居る方が利便性も高い。
だったら、いずれ都内のマンションは仕事場にして、仕事しなくなったら人に貸すとか。
それまでの間、やっぱりマンションを充実させた好きの詰まった空間に仕上げたい。
そこでそもそも都内を施工エリア外としている中尾建築工房に、ダメ元覚悟で奥様から直接ご相談を頂いたと言う事情がありました。
満足の出来る注文住宅やリノベーションを成功させる裏技として、実はクライアント様の望んでいる「好き」や「癖」を知る事がアーキテクトとして必要な能力だったりします。
そもそもピントがズレてしまっていると、そもそも論で要望の詰まった理想の注文住宅やリノベーションが出来る訳がありませんからね。
施工エリア外だと分かっていて、頼まれてしまって居る訳だしなぁ。。
事情ももろもろ聞いてしまったし、すぐに駆けつけられる距離では無いのも、オーナーさんだから知ってるしなぁ。。
ご夫婦の事を私たちほど理解している会社は、探しても早々に無いだろうし。
仕方がないから行く事にする・・・か。。
そして逗子や葉山を施工エリアにしていて、東京を施工エリア外にしている中尾建築工房が、目黒区のマンションリノベーションの設計施工を行う事になりました。
2.マンションは出来る事に規約がある
マンションのリフォームやリノベーション工事を行う場合、施工上の出来る事と出来ない事の規約が部分的にあります。
- 一戸建てと違って共同住宅である事。
- 音の問題に配慮する必要と基準をクリアする事。
- 無駄に水回りを移動すると汚水の勾配が取れなくなる事
ざっとこの様な部分が主だった規約です。
共同住宅は建物自体がそれぞれ単独で所有していると言う訳ではなく、区分所有法に則って所有する事になっています。
例えば自宅となるスペースは占有部分として自分たちで使えますが、エレベーターや廊下などの通路は共用部分となります。
また玄関や窓の部分は共有部分としてみなされるケースが多いので、リフォームやリノベーションでサイズを変えたり、位置を変えたりする事は出来ないケースがほとんどです。
音に関しては階下の方に音を響かせない様、フローリングの遮音等級にL-45と言う基準をクリアさせる必要がある事がほとんどです。
基準を満たせないフローリングを貼りたい場合、基準を満たしているフローリングへの上貼りをする事でリフォームが出来ますが、張り替える場合は同等の遮音基準を満たすフローリングを選択する必要があります。
マンションのリノベーションの場合、水回りで動かせないのがパイプスペースやシャフト部分になります。
どちらも上から下まで繋がっている共有部分になりますので、動かせるのは床下部分のみ。
ですがフローリングの下にはスラブと言うコンクリートの床がありますので、あまりにもとんでもない方向に水回りを移動させると、シャフトやパイプスペースに接続させると勾配が足りずに床が持ち上がってしまうデメリットがあります。
マンションのリノベーションの場合、空調の吹き出し口や換気扇や給気口なども新たに出口を作る事が出来ません。
外壁部分は共用部分とみなされますので、既存にある出口を利用する事になります。
これらを無視して施工は出来ませんので、マンションの場合は計画を立てる前に確認の作業が必要です。
この様に箱の中で、なんでもかんでも自由に動かせると言う訳ではないので、それらを考慮して設計作業を行う必要があります。
ここでリノベーションを希望されている奥様に対して、私の一言。
あれでしょ?
三浦の家が開放感のあるLDKになっているのに、東京のマンションは閉鎖的になっているのが嫌なんですよね?
ついでに言ってしまうと、あのキッチンを入れたいんですよね?
と言う私の読みは恐ろしく的中しており、奥様の反応はとても良好。
その反面、ご主人様の反応はシラーっとなっていたのは、今でも記憶が読み上がってくる通りに覚えております(笑)
そこでリノベーションの計画は。
- キッチン中心の違和感の無い動線。
- 無駄な廊下は無くして、不要な間仕切りは全て撤去。
- 収納力が元々無かったプランなので、箱物をそれぞれ設置する事で暗かったマンションの中心を明るくさせる事。
- 大きな水回りの移動は行わずに、汚水の勾配を保てる程度のリノベーションを計画。
この様な現実を見ながら、奥様の希望に沿ったご提案させて頂きました。
3.工事を開始する
リノベーションの場合、まずは解体工事を始めます。
マンションのリノベーション工事を行う際、室内自体の間仕切りは撤去が可能です。
このため触れる範囲の状態まで解体工事を行います。
いわゆるフルスケルトン状態にするのですが突発的に思わぬなにかが出ない様、下調べの段階で確認作業を行います。
そうする事で解体前でも、計画通りの施工の良し悪しが見分けられます。
そして次は床暖房の設置を行いました。
床暖房が必要な部分とそうでない部分の段差を調整して、床下地を作って行きます。
床暖房を入れたのち、今度は仕上げのチークフローリング(床暖房対応商品)を貼っていきます。
無惨となっている解体工事から、ちょっと見栄えの良くなる段階の作業です。
今回は床暖房の設置がありましたので、天井壁下地の前に床暖房に支障が無い様、フローリングから仕上げて行きます。
フローリングが張り終えた後に、新たな天井や壁の下地を造って行きます。
下地の作業がある程度完成すると、造作部分に入って行きます。
こちらのリノベーションでは間接照明も入れたいとの事でしたので、あらたに天井コーブ照明を採用する事しました。
普通の天井コーブ照明と違って、一手間違ったオリジナルで造作仕事を行いました。
部屋から見ると、こんな形に見えるのですが。
実際の中は、この様な形になっております。
プラスターボードの部分やランバー合板部分は、全てホワイトの漆喰で仕上げを行います。
ただし床部分に関しては、艶消しホワイトの合板を貼っております。
これは意味の無い事ではなく、間接照明で用いるシームレスラインランプの反射効率を高める為のモノです。
そして造作の工事がほぼ終わり、あらかたのプラスターボードの施工が完了しました。
奥様待望のオーダーキッチンも設置されているので、だんだんと仕上がりの輪郭が出てきております。
まだプラスターボードの状態ですから、仕上げの漆喰まで後少し。
漆喰仕上げが完了すると良く分かるのですが、艶の無いマットなホワイトは光を乱反射させる効果があります。
すでにキッチンまで陽の光が届いていますので、柔らかい日差しの入るキッチンが楽しみになります。
室内の天井や壁面は全て漆喰仕上げか、部分にモザイクタイルを施工しています。
リノベーションで楽しみなのは、完成系を打ち合わせの段階で説明しながら理解する部分では無いでしょうか。
こちらのお宅はすでに2度目の工事依頼になりますので、中尾建築工房への期待値もかなり上がっています。
新築の別荘の引き渡しを以前に経験されております。
仕上がりのクオリティを想像して、とてもワクワクされておりました。
4.完成したリノベーションは?
リノベーション工事が完了し、社内検査を行なった際の画像がこちら。
まずは玄関から入って行きますと、以前にあった下駄箱が見あたりません。
その代わりに背の高い天井まで届く収納を製作しています。
床は重厚感のあるタイルを張り、狭角で明るめのダウンライトを入れています。
照明のダウンライトはなんでもかんでも同じモノと言う形ではなく、目的をもって器具の選定を行なっています。
これはビフォーの玄関です。
まったくもって雰囲気が違う事が分かります。
もちろん収納内部にも可動棚を設ける事により、大容量の靴箱としても使えますし、棚を外して傘なども収納出来る便利なアイテムとなりました。
ビフォーアフターで比較をすると、以前はただ明るい玄関です。
リノベーション後には下駄箱の収納を大きく上回り、大容量の収納力を備えた雰囲気のある玄関になりました。
元々寝室だった場所は明るい南向きにあったのですが、衣類がクローゼットから出てしまっている状態です。
これでは収納力が足らない事が一目瞭然です。
またこの部屋の間仕切りがある事によって、キッチンや廊下部分はほぼ真っ暗。
ご提案として南向きのこの部屋を仕事をする部屋として、間仕切りを概ね撤去する。
そして寝るだけであれば北側の方が安眠を邪魔されにくいと判断しまして、北側に寝室を設置しウォークインクローゼットを造作しました。
向きは違いますが寝室だった部分がご覧の様に仕事場に。
ちょっとした飲食はこのカウンターで済ます事も可能ですし、パソコンを設置してテレワークを行う事も可能。
廊下が無くなった事で、明るくオープンな仕事場に変貌する事になりました。
そしてリビングの一部を潰して、必要最低限の寝室を作りましたが必要なのは収納力。
ご覧の通りのウォークインを造作しまして、たくさんの衣類を収納出来るスペースに生まれ変わりました。
寝室にも間接照明を。
寝室にダウンライトはグレアがまともに目に入りますので、あまりおすすめは出来ません。
特にあとは寝るだけであれば、この様なぼんやりとした照明の方がリラックス出来て目にもやさしいです。
さて、キッチン中心のフルリノベーションは如何に?
元々のキッチンは、この様に形でダイニングテーブルと接続をされてました。
いわゆる一昔前の食卓と言うイメージと言えば、皆様にも分かりやすいでしょうか。
この閉鎖的な印象を受けるキッチンが嫌みたいでしたので、開放感のあるキッチン中心のゾーニングに変更。
その結果は。
閉鎖的な間仕切りは全て取払い、オープンなⅡ型のキッチンを選びました。
料理の好きな方にとってⅡ型のキッチンは、火と水を分ける事が出来ますから作業もしやすいと評判です。
この仕上がりをご覧いただいた奥様は、もちろん大喜び😆
それを拝見させて頂いて、私もほっと一息した瞬間。
まるで自宅の様に寛がせて頂きました😎
ソファーに座らせて頂きまして、思い描いている通りのリビングになって良かったなーと振り返っております。
こちらのキッチンはオーダーメイドのキッチンになりますので、一般的なシステムキッチンと違って利便性と収納力に圧倒的な差が出ています。
もちろんその分ハイコストである事は否めませんが、別荘に入れたオーダーキッチンの使い勝手の良さは忘れられずに・・・
今回も採用される事になりました。
コンロ前とシンク脇には、お好みのモザイクタイルを貼り尽くしています。
壁掛けテレビの金物も設置されて、あとはテレビを吊るすだけ。
そしてこの日は引き渡し当日。
私と奥様の会話する容姿を、中尾建築工房のスタッフが撮影しておりました。
この奥様の様子をご覧になれば、このマンションリノベーション工事が果たして失敗だったか、それとも成功だったのか。
この先のリンクをご覧になって頂ければ、あなたにもきっとご理解を頂けるかと思います。
と言う事で2017年の7月に竣工させて頂きました目黒のマンションリノベーションを施工事例として更新させて頂きました。
2度も中尾建築工房をご利用頂きまして、ありがとうございました🙇
5.まとめ
やはり思うのは新築の注文住宅でも、戸建てやマンションのリフォーム、リノベーションでも。
結局のところはクライアントの悩みや、今までの生活で嫌だったところを改善する事はもちろんなのですが。
それを引き出すヒアリング力と言うのは、やっぱり必要だなーと思うのです。
ですから業者選びでお悩みの場合は、ぜひ話をしっかり聞いてくれる業者をお選びくださいね。
そしてリフォームやリノベーションをご計画で、中尾建築工房の施工エリア内であれば私にもご相談ください。
リピーターも大満足する、ビフォーアフターのご提案を差し上げたいと思います。
それでは2017年7月に引き渡しを終えた、目黒のマンションリノベーション記事をご紹介させて頂きました。
下記の記事のどこかに、さらに詳しい当時のリノベーションブログ記事がございます。
また、引き渡しの時の奥様のテンションが分かる記事がございます!
海が見える家〜三浦市に建てる無垢材と自然素材の家 SEA LIFE(別邸)〜
東京都目黒マンションリノベーション中間報告&会食頂いちゃいました☆
グーグルにもコメントを頂いております!